熊本地震は最悪のタイミングで起こった。
温暖化の進む中、真夏の震度7の大地震。
被災住宅での自宅避難や炎天下での車中泊、
ある程度、設備の充実した避難所でも、
感染症や食中毒の危険性が非常に高い。
せっかく地震でも生き残った命、
死なずに済んだ命が失われていく。
この状況では、今後、地震による
直接死よりも、死なずに済んだはずの
災害関連死が爆発的に増えていくのは
避けられない。
特に現在、台風13号が来週末に
九州を直撃する可能性が高く、
いくつかのシミュレーションがあるが、
直撃すれば、現在の避難の体制では、
更に被害を拡大する危険性が非常に高い。
何が問題なのかといえば、
最大の問題は、
『被災者を被災地で被災者が支援する』
という体制。
それは、災害直後は仕方のないことだが、
中期的な支援としては望ましくない。
生まれ育った土地であったり、
勤め先やコミュニティの一員として
その地域を離れられない人もおられる
だろうが、そうではない人は、
不自由で不便な被災地に留まるよりも、
被害の少ない周辺自治体や遠隔地の
自治体に避難すべきなのではないか。
例えば、新幹線網を使った遠隔地の
ホテルなどへの広域避難制度だ。
既に九州から北海道までの新幹線網は
完成しており、新幹線を利用すれば、
九州から北海道まで10時間程度で
移動可能。避難所や車中泊で明日をも
知れぬ生活をしていることを思えば、
それほど厳しい移動とは限らない。
新幹線沿線の駅前には新幹線特需を
見込んでホテルが供給過剰の傾向が強く、
あらかじめホテルと協定を結んでおけば、
災害発生と同時に遠隔地のホテルが
避難所や被災者住宅として利用可能となる。
新幹線網を使った広域避難制度など
物理的にはいつでも実現可能なのだが、
話をややこしくしているのは、
旧国鉄JRの分割民営化の縄張り争いだ。
実現すればドル箱になるのが間違いない
北陸新幹線の京都・大阪への延伸、
新幹線の米原延伸、本州環状線、
北陸←→東北の新幹線の定期便すら
実現していないのはそのためだ。
JRが分割されずに1つの組織のまま
であれば、それらのことは当たり前の
ように実現されていたはずだが、
JRが四分五裂に分割されたために、
例えば、北陸新幹線が延伸されても、
JR東海やJR西日本などには直接的な
利益が少ないからだ。
もう一つ障害となっているのは、
被災地の復旧・復興は被災自治体が
やるべき。もちろん、建前としては、
そうなのだが、被災者支援としては、
被災していない自治体からの広域支援、
広域避難が理想的だ。もちろん、現在、
自治体間で様々な支援協定が結ばれて
いるが、被災者支援を遠隔地の避難所や
宿泊施設で行う制度は、あったとしても
同じ自治体内で数十キロ移動する程度か。
それでも、やろうと思えば、
いつでも実現可能なことなのだから、
地域の壁を越え、JR同士の壁を越え、
なんとか実現できないものか。
希望しさえすれば、エアコンの利いた
ビジネスホテルの一室へ半日くらいで
移動できて、必要ならば半日くらいで
故郷に帰れるような制度。
……いや、そうしなければ、
このままでは、せっかく助かった命、
死なずに済んだはずの命が、
確実に失われていくことになる。