時空の流離人(さすらいびと) (風と雲の郷本館)

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May 1, 2009
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カテゴリ: 国内旅行




 現在、広島市内の比治山公園内にある 「広島市現代美術館」 というところで、「特別展  どろどろ、どろん 異界をめぐるアジアの現代美術」(3/14~5/10)という催しをやっている。この特別展は、現代美術館のホームページによれば、 <「異界」という世界観を通じて、現代美術を歴史・民俗の世界と繋げ紹介> するというものである。

 先般、これに関連したイベントとして、 「広島の異界めぐりツアー」 が行われたので参加してきた。この催しは、安田女子大学 杉本教授といっしょに、三次市に伝わる妖怪物語である「稲生物怪禄」に関連した場所を中心に、広島市内の異界スポットを歩いて回ろうというものである。

 稲生物怪禄とは、江戸時代の三次を舞台とした物語である。三次藩に仕える少年藩士稲生武太夫(当時はまだ幼名の平太郎)に7月1日から1ヶ月間の間、次々に怪異が起こった。平太郎はこれを次々に退けたため、その勇気に感服した魔王の山本五郎左衛門から、魔王を呼び出せる小槌を与えられたという。興味深いのは、この稲生武太夫という人は、実在の人物であり、現在も子孫の方がおられるということ。この日も、先代の奥様という方がツアーに参加されておられた。なお、この稲生物怪禄をモチーフにし、実際の三次市の町並みが作品中に出てくるということで、一時かなりの話題になった漫画・アニメ作品が 「朝霧の巫女」 である。

 ところで、なぜ三次藩士の物語が、広島市に関係するのかということだが、三次藩はもともと広島浅野藩の支藩であり、跡継ぎが絶えたので、広島本藩に合併吸収され、平太郎も広島に移ってきたためということである。


広島市現代美術館


○現代美術館の庭
現代美術館の庭


 ツアーの始まりは、現代美術館の特別展。異界にふさわしい作品がたくさんあり、ちょっと異様な雰囲気である。なかでも面白いと思ったのは、矢谷和彦という人の「人魚の窓」という作品。船の窓らしきものがあるが、覗いても特に何も見えない。ところが反対側にある鏡に映してみると、女性の顔が窓から覗いているのが見える。これはちょっと怖いかも。

 西尾康之という人の幽霊画も面白かった。和室と洋室でそれぞれ少女の幽霊が描かれている。和室は着物、洋室はミニスカート姿である。いずれも顔の部分が黒く描かれており幽霊の雰囲気を表している。着物の方はかなり不気味だが、ミニスカート姿は、怖さより色っぽさの方が勝っていたような・・・。やはり幽霊には着物の方が似合う。

 他にも色々興味深いものがあるが、今回のツアーの目的は、「稲生物怪禄絵巻」である。展示してあるのは、堀田家本版とよばれるもので、3巻に渡り、平太郎が遭遇した怪異が鮮やかに描かれている。

 館内の展示物をざっと観た後は、いよいよ市内の異界スポットへ向けて出発だ。(続く)


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○「広島県民文化センター・鯉城会館(広島市を歩く46)」の記事は こちら

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Last updated  May 1, 2009 09:30:28 AM
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