「知的障害のある息子のために成年後見制度を利用したら、
選挙の投票ができなくなった。とても残念だ・・・・」
ところで、成年被後見人には選挙権・被選挙権があるのでしょうか
後見開始の審判を受けたことは、判断能力を欠く常況にあるため、自分で財産を管理することができないことになります。
したがって、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、成年被後見人が単独で有効な法律行為ができないことになります(その分、成年後見人が財産管理、身上監護の事務を行う)。
その精神上の判断能力を欠く状況を保護・支援するについては、
その判断能力の程度に応じて、後見・保佐・補助の3種類があると共に、
被後見人、被保佐人には、以下のような様々な資格制限があります。
1)取締役等の責任資格への制限
成年被後見人、被保佐人になると、株式会社の取締役・監査役への就任が制限されています(会社法331条第1項第2号、335条第1項)。医療法人の理事・監事(医療法46条の2第2項1号)、社会福祉法人の理事・監事(社会福祉法36条第4項1号)への就任が制限されています。
2)専門資格の喪失
成年被後見人、被保佐人になると、医師(医師法第3条)、歯科医師(歯科医師法第3条)になることはできません。弁護士(弁護士法第7条4号)、弁理士(弁理士法第8条9号)行政書士法(行政書士法2条の2第2号)、司法書士法(司法書士法5条第2号)税理士(税理士法4条第2号)公認会計士(公認会計士法4条第1号)、社会福祉士・介護福祉士(社会福祉士法及び介護福祉士法3条第1号)、宅地建物取引主任者(宅地建物取引業法18条第2号)、学校における校長・教員(学校教育法9条第1項)により、成年被後見人、被保佐人になると、これらの専門資格が喪失されます。
3)公務員等の就業資格の喪失
成年被後見人、被保佐人になると、国家公務員(国家公務員法38条第1項、76条)、地方公務員(地方公務員法16条第1号、第28条4項)、教職員(教育職員免許法5条第1項3号)、自衛隊員(自衛隊法38条第1項第1号)など、それぞれ就業資格を喪失または失職することになっています。
4)選挙権・被選挙権の喪失
5)印鑑登録の抹消
印影が届け出てある印鑑と同一であることを証明する官庁・公署の書面である、ところの印鑑証明書について、成年被後見人は登録ができず、抹消されます。
今更ながらですが、市町村の個人の印鑑証明について統一的法令はなく、条例などで規定されています。
ちなみに、札幌市では、「札幌市印鑑条例」の第2条第2項第2号において、成年被後見人は印鑑登録を受けることができないと規定されています。このような制限がありますが、
例えば、 4)選挙権・被選挙権の喪失について、財産法上の法律行為に関する判断能力の有無の基準を、憲法で保障されている基本的人権の一つである選挙権・被選挙権の制約の判断基準にまで広げて良いのか、地方公務員の業種によっては、被保佐人を制限する必要があるかなどの疑問が呈されています 。
現行成年後見制度は、旧来からの禁治産の概念から異なり、自己決定の尊重、ノーマライゼーションの基本理念の推進を図っていることに留意したいところです。以上
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