BENNIE GREEN WITH ART FARMER 冒頭曲の第一声からして、いかにもトロンボーンらしい、のほほんとした音色。トロンボーンはやはりこういう肩肘張らない演奏が一番いいのだ。これだけ聞き手に緊張感を与えないジャズは珍しい。ジャケットの写真、「でへへ、オレ、ジャズやってっぜ」といった声でも聞こえてきそうな、どこかの田舎のおっさんといった雰囲気。しかしほげほげっとした音色にやんわりと緩んでいるだけで音楽自体を聴き逃してしまってはもったいない。なかなか上手い。ベニーグリーン的な音楽世界は、地味ながらつぼを押さえてそこそこおいしい、のり弁当のようだ。贅沢ではないにせよなくてはならない味の一つである。アート・ファーマーは、一個だけ入っている唐揚げ。とりあえず腹膨れたし、またいっちょがんばっか。