ECBが金融市場の負の連鎖を止めるため、イタリアやスペイン国債の買い
入れに乗り出した。
これは週明けの市場が始まる前の協調行動を確認したことを受けた措置。
これが功を奏して、両国債の利回りは急低下した。
先日のブログにも投稿したが、イタリアの国債償還は8・9月の2カ月間で
約1000億ユーロにも達する。さらに来月は今月の償還額を超えていることから、何としても利回り上昇を
波及させないため、今月は国債価格の下落を防ぐために必至のようだ。
しかしイタリア国債の利回りが低下しているのは、5年物中期国債のみ。
2年物短期や10年物長期国債はほとんど動いていない。これを受けて、フランス国債の格下げ可能性が次第に高くなった。
何しろイタリアへの最大融資国だからだ。
間もなく米国でサブプライム危機が拡大し始めて、4年が経つ。
2007年8月中旬から発覚してきたのだ。
来月は住宅ローンを抱える低所得者層や中間層にとって、悪夢が訪れるに
違いない。
金利返済が最高潮に達するからである。
これがユーロ圏危機と同時期に重なるのだから、たまったものではない。
今回米国債を格下げしたのは、S&P社。
デフォルト宣言をした場合は、格付けを 「D」 にすると話していた。
だからダブルA程度なんて、遅かれ早かれ予想通りの評価だったのである。
すでに米国は実態上は破産している。
だから建前上のダブルAとはあまりにもかけ離れているわけだ。
さて政府・日銀はこれからも米国債を買い支えることを表明。
世界的な円買いの流れで、東京市場が動いている時、一気に2円とか3円
円安になれば、米国債購入に走ったということで間違いない。
もう日本はゼロ金利だから、これ以上の公定歩合は下げられない。
円高を食い止めるためには、為替による円安介入か、米国債購入しかない
のである。
すでにスイス・フランは対ドルで最高値に達した。
政策金利も0.75%から、一気に0.25%まで下げているので、ほぼ日本
と同様な状況になってきている。
もはや各国はいくら介入しても、ドル安の流れは喰いとめられない。
日本など一部の国はドルを下支えするだろうが、他国では逆に米国債とい
った資産を売却していくことも考えられる。
これは少しでも目減りを防ぐため、止血といった応急措置である。
このままだと日本の米国債保有額が、久しぶりに中国を追い越してしまう
可能性もある。中国当局は、"これ以上買わないし、売りもしない" と言っている。
ある意味でネガティブ的な発言と捉えていいだろう。
★シティアライアンス 代表兼 「ヒルザー・ドットコム」 運営者
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