歌 と こころ と 心 の さんぽ

歌 と こころ と 心 の さんぽ

2018.07.02
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カテゴリ: みそひともじ

♪ 深奥に燻っている何ものかやり残し来しものが匂いぬ









 客の入りは、後ろの方に空席が目立ち7割ほどだろうか。当然と言おうか、やはり落語は中高年と相場が決まっている。幾ら風間杜夫が人気があると言っても、世代的にも60-70代が殆どの様だった。男女はほぼ半々というところ。


撮影禁止なのでこんな写真しか撮れない。

 折角だからと最前列の真ん前の席をゲットしてあった。至近距離ゆえ演者の表情が良く分かる。風間杜夫って年齢は私と同じぐらいのはずなのに、顔はつやつやしているしふっくらした顔のどこにも皺や老人班なんて見当たらない。

 しかしこの席、真ん前すぎてちょっと見上げる形になるので首が痛い。腰を前にずらして背もたれに頭を付けてみると丁度いいんだが、今度は眠くなって来る。
 隣のオッサンはさっきから軽い寝息を立てている。風間杜夫の目の前だから当然視線には入るだろう。2人そろって寝ているというのも具合が悪いので、必死で眠気と闘うことに。


最前列の頭が見えるその隣に座っていた。

 うわさに聞いていた通り、根っからの噺家のごとくに枕からとても流暢なおしゃべりが始まった。入りの口調は少し硬かったものの本題に入る頃にはすっかり落語家になり切って、短くまとめられた「道具屋」の一席を披露してくれた。良く知られた演目だけにやる方も興が乗るのか、とんとんとんとテンポがいい。30分足らずで一席が終わった。

 休憩を25分も取ってあってオイオイと思ったが、ホールの外に出て水分補給し、眠気を解消するには必要な時間ではあった。
 後半は真ん前の席にはつかずずっと後ろの空席から、見下ろす感じでゆったりと鑑賞。演目は「火炎太鼓」。こちらも良く知られた出し物だけに、お客の乗りもいい。あっという間に一席が終わった。後から、今日の二つの演目は、持ちネタ12だったか16だったかの内の最も自信のある2つだと言っていた。どうりで熟れているはずだ。



 二席終わった後は、司会と対談形式のトークショーとなっている。どこでもそんな構成になっているのだろう。役者のキャリアが長いだけに話す内容には困らない。中学までは子役で映画には随分出ていたらしい。高校・大学時代(中退)は離れていたが、映画俳優よりも舞台俳優に憧れがあって、大竹まこと等とシティーボーイズを結成し芝居の世界に。

 食えない時代も長く、『仮面ライダーV3』のアトラクションショーで日本全国を回った話などエピソードには事欠かない。つかこうへいとの出会い、ミュージカル初出演(大竹しのぶとの共演)のこと、 独り芝居「ピース」 を8月4日に扶桑文化会館でやる話とか、隣の東海市ではアーサー・ミラー 「セールスマンの死」 11月29日・30日の告示とか。許されるなら、2時間でも3時間で話は尽きることなく続くことでしょう。


2時間ほどで終了。

 来年は古希を迎えるとうから矢張り私と同じ歳だ。ミュージカルに独り芝居、落語にテレビドラマ(せごドン)、八面六臂の大活躍。独り芝居の新作も予定しているらしいし、いやはやもう凄い人だ。芸能界きっての雀士でもあり、麻雀番組『THEわれめDEポン』では8回の優勝経験(うち5回は5連覇)を誇るなっておまけまでついている。


 私も切っ掛けがあったら役者になっていたかもしれない、と思うことがある。いつもオドオドしているくせに図々しいところが有って、自分を変えたいという思いも強かった。転校した中学の予餞会の出し物に何の根拠もないのに演劇をやりたいと手を挙げたことがある。他に賛同者がいなくてポシャってしまったが、自分にそんな部分があることをその時に知った。
 止むに止まれぬほどの渇望までには至っていなかったので、そのまま立ち消えていた。
 しかし、もしかしてそんな世界も有ったんじゃないかと、溝からメタンガスがぶくっと湧き上がる様に思う瞬間がたまにある。






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最終更新日  2018.07.02 10:36:30
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
「ジグソーパズル」  自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)

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