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2012年12月10日
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カテゴリ:
業界大手のなかには、自社で許可申請準備をする事業者も
ありましたので、すでに申請をした会社もあるかもしれ
ませんが、行政書士に依頼した会社のなかでは、日本で
初めてのケースだと思います。ちなみに、大手業者のなか
には10人以上の従業員を1年間以上、この手続のために
投入している会社もあるようです。

高速ツアーバスというのは、東京と大阪間のような大都市
間を、夜行または昼行で結ぶバスですが、低料金をウリに
成長してきた業態です。


バスを借り切って運行する貸切バスだったため、一見非常に
よく似たバスが走っているものの、路線バスと異なり主催
旅行会社にバスの運行責任がないという責任体制の瑕疵が
あって、実施事業者は今年7月から路線バスの許可を取得
して料金の授受と運行責任を一元化する新制度が始まって
います。

高速ツアーバスの責任体制の瑕疵については、5月の本稿で
お送りしていますので、ご記憶の方もいらっしゃるかも
しれませんね。

この新制度については、今年4月の時点で新制度が計画さ
れていましたが、皆さまもご記憶でしょう、不幸にもゴール

新制度の移行期間が3年から1年に大幅に短縮されて、
来年7月までに路線バスとして運行することとされました。

しかし、この路線バスの許可を取得するというのは、非常に
労力の係る大変な手続です。しかも、今回は環境的条件
として大変厳しい状況であります。


一見同じバスが走っているように見受けられますが、旅客
許可制度上はまったく異なるバスです。

貸切バスは、いわゆる観光バスですので、遠足や団体旅行、
修学旅行などに用いられる種類のものですから、基本的に
スポットであちこち自由に走ることが前提です。

しかし、路線バスは、決められた起点から終点までの間を
停留所を経由しながら走るバスです。もちろんダイヤも
運賃表もありますし、基本的には土日祝日盆暮れ正月に
関係なく毎日運行しなければなりません。この運行確保の
ために、1台4000万円もするバスを、予備車として
車検や任意保険も維持しながら1台常時確保(遊ばせておく)
しなければなりません。

つまり、貸切バスと路線バスでは、同じようなバスを
走らせようとしても、リソースから事業計画の精度、
実際にバスが走る運行ルートのステークホルダーとの折衝
等、事業計画書からリソース確保の確実性、現場の調整、
などを経て、ようやく一般乗合旅客自動車運送事業の
経営許可申請ができるのです。

事業として、貸切バスと路線バスとはまったくレベルが
異なることがお分かりになると思います。

この路線バスの許可や、一般乗合旅客自動車運送事業経営
許可申請といった言葉にあまり馴染みがないのは、従来の
路線バスは、鉄道系子会社のバス会社が営んでいることが
多く、運行管理から車両や運転手の管理等を自社運営で
まかなっていることが殆どだったからです。

この伝統的なやり方で、新規に一般乗合旅客自動車運送
事業経営許可を取得しようとした場合、通例では事業
計画から、現場の折衝等々を行い、2~3年程度の
時間がかかるものですが、それが今回は関越道のバス
事故が発生したことで安全運行の要請が大幅に高まり、
移行期間の大幅な短縮となっています。

先述しました大変厳しいとされる環境的条件のいくつか
として、停留所とくに東京駅八重洲口、新宿駅西口、大阪
駅(梅田駅)近辺、難波駅近辺が問題となっており、先日
国交省から高速バス停留所調整ガイドラインに関する
パブリックコメントが募集されていました。

今後、ガイドラインが出されるものと予想されますが、
実務家の視点としては、時間的制約の大変厳しいもの
であること、またこのガイドラインに沿って高速ツアー
バスの業界に対して停留所が確保されたとしても、絶対
数が不足するため最終的に確保できるかどうかは抽選に
よって決められていくこと等の不確定要素が残ります。

具体的には、2013年7月末日までに路線バスとして
運行できる体制を準備するためには、占有許可やバス
停設置工事、営業所の体制準備等に1ヶ月程度は必要
になるため、一般乗合旅客自動車運送事業の経営許可は
6月末日までに取得しておきたいですし、

今回のような、複数事業者が同時に新規の路線や運行
系統の申請する場合、不確定要素を含みながらも、まず
許可基準をクリアする内容で許可手続を進めなくては
なりませんから、複数の補正対応期間として1ヶ月を
確保して逆算すると、2013年の2月末日までには
一般乗合旅客自動車運送事業経営許可申請を受理して
もらいたいということになります。

さらに、先述した膨大な事前準備やステークホルダー
との折衝、申請書類の作成期間として3ヶ月程度を
見込んでおくと、12月に入った現時点で許可申請の
実態となる資料等は全て揃っていないと間に合わない、

来年の夏休みには、これまで帰省に使われてきた高速
夜行バスが走らない、ということになってしまいます。

そこを、今回のクライアントは2年前から準備を進め、
ご相談いただいた時点で許可条件をクリアしており、
私どもの方からは、事業計画に対するコンサルティング
や資料の詳細な点についての修正をかけることで、
スムーズな手続をすることができました。

かくもこのように、許認可事業を開始する場合には、
自社が儲かるかどうかのソロバン勘定だけでは足りず、
数多くのステークホルダーとの調整能力等も経営者に
要求されます。

当然にも、それは出来ることが前提で行なわれますが、
その前提のためにはノウハウが必要となるのは、言う
までもありません。

今回のケースの場合、伝統的な事業者はノウハウを
自社で確保してきましたが、高速ツアーバス事業者に
とっては初めてのことですので、外部確保も大変です。

一般乗合の許可申請の実務家資格者としては、行政
書士となりますが、今回のように路線定期と呼ばれる
種類の一般乗合旅客自動車運送事業経営許可申請が
できる資格者は、先のような業界構造であったため、
殆ど存在しないのが実情です。

高速ツアーバスは、安価に夜行で都市間を移動できる
というニーズが確立されての乗合移行ですので、時間
の制約が厳しいこともありますが、新業態移行のために
是非とも積極的にがんばっていただきたいと思います。

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Last updated  2013年05月21日 13時57分13秒
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