DOWN HOME/ZOOT SIMS この④I CRIED FOR YOU!!ほのぼのとしたノリ。ズートの最高傑作トラックではないかと思える。彼の特徴はアクセントの効いた独特の節回し。非常に肉声感の強い情のこもった歌い方をする。フレーズに暖かみがある。コルトレーンのように音符を吹きまくるのではなく、要するに「スイングしている」のだ。ジャズがただうるさくてせわしない音楽だと思って敬遠している人には、ともあれここら辺の作品を聴かせたらどうだろうかと思っている。これ以上ないほど分かり易い形で「スイング」が剥き出しになっているこの作品を聴いても良さがわからなければ、その人はもうジャズには縁がないと思ってあきらめがつくというものだ。コルトレーンのその音符を敷き詰めたようなサウンドを「シーツ・オブ・サウンド」と言うとすれば、ズートのはさしずめ「シーツ・オブ・スイング」というところだろう。もうホント、アルバム全体がスイングで埋め尽くされてます。