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July 20, 2026
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カテゴリ: 読書感想
「夜明けのメイジ―」ジャクリーン・ウィンスピア著
長野きよみ=訳 早川書房 
原題『Maisie Dobbs』 2005年3月31日発行

■あらすじ
ロンドンで探偵事務所を開いたメイジ―の初めての仕事は、
上流婦人の浮気調査だった。
早速、尾行を始めたものの、たどりついた所は寂しい墓地。
貴婦人には一体どんな秘密が・・・・・・?

自らの才覚を頼りに、メイドから大学生、看護婦、そして

二十世紀初頭の古さと新しさが同居する英国を舞台に、
恋に仕事に真摯なメイジ―の姿を描く
アガサ賞、マカヴィティ賞受賞作。


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■感想
身近に置いておき、読み返したい本だった。
残念ながらバリューブックスに在庫はなく、
アマゾンで税込み6,380円!
驚愕して楽天で調べるとありがたし、
普通の中古本があったよ~( ;∀;)


登場人物が素敵で個性的な人が沢山の一冊だった。
これは第一次世界大戦10年後から始まるイギリスのお話で、
勤勉努力家で誠実素直な少女メイジ―の
人生を切り拓く先に
探偵と言うお仕事に就くと言う、


イギリスは当時、階級ごとに大きな境界があったので
呼び売り商人の娘であったメイジ―が
いかに努力と好機と理解ある上流階級の人々との出会いや
能力を生かす機会と特異な才能に恵まれたのか
ドキドキワクワクしながら読んだ。

中でもメイジ―を教えたモーリス・ブランシュの言葉を、
メイジ―がしばしば思い起こして心に刻み直すのだが、
とても参考になり、私も心したいと思うような事が多く
ノートにメモしたり考え込んだりした。

例えばP78
"話を聞いた直後に、質問してはいけない。
少し待ちなさい。
そして話してくれた人に感謝の意を表明するのを忘れてはいけない。
物語の語り部自身が自分のした話で心を乱されるものだから”

これは目から鱗で、
私は特に伝える事ばかりに必死になってしまうため
人と話をしていると全く余裕が無くなるのである。
もうね、人の話を聞いて
その人の心が回復に向かうように先導するなんて
全く出来ないんである。
自分の混乱で自分をもっと混乱に落とし入れてしまうのである。
ゆえにモーリスの「待つ」意味と必要性に心を打たれて
これを身に付けたいと思ったんである。

また、メイジ―は依頼人や対象者の心理を知るために、
その人と同じ姿勢を取る。
そして同じように動いて対象者の気持ちを知るのだ。

P98には
過去を語る相手にはらうべき敬意について、
メイジ―はモーリスから学んでいた。
泣き始めた人には触れず、
悲しみが外に出られるようにそっと見守ることを。
とあり、アメリカのドラマを見ていると
泣き始めた人に「シッシッシッ泣かないで」と言うシーンがよくあり
せっかく感情を出し始めたのに押し留めるなんて
逆の事をしている!!!といっつも思っていたので、
この触れる事さえせずに、
その人が自分の悲しみ嘆き苦しさと向き合うのを
静かに見守る・・・と言うのがどれほど大事なことで、
でも自精神を働かさないとつい触れて慰めたくなるので
難しい事なのかをつくづくと考えさせられた。

このように一行一ページ毎に色々と考えるもんだから、
読むのに時間が掛かり、
図書館に返しに行っては借り直し、延長を繰り返した。
そのようにしても読み終えたい本だった。
普通のミステリとは違う、解析度の高い豊かな一冊だった。
沢山のメモを残したので、まとめる事が出来ないくらいだった。
ミステリ的にも、貴婦人のお墓参りから意外な発展を見せ
身近で大きな問題に繋がっていくのが見事だった。
心に触れる一冊で、続編が沢山あるのに
日本ではこの一冊しか出版されておらず、誠に残念だ。



―――――ここからネタバレ注意――――――

●2026年3月23日のメモ
調査対象のシ―リア・ダウンハムと近付きになり、
次に会う約束を取り付けてお茶を飲み、
公園を散歩して辛い事を吐き出させ、
最後に、新しく入荷したインドサテンを見に
百貨店に連れて行き、
シーリアが布選びに夢中になるとそっと引き上げたメイジ―。
それまでシーリアはずっと哀しみと自己否定に暮れていたのに、
メイジ―に話をする事で自分を解放し、
泣きつくして最後に色とりどりの布選びに夢中になった事で
シーリアはようやく闇からはい出して
日向に出て来れたのだ。

シーリアの素行調査の仕事だったのに、
シーリアの問題まで解決してしまったのだ、メイジ―は。
全編にひたひたと染み渡る穏やかな深い知性と
素直で誠実であたたかい人柄がとても心地良い。

母亡き後、懸命に働いてメイジ―を育ててくれた父への愛と、
師モーリス・ブランシュの教えがちょくちょく織り込まれて、
単純愚直な私にとっては学びの多い本だった。


――――――訳者あとがきより――――――
物語は第一次世界大戦が終わって10年あまりの月日が経過した
1928年の春から始まる。
32才のメイジ―・ダブズはロンドンのウォレン・ストリートに
タイン亭事務所を開いた。
彼女は呼び売り商人の娘に生まれ、
13才のときにコンプトン家にメイドとして雇われます。
女主人のレディ・ローワン・コンプトンは貴族でありながら
婦人参政権運動に熱心で、メイジ―の賢さに目を留め、
友人のモーリス・ブランシュに彼女の教育を任せる。
メイジ―はメイドの傍ら勉強に励み、
ついにケンブリッジ大学の女子部ガートンカレッジに
入れるほどになる。
ところが戦争の拡大により彼女は休学して

(本をどこに置いたか探せず、続きは動けるようになってから)

―――2026年4月初旬に読了―――
余りにも色々と感じて、感想がまとまらず
未だにまとまっていないので
とりあえず書いてみた途中の感想である。





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Last updated  July 20, 2026 01:10:47 PM
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