♪ ひるがえって夏日とならん早朝に電動カートが通り過ぎゆく |
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モデルハウスが完成し見学者を受け入れているようなので、見学させてもらった。きのうは生憎の雨で営業の女性社員が現地案内所に詰めているものの誰も訪れないようなので、カミさんと二人で声を掛けた。 この正面が北になる。 果たして4180万円の家とはどんなものなのか、興味津々でいざ中へ。 1階 床面積46.38m 2 (14.03坪) 1回はDKとリビングを兼ねたワンフロアで、白い壁に囲まれている。第一印象は、8畳弱なのになんだか狭い感じがする。いま自分が住んでいる家が基準になるので、どうしてもそう感じてしまう。狭い分天井が高くしてあって、基準が2.4mのところを10㎝高くなっているらしい。そして、通りに面しには1間の掃き出し窓があり、高さが2.1mの透明なガラスになっている。一応バルコニーが設けてあはあるものの、道路との距離が近いので開け放しておくことはできないだろうし、部屋全体が丸見えになるので落ち着かない。床暖房になっているのは良いが、ゴロンと横になっているわけにもいかない感じ。カーテンを閉めっぱなしになるんじゃないだろうか。 東南に掃き出し窓があるものの目の前に家が建ってしまうと、土地が一段下がっているのでほとんど隣家の陰になってしまう。 2階 床面積53.83m 2 (16.28坪) 2階は夫婦の寝室と子供部屋が三つの想定になっている。外観から想像はついていたが、どの部屋も窓が小さいのが気になった。窓の位置は、明かりが取り入れやすいのと安全性からか、高い位置にあるので外の景色が見えにくい。子どもは、クロス張りの白い壁に囲まれて、息が詰まりそうな生活を強いられる。 気密性が重視され、窓はペアガラスなので電車の音も苦にならない。部屋全体が発泡性の樹脂で充填してあってすき間は全くなく、保温性は抜群に良い。洗濯物は部屋干しが前提になってその為のバーも設けてあるし、別の部屋にはバーを掛ける「受け」が壁から引き出せるようになっている。2階はすべてフローリングで、全くの洋館作り。田舎の純和風の家でない限り、「炬燵で蜜柑」という冬の風物はもうどこにもない。 スマホで写真を撮るつもりだったが変哲のない写真にしかならないと思い、一切撮る気にならなかった。 我が家はもともと1階は田の字の畳の部屋だったのを、大幅に改造して洋風にしたものだが、フローリングにじゅうたんを敷き、冬は炬燵を置いて和風の生活をしている。「良いとこ取り」の和洋折衷で、この方が光熱費の節約になるのは実証されていること。 落ち着かなければ、テレビやキャットピラーの後ろ半間を仕切ることもできる。押し入れ、床の間をつぶして部屋を広げてあるので10畳のスペースがある。その上、「京間」という最も広い作りになっているので、普通の部屋より20㎝ほど広い。入居当初は卓球などやったりしていた。来る人が「落ち着くな~」と口をそろえて言っていた。 踏み天井で低いのが難点だが、慣れて苦にならなくなった。広さがカバーしてくれているようだ。 そんな築90年の家に住んでいて、むき出し梁や壁に釘など自由に打ち込めることの使いやすさは、住んでみるとよくわかる。 最近の家は使い勝手が非常に悪く、一見、無駄でも人間に必要な「遊びの要素」というものが全く無い。石膏ボードの壁では釘やフックを打てず、棚さえ自由に取り付けられない。 耐震と防火、保温と気密、防犯と安全などが最優先になっていて、“情緒やゆとり” というものが蔑ろにされているように思う。 最低(睡眠のみ)でも一生の3分の1を過ごす空間だ。“一生を有意義なものにするための住まい” として、豊かに過ごせる家という観念がどこかに行ってしまっているんじゃないか。 営業妨害するつもりはないので、あまり悪いことばかり書いてはいけないと思いつつ、昭和生まれの爺の評価は厳しいものになってしまった。4千万円以上の、一生に一度の超高価な買い物。ローンを組んで長期にわたって返していくことになるのは、他人事ながら心が痛む。一戸建てにこだわり、中古物件を嫌うことから考え方を変えないと、やたらと金のかかる仕組みの現代社会では、よほどの金持ちでない限り豊かな人生など送れない。 |
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