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北千住のシアター1010から帰還しました。北千住駅、西口の丸井の11階に劇場はあります。猛暑のなか、「貴婦人の訪問」日本初演のプレビュー初日(プレ初日)公演を観てまいりました。演出家の方のブログなどから、公演時間は、合計で2:45くらい。祐一郎さんは、1幕から2幕はじめ、はわりと出ずっぱり・・と心得ておりました。たしかに1幕は1時間半ちかく、と割と長めですが、幕間休憩は20分、2幕は60分程度と割と駆け足で進みます。さて、肝心の公演。演出家の方のブログなどで、作曲家の方もいらして、最後は時間が足りないモードと理解しておりましたが、なかなかよくできていたと思います。非現実的な展開ではありますが、表面的に進むストーリーだけではなくて、実はすごく深いもの、善とは悪とは正義とは?それらは真実なのか?まやかしなのか?真実の愛とは、屈折したねじれた愛の形とは?人間の捨てきれない欲望とか、自負と偏見、友情とか、豊かになることへの願望の怖さとか、裏切りとか、深層心理とか、とにかくいろいろな目に見えないものが底にうずまく世界のことを考えさせてくれます。そして、観ていくうちに、色々な尺度が自分の中で変化していくのが、面白いです。多分、回数を重ねて観てみると、更に色々なことに気づきがありそうです。アンサンブルさんたちがとてもよくて、いつものメンバーが多いにも関わらず緊迫感に観ていて台詞も多く、とても活躍されています。まさか、あのサングラスのボディーガードが○○さんだったなんて!(という感じで)そして、男子たち四人組、ちょっとモンテクリスト伯の悪だくみ3人組と似ているイメージです。禅さんは教師、今井さんは市長、中山さんは神父、そして、今さんは警察官。今井さんと今さんがいるとバルジャンとジャベールみたい。中山さんの神父はロミジュリから抜け出してきたような、それにしては、黒い部分も・・?禅さんは、メガネ、中年らしいブレザーなどがとてもお似合い。橋の上にいたときは、え?ジャベールの自殺シーンか?とドキドキ・・・(笑)彼ら4人のかっこいい男子たちのいいお声がたっぷりと味わえます。演技もなかなか・・・状況の変化に応じ、各自変化していくところが面白いです。いろいろな他のミュージカルのシーンが脳内にめぐったりします。貴婦人役の涼風さんの凄みが光っています。衣装も黒やゴールドを基調とし、xx億ユーロの寄付など、これっぽっちも大金とは思っていない・・・・アルフレッドの命とひきかえとして・・。涼風さん(クレア)の登場シーンをはじめ、彼女のシーンはすごい緊迫感に満ち溢れ、息もつけないくらいの静けさです。美しさです。きらびやかです。目力すごいです。ほんとにこの人は存在感、歌唱力・・・そしてセンスがすごいですねえ・・・。黒豹をほんとに飼ってても不思議じゃないくらいの、リアリティがあり。(プレビューの段階なので、物語の核心には触れないで書きます)そして!!われらが山口祐一郎さん!!しがない雑貨屋さんの親父とは聞いてましたが・・・・。いやー、ほんとに今までに見たことのない山口さんが観れました!え?これが山口さん?うん。確かに山口さん。妻も子もあり、平凡な家庭を持つふつうの男性の役!テレビはともかく舞台でこういう役を演じる姿を見られることがまず新鮮です。で、どん!と威厳を見せつける役でもなくて、ふわふわっと優しさや弱さをみせてくれる。(初日の緊張もあってか、珍しく汗をたくさんかかれてて、ちょっとドキっとする場面も。でも役柄もあり、最初はバタバタしているのにまぎれて緊張もまぎれていたかもしれませんね。そして、役柄上もあり普通に顔を拭いたりされていて・・・ちょっと新鮮でしたね)チラシにある、ぐっと目力を聴かせたダンディーな山口さんを想像しながら観ると・・・いろいろな意味で裏切られるかもしれません。ヘアースタイルはちょっと違います。髪色ももっと明るくて、ふわっとしてて、そして、なんと!眼鏡なんですねえ・・・。顎の線はシャープで綺麗!最初はえええ?って感じの登場です。で、1幕はほんとにたしかにずっと板の上のどこかに存在している感じ。これを出ずっぱりというのであれば、そうですね。でも、歌ったり台詞があるとは限りません(笑)そして、アルフレッドという人物像ですが、最初は山口さん独自の味を生かした軽妙さがとても目につき、体の動きや台詞のしゃべり方も含めて、これはファン以外には、ちょっと不思議と思われてしまうかな?とハラハラしましたが、そのうち、彼の独特の魅力に惹きこまれていき、チャーミングなおじさんに見えてきます。一生懸命老け役をしているのですが、なんせ彼は肌が美しいし、透明感が全体的にあり、台詞をしゃべると、なにやら少年のようなところがあり、年齢は不思議ちゃんです(笑)そして、声が限りなく優しくソフトで、ふわふわっとしていて・・・なんでしょう・・威圧感のあったコロレド大司教と同一人物とはとても思えません!!動きもね、すごい独特なふにゃっとした柔らかさというのでしょうか。内股な感じといいますか。お金の寄付の話から、街の人たちのその後のいろんな行動が、自分にとって、ある意味をもっているように見えてきて・・。まあ皆さんも衣装もだんだんと豪華な方向へと変化していくのですね。このアルフレッドの目に「見えているもの」は、リアルか錯覚か?そのへんも面白いところです。そしてその囚われの感覚により、また行動がすこし変わってくる。いままで見えていた世界も違ってみえてくる。もちろん、彼の命と引き換えに大金がばらまかれるかもしれないその町のひとびと、にも変化は訪れていき・・・。アルフレッドととクレアのシーンには、若き頃のふたりが重なりあうことが多々あります。歌も絡み合います。いろいろなことがあって、その結果がいまの現実につながる。意識にのぼっていなかったことが、顕実化していく。そのとき見えてくるものは・・・・?2幕になると、ほわわん♪としていた、しがない雑貨屋の親父さんも、トーンが変わります。衣装は・・・・まあ見てのお楽しみで。(雑貨屋なので、エプロンもありますよ)個人的な印象としては、あの「レベッカ」で謎の女であったレベッカ本人が実は生きていて、涼風さんとして帰ってきて、それを老マキシムがドキドキっとしながら迎えて、動揺のあまりあんな風になってしまって・・・それはイッヒに見せる姿とはだいぶ違って、威厳も捨て去り、心細く不安でいっぱいのふつうのひとりの人間としての弱さも見せて・・というようなレベッカの続編のようにも見えました。実際に「あのとき、君が生きているとは思わなかった」などというセリフもあり、その感を強めました。そう、このアルフレッドという役は、弱さを存分に見せてくれます。そして、暗い運命のはずなのですが、それを救ってくれるなにかが彼にはあります。たぶんほかの俳優さんがやれば、シリアスで、ある意味辛く暗いストーリーになってしまうところが、このたぐいまれなる不思議なパワーをもった彼が演じると、独特の軽妙さが加味されます。トーンが変わります。非現実的な悲劇になりそうなところが、どこか俯瞰した目をもたされ、喜劇的な要素が加わり、悲喜劇という分野になる。やはり、祐一郎さんは、透明感は健在するものの、独特な魔力があるようです。最後にセンターにまっすぐ立つ姿はバルジャン(コンサートバージョンの祐バル)を思い出しました。最初のふにゃふにゃ星人とは別人でした。ふつうの人を演じているけれど、普通じゃない何か。客席に下りたり、舞台のへりに腰かけたり・・・歌は大曲はないけれど、ハーモニーを楽しめる曲は結構ありますね。プレビュー初日。ご挨拶がありました。祐一郎さんは、外は37度の暑さです。この「貴婦人の訪問」を観たせいで、熱中症にかかったぞーなんて言われないよう、水分補給をよろしくね、と。涼風さん。このずらっとメンバーで、貴婦人の訪問ツアーを9月13日までやりますので、よろしくね。と。そうそう、客席なかほどには作曲家さんがいらっしゃいまして、ご紹介がありました。これから、プレビューがあと2日。そして大阪、金沢と続き、シアタークリエで8月13日から。博多名古屋と続きます。これから、いろいろと変化していくと思います。お楽しみに…♪プログラムは1600円、お稽古写真入りでした。
2015.07.27
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