『とんとこひ・セクスアリテ』

March 14, 2009
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テーマ: 性別適合手術(7)
カテゴリ: 性教育/性球儀
『ブレンダと呼ばれた少年』
 14 あいまいな性---より抜粋です。



Milton Diamond(ミルトンダイアモンド) はデイヴィッドに会うためウィニペグへ飛んだ。・・・
David Reimer(デイヴィッド・レイマー) は自分が医学文献のなかで有名な存在であること、自分の奨励が成功例として報告され、それにしたがって以後何千もの「性転換手術」が行われてきたことをはじめて知った。一九九四年の冬に書かれたその論文には・・・



 ダイヤモンドは五〇年代後半に行われたカンザス大学チームの研究を例に挙げ、デイヴィッドの症例は、ジェンダー・アイデンティティと性的指向がおもに先天的なものであるという証拠であり、それは出生前のホルモンの分泌や、脳と神経へのホルモン以外の遺伝的影響によって形成されるもので、 だれでも性転換に対して容易に順応できる能力があるという柔軟説には限界がある 、と論じた。・・・



 ダイアモンドは 性別再判定手術は、デイヴィッドのように正常な生殖器と神経系を持って生まれた新生児にとってだけではなく、半陰陽の新生児にとっても同様に謝った方法である と説明した。・・・以上のことを踏まえた上で、ダイヤモンドとシグムンドソンはあいまいな生殖器を持つ幼児の扱いを示す新しいガイドラインを提案した



・・・自分がどちらの性に近いかを子供たち自身がはっきりと自覚し、明確に表現できる段階に成長するまで・・・「どちらかの性に一貫して子供を育てる。ただし絶対にメスで切るのは避けること」ということである。・・・



 少なくともひとりはダイヤモンドたちの主張を強く支持した者がいた。
ウィリアム・レイナー はその二年前から、「性転換」をした患者に対する、はじめての長期にわたる包括的な追跡調査を行っていた。
 一九九五年、精神医学の助教授としてジョンズ・ホプキンズ大学に雇われた彼は・・・



一六人の患者の調査を行い、遺伝学的には男性だがぺにすのない状態で生まれてきたため、去勢して女の子として育てられた六人について・・・二年にわたる研究の結果、この六人全員が態度や行動において女性より男性に近いことが発見された。そのうち二人は、男性(XY)の染色体を持っていると知らされていないにもかかわらず、自発的に男性に戻っているような状態だった。・・・



 レイナーは、一九七一年にオックスフォード大学で行われた、いまや古典とされている研究を例証として出している。それはネズミの メスとオスの脳の解剖学的な違いを示したもので、その六年後、カリフォルニア大学の研究者たちは、その違いを視床下部の細胞群にまでしぼりこんだ。



 一九八〇年半ばにアムステルダムで行われたある研究では、 人間の視床下部内でそれに相当する位置が突きとめられ、同性愛者の細胞群が異性愛者のそれよりも二倍に大きい ことが注目された。
 さらなる研究も、この発見を支持している。



 一九九三年と一九九五年、同性愛者の兄弟を対象にした異なる二つの実験で、研究者ディーン、ハマーは、 同性愛者のX染色体にいくつかの特徴的なパターンを発見した と発表した。これは性的指向が遺伝的な要素による可能性を示唆するものだった。



 サンフランシスコを拠点にした活動家、 シェリル・チェイス (性腺の中に卵巣と精巣の両方の組織を持つ「真性半陰陽者」、幼少期にくりとりす切除手術を受けた)は・・・ 「男の子と女の子」、「男と女」といったニ分法では性を捉えることのできない 世界に足を踏みいれ・・・ジョンズ・ホプキンズ大学病院で始められた半陰陽の治療に関するプロトコルの危険性を医療機関に訴え始めた。



 チェイスは決して、生命を救う手段としての生殖器手術に反対したのではなく、新生児に施される医学的に不必要な外科処置を「野蛮」だと糺弾していたのであった。・・・チェイスの究極の目的は、「 他人と違うことがまるで怪物であるかのような考えをなくすこと 」だった。



 ブラウン大学の アン・ファウスト=スターリン は・・・「この分野において大規模な改革を行うとしたら・・・要するに専門家を育てるのです。そういった家族と長期的にかかわりあいながら、感情的、或いは実際的な疑問を解決する手助けをするわけです。実際的な疑問というのは非常に日常的なことです。



体育の授業に服を脱ぐときどうしたらいいのか?学校のシステムとどう関わっていけばいいのか?
 このように新たな基盤を築き上げて、諸疑問を解決していかなくてはならないのです。 医療専門家にはそうする責任があると思います



 一九八九年、『泌尿科学ジャーナル』に・・ ・ジャスティン・ライリーとC・R・J・ウッドハウス の研究は、同じ症状を持つわずか二〇人の患者の生活を追ったものでしかない。・・・さらに徹底した研究は・・・一九五五年以前に・・・赤ん坊のときに手術を受けなかった二五〇人の半陰陽者を綿密に調べ上げた。・・・研究論文は以下のことを明らかにした。・・・



 「半陰陽が精神病と神経症の大いなる要因になりうるということであれば、だれも驚きはしなかったであろう。」・・・「しかしながら、半陰陽のなかでも最も両性的な者たち、つまり自分の性がどっちつかずだと気づかずにいられない人びとのいわゆる機能的精神『』障害の発症率は、著しく低いことが証明されている。同様に、非常に深刻で典型的な神経症性精神『障害』の発症率も、著しく低かった」



 この論文のなかでとりわけ興味深いのは、成人して本人が決断を下せるようになるまで、外科的手術もホルモン治療も受けずにいた半陰陽者一〇人にたいする綿密なインタビューである。
 「その子が驚くべき持久力と確信を持って、その複雑な問題を自分のなかで処理したことは賞賛に値する」・・・「人付き合いにおける要領のよさと安定した精神」・・・



 「成人したきょうだいよりもよほどしっかりしていた」・・・「精神『障害』の気配も見受けられず、最も成功した人生を歩んでいる--- ---彼の人生は、まさに 自我 の力というものの存在を雄弁に物語っている」・・・「この青年がもうひとりの生き証人である--- ---つまり、部分的にバランスの取れていないあいまいな性に直面したとき、 自我 の力はたいへんな威力を発揮する」・・・



 市販も配布もされていないこの論文は、ハーヴァード大学のワイナー図書館に文書による請求をしないかぎり入手することは出来ない。ちなみに一五五一年、博士号取得のため大学に提出されたこの学位論文の著者は、三〇歳の博士候補で、その名前を John Money(ジョンマネー ) という。








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Last updated  March 14, 2009 02:50:51 PM
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