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2022.07.12
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カテゴリ: 浦添市



沖縄本島中南部の浦添市前田にある「前田トンネル」の上部に「玉城朝薫/邊土名家の墓」があります。「玉城朝薫/たまぐすくちょうくん(1684-1734年)」は琉球独自の歌舞劇である「組踊/くみおどり」の創始者です。「玉城朝薫」の家系は代々、玉城間切の総地頭職を務めていた事から「玉城」を名乗りましたが、子孫の代に「邊土名/へんとな」と実名が変わりました。「玉城朝薫」は中国からの「冊封使/さっぽうし」を歓待するために琉球王府より踊奉行に命ぜられ、この時に生み出された「組踊」は1719年に初めて首里城で演じられました。「組踊」は音楽、舞踊、所作、台詞で構成され、その創作には琉球の故事をもとに物語が作られています。


(三味台/サンミデー)

(墓庭/ハカナーにある三味台/サンミデー)

「玉城朝薫」が作った『二童敵討/にどうてきうち』『執心鐘入/しゅうしんかねいり』『銘苅子/めかるしぃ』『女物狂/おんなものぐるい』『孝行の巻/こうこうのまき』は特に「朝薫の五番」と呼ばれ高く評価されています。「組踊」は2010年に「ユネスコ」の無形文化遺産リストに登録されました。「玉城朝薫/邊土名家の墓」は沖縄特有の堀込式「亀甲墓/かめこうばか」で、墓の入り口である「門石/ジョウイシ」の正面は「三味台/サンミデー」と呼ばれ「香炉/ウコール」や御供物が備えられています。この古墓に向かって「墓庭/ハカナー」の左側には「三味台/サンミデー」の石台が設置されており、石造りの香炉、花瓶、湯呑が備えられ、普段から多くの参拝者に拝されています。


(門冠い/ジョウカブイと相方積みの鏡石/カガミイシ)

(亀甲墓に使われる実際の石柱)

(玉城朝薫/邊土名家の墓下を通る前田トンネル)

この古墓の内部は石を積んで壁や天井を組み上げており、天井は4本の柱で支えられています。「墓庭/ハカナー」の石積みは撥状に跳ね上がる形に開くなど、石積みに曲線を多用しているのが特徴です。「玉城朝薫/邊土名家の墓」は亀甲墓が成立してゆく17世紀後半から18世紀前半に造られたと考えられています。この墓の敷地には亀甲墓の内部に実際に使われた石柱のサンプルが展示されており、沖縄の古墓を知る上で非常に重要な資料となっています。墓下には2000年に開通した「前田トンネル」が通り、墓の東側には沖縄都市モノレール「ゆいレール」のレールが空中に敷かれています。このレールは墓の地点で軌道が不自然にカーブしており「玉城朝薫/邊土名家の墓」を迂回するため特別に建設されたと言われています。




(メーヌハルガー/前ヌ原井戸の大岩)

(ジングスク/銭グスク跡)

「前田集落」の北東部に「メーヌハルガー/前ヌ原井戸」と呼ばれる井戸跡があります。かつて集落の農業用水として使われた「ハルガー/原井戸」で、集落の前方にあった事から「メーヌハルガー/前ヌ原井戸」と呼ばれていた考えられます。現在は井戸は塞がれていますが、井戸の脇に鎮座する大岩は現在も残されています。更に、集落の東側丘陵上に「ジングスク」と呼ばれるグスク跡があり、グスクを形成した巨岩の集落側崖下には墓があったと言われています。現在は丘陵が削られて公務員住宅が立ち並び、巨大な貯水タンクが建設されています。「ジングスク」の遺構や遺物は発見されていなくグスクの詳細は全く不明となっています。古老の伝承によると「ジングスク」は「銭グスク」の意味で「金蔵」があった場所だと伝わっています。


(井の大人川/ヰのウシガー)

(井の大人川/ヰのウシガーの拝所)

(井の大人川/ヰのウシガー)

「前田集落」の最西端に「井の大人川/イノウシガー」と呼ばれる古井戸があり「ヰのウシガー」とも表記されます。「大人/ダイジン」と書いて「ウシ」と言う尊い言葉から『井の中でも尊い井戸』の意味を持ち、その昔に琉球王府から授かった名称だったと伝わります。そもそも「前田」とは「浦添グスク」の"前"に広がっていた"田"から付いた集落の名前であり、周辺は水が豊富な土地でした。明治時代には7ヶ月も日照りが続いても井戸が枯れなかったと言われています。「井の大人川/ヰのウシガー」に向かって右側には井戸の拝所が設けられ、霊石が数体祀られており、水への感謝と水の神への祈りの場となっています。井戸の正面に立つ2つの石柱にはそれぞれ蛇口が設置され、井戸水が出る非常に珍しい仕組みになっています。


(井の大人川/ヰのウシガーのウコール)

(井の大人川/ヰのウシガーのコカコーラ商標)

(社長 ウイリアム E. マチェットの刻銘)

井戸に向かって左側にはウコール/香炉が設置されており、こちらも井戸に拝する場となっています。戦前は半月状に切石で縁取られた水溜めから湧き水を汲んでいましたが、戦後の1959年(昭和34)にコンクリート製のタンクに改修され蛇口から水が出るようになりました。この時「井の大人川/ヰのウシガー」の改修工事の費用を寄付した人物の名前が現在もタンクに刻まれています。総工費用は480ドル53セント(約17万3,000円/当時1ドル=360円)と記録が残されています。井戸のタンクには『Coca Cola』の標識ロゴが彫られており、その下には『社長 ウイリアム E. マチェット』と記されています。ウイリアム エドワード マチェット氏は当時「沖縄ソフトドリンクス」の社長を務めており、この会社は1968年(昭和43)に沖縄コカコーラボトリング株式会社として生まれ変わりました。「井の大人川/ヰのウシガー」は長い歴史を経て、現在も変わらず豊富な水が湧き出ているのです。






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最終更新日  2022.11.11 21:20:24
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