歌 と こころ と 心 の さんぽ

歌 と こころ と 心 の さんぽ

2019.08.23
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カテゴリ: 心 想い

♪ 明け方にねこ帰りきてわらわらと雨降りはじむパソコンの前




 高度経済成長は完全に終わり、減速して縮むばかりの21世紀。高度経済成長時代の夢と甘い汁が忘れられずに計画ありきでつき進めている整備新幹線や必要もないのに超高速のリニア新幹線を作ろうと莫大な予算を注ぎ込んでいる。問題を先送りして、目先の花火、目先の利益、企業優先の人気取りにばかり目がいっている。

 2020年の東京オリンピックも2025年の大阪万博も、万馬券を取った過去の栄光を忘れられず、半信半疑のまま夢よもう一度とばかりにギャンブル的に金を注ぎ込む。大阪はカジノを含む統合型リゾート(IR)が目的のようで、最早、地道な経済活動を出来なくなり刹那的な快楽を求める下流社会の末路の様だ。横浜もIR誘致を決めた様だねぇ。




 明治大正期の国家黎明の時代にあって先を急ぐばかりの世の中に対して、異議を唱える人が居た。新元号になった今こそ原点に立って、地に足を付けた人間本来の生き方を取り戻すべき時だと、私も思う。
 しかし、高速ギヤが組み込まれてしまった社会を元に戻すことは至難の業。それを取り除くことが出来ないのなら、大きくゆっくり回る歯車を一枚組み込んでやるしかない。価値観という材質でできたフライホイール。

 チャップリンの「 モダンタイムス 」は1936年(昭和11年)の映画。ここで描かれているものは今でも質を変えて現代社会の根本に居座っている。
 便利と楽を求めて、失ったものがどれほどあるか。時間を金で買って、何か得した気分になっているだけで、逆に忙しい思いをして暮らしている現代人。「働かざる者、食うべからず」は搾取する側が押し付けている価値観であって、人は「働くために産まれてきたわけではない」。

 手段が目的になってしまっている本末転倒の社会にあって、人と自分を比べながら同調圧力の壁に囲まれて生きている。
 価値観はもっと多様であるべきだし、人と同じである必要なんかない。金子みすゞの「みんなちがってみんないい」の言葉は奥が深い。

『私と小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、
 お空はちっとも飛べないが、
 飛べる小鳥は私のように、
 地面を速く走れない。
 私がからだをゆすっても、
 きれいな音は出ないけど、
 あの鳴る鈴は私のように、
 たくさんな唄は知らないよ。
 鈴と、小鳥と、それから私、
 みんなちがって、みんないい。

 鈴という無機質なものも小鳥と同じように存在しているし、自分もそれ等と同じなのだという世界観。この詩は決して自分勝手でいいという意味ではないことが明白なのは、「鈴と小鳥と私」が横一線に並んでいる事でもわかる。

 自分らしく生きるという事は、「 他人と自分を比べない事 」に掛かっている。






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最終更新日  2019.08.23 06:11:56
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
「ジグソーパズル」  自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)

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