ミシガン・ロール症候群

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ろいろい0822 @ Re:セパハン(11/17) セパハン?ん?なになになに何??? ・…
ぐっちゃんZ @ よみとさんへ マジです。 もう要領をえずに温厚な俺も…
よみと @ ぎゃはははは! コレはマジ話デスカ!? 大概どこのサポ…
ぐっちゃんZ @ ろいろいさんへ 忘れた財布は取りに戻ればいい。 しかし…
ろいろい\( ̄0 ̄)/@ 兄さん… ところで財布忘れてない?って(´-ω-`)…ち…
July 8, 2010
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カテゴリ: カテゴリ未分類

俺は洗った豆絞りの手ぬぐいをポケットの中に大事に入れて稽古に出かけた。
事の起こりは二日前・・・月曜日に稽古場に行った時だった。
前回稽古に行ったのはまだ6月だったので本当に久しぶりに顔を出したのだが、駐車場に着くといつもより車の台数が多く、稽古場の入り口で脱いでいる靴も所狭しとばかり並んでいる。
いったい俺が来ない間に何が起こったんだ?
と思ったが、そこは1聞いて10知る俺。
そう言えば新しい人が来るかもしれないと言っていた。
きっとその人はネズミ年で、繁殖力が異常に強い体質な為に増殖を繰り返しているに違いない。
ちょっとした疑問も冷静な視点を持って挑めば、慌てる事は無いと言う教訓だ。
俺はスリッパに履き替え二階にあがりホールのドアを落ち着きをもって開けた。
・・・え?・・・え?・・・なに?・・・もしかして・・・・
確かに人数が多い事は覚悟していたが、まさか知った顔が一人もいないとは・・・
パニックになりかけるが、冷静な俺がその場を取りまとめる。
落ち着け!知った顔が無いぐらいで取り乱してどうする!
お前は何日ぶりに稽古に着たんだ?
浦島太郎だってほんの少し竜宮城に居ただけで帰って見ると知らない顔ばっかりだったじゃないか!
しかし、ここで玉手箱を開けるのは愚の骨頂。冷静に周りを見渡して見ろ。
浴衣に手ぬぐいに簡易PAからは盆踊りのリズム・・・
・・・なるほど・・・俺は酷い勘違いをしていた。
これは盆踊りの練習・・・そうか!そう言えば芝居の終わりに花火が何たらと言っていた・・・
きっと芝居の最後に花火が打ちあがり、エキストラが緞帳の前で狂湾ばかりに盆踊りを踊りフィナーレを飾る寸方か!
さすがハラダさん。やはり只者ではない。
そうと分かればこうしている場合では無い。ちゃんと見ておかないと。
俺は定位置であるステージの壁側に座りエキストラの踊りのを見ていたら、視界の隅に何か不吉な物が写った。
俺の直感がそれを見てはならないと囁くが好奇心にはかなわない。
チラリとその不吉な何かに視線を移すと身長 140センチぐらいで老婆が手招きしていた。
「ニィーチャン。ちょっと来なせ」
「え?・・・」
「いいから来なせ」
「はあ・・・」
恐る恐る近づくと
「ニィーチャン見ん顔じゃが、どこん人ね」
「え?俺は照明の・・・」
「は?」
「いや、俺は照明を・・・」
「はぁ?」
「だ・か・ら照明の!」
「はあはあ、道明んとこの孫か」
「いや、違います」
「わしゃ道明とこの周造とは昔馴染みでの、若い時は周造にはよく尻さわられたもんじゃ」
人の話を聞け!いや、その前に、なんで俺が生え際が後退しつつあるオヤジに聞かされる「俺もこう見えて若いころはさんざんヤンチャしてな」的な話聞かされなきゃならないんだ?
と言おうとして思いとどまった。
相手は人生の大先輩だ。間違ってもそんな口を利く訳にはいかないので「ハァ」と言葉を濁していると
「ニィーチャン何で踊らんのじゃ?」
「いや、ですから俺は照明のプランを・・・」
「はあはあ。そうか。豆絞りの手ぬぐいを忘れたんか。じゃあこれ使え」
話を聞けババア!て言うか今どこから出したんだ?ちょっと湿ってるじゃねーか!
こんなもん、よっぽどレアな変態じゃなきゃ使いこなせんわ!
「豆絞りじゃぞ。乳搾りじゃないぞ。ひゃっひゃっひゃ」
だ・か・ら!ドラえもんに頼んでタイム風呂敷でその乳元に戻してから言えっての!俺はこう見えてグロ耐性は低いいんだよ!
「仕方ないのう。そこまで言うんならわしが踊り方教えてやろう」
あれか?このババアはロープレの町の住人か?誰かが前にたったら自動的にプログラムされた言葉をしゃべるのか?
いくら意思の強い俺でもスクリプトには適わない。
仕方なく死んだ魚のような目をして踊る
「ここはこうしてそうなってこうなるんじゃ」
「はいはい、ここはこうでこうなると」
「違う違う。ここがこうでこうしてそうなるんじゃ」
「だから、ここがこうでそこにこうなってこうしてこう」
「じゃからここはこうじゃと言うとるじゃろうが」
「でもここはこうした方が未知なる何か挑む何者か的でいいんじゃね?」
「馬鹿モン!ここはこうした方が円熟されたエロスがかもし出されてええんじゃ」
「おいおい、そんなゴビ砂漠並みのシワからエロスなんて絞りだしちまったら、浴衣着る前に白い着物着る羽目になっちまうぜ?でここがこうと」
「何言っとるんじゃ。他と比べて肌がしっとりしとるとお前んトコの周造も言っておったわ。そこはこうして」
「他って像の足の裏と比べてか?分母がデケェと分子が少々酷くても値が同じになるから気をつけな。でこうしてこうなると」
などと踊りの練習をしていたらそこそこの時間になった。
「ハアハア・・・もうこんな時間か。結構汗かいちまったぜ」
「たまにはいいもんじゃろ?こうして世間をわすれて汗をかくのも」
「まあそうだな・・・」
悔しいが俺はババアの言葉に素直に同意した。
年寄りは国の宝と言うが、きっとその通りなんだろう。
このババアにしたって、俺がまだ経験した事のない辛さや痛みを乗り越えて今こうやて笑っているのだろう。
俺に付き合って踊ってくれた為に汗をにじませ少々浴衣が乱れたババアを優しげな笑みで見つめた。
すると俺の眼差しに気付いたババアはハッと浴衣の襟を直し
「やらしい。何見とるんじゃ!」
ババア!テメェ人類の尊厳を著しく損なうような言動を取るんじゃねえ!しかも頬を赤らめやがって。血色の悪さと相まって紫色になってじゃねーか。チアノーゼと間違われたらどうすんだ!
「まったく男ときたら、油断するとすぐにそっち方面にはしるんだから」
どっち方面だ?その人類がけっして向かってはならない方面は?
「まあ今回は大目に見といてやるわ。ちゃと練習しとくんじゃぞ」
そういってババアは歩き出す
俺は手にしていた豆絞りに気付き。
「おい、手ぬぐい・・・」
ババアは振り向きもせずに
「やる。今日つきあってくれた礼じゃ」
そう言って去って行った。
「まったく・・・適わねえな・・・」
俺はため息を一つ付き、豆絞りを手に家路についた。
そして今日。
俺はいつでもエンディングの盆踊りの練習が始まってもいいように、すぐに豆絞りを取り出せるように待機していた。
次か?・・・いや、違うみたいだ。
今度こそ!・・・違った・・・
結局今日は盆踊りの練習はしなかった。
けれど俺はいつ始まっても出遅れないように、あのババアに貰った手ぬぐいが入ったポケットに手を当てて稽古を見つめていた。





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Last updated  July 8, 2010 10:50:18 PM
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