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(真地大権現堂の龍柱/向かって左側)
乙女はいつものように機織りをしていましたが、その美しい顔に愁いが見えます。
神様が夢で自分に難破を知らせて下さったのに、父や船子たちを救うことができなかった悲しさが乙女の心から放れません。以来、旅人や漁師の平安をひたすら神に祈り続ける毎日でした。
乙女の妹は既に嫁いでおりましたが、ある日夫が「姉様は美人だと噂が高いが、誰にも顔を見せないそうだね。私は義理の弟だから一目会わせてくれないか。」
と頼みました。暫く考えた妹は「姉はきっと断わるでしょう。
でも方法があります。私が姉様の部屋に行き挨拶をしますから、そのとき何気なく覗きなさい。
中に入ってはいけません。」と答えました。
「姉様しばらくでございます!」
妹の声に振り向いた乙女は、障子の陰から妹の夫が覗いているのを見つけ、途端に逃げるように家を飛び出しました。
末吉の森を抜け山を越え飛ぶように普天間の丘に向かう
乙女に、風は舞い樹々はざわめき、乙女の踏んだ草はひら草になってなびき伏しました。乙女は次第に神々しい姿に変わり、普天間鍾乳洞に吸い込まれるように入って行ったのです。
そして、それ以来再び乙女の姿を見た人はありません。
現身の姿を消した乙女は「普天満宮」の永遠の女神となったのです。』
この時に乙女が暫し休憩を取ったとされる場所が、那覇市首里から宜野湾市普天間にかけて現在も点在する5ヶ所の「普天間グヮー」と呼ばれる洞窟となっています。
(真地大権現堂/鳥居の額束)
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