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2022年10月刊ルネッタブックス著者:華藤りえさん「もう一度君と結婚できるなら、他のすべては捨てていい」シングルマザーの真帆は、息子の急病で駆け込んだ先で、医師である元夫の孝生と再会してしまう。蕩けるほど幸せな結婚生活を送っていた二人だったが、孝生が実家の後継者争いに巻き込まれたことが原因で引き裂かれたのだ。そんな過去にも関わらず、孝生は昔と同じ甘く情熱的な態度で真帆と息子を溺愛する。辛い過去と孝生への思いに揺れる真帆は!? ↑amazonより、あらすじ引用登場人物 琴野真帆=管理栄養士として働きながら息子を育てるシングルマザー。 坊城孝生=真帆の元夫の消化器外科医。 琴野希生=孝生と離婚した後に生まれた二人の息子。 坊城綾子=坊城家の当主。大学病院で管理栄養士として働く真帆は、事情あって離婚した後に生まれた息子と二人で暮らしている。シングルマザーということで苦労も多いが、親代わりの叔母夫婦が積極的に協力してくれているのもあって何とかやっていけている。それでもふと思い出すのは幸せだった結婚生活のこと。僅か数か月のことではあったが、医師になりたての彼は多忙ながら優しく気遣いの人だった。未練がましく思ってしまうのは望んで別れたわけではないからだ。それに、彼はもう新しい奥さんを迎えて大病院の経営に携わっている事だろう。離婚後に妊娠に気付き、早産で産まれた息子・希生ももう1歳半。保育園に寄って息子を引き取り、自宅に戻ると様子がおかしい。脱水症状に似ているのもあって熱中症かと慌てて近所の総合病院の緊急外来へ。呼ばれて診察室に入るとそこにいたのは別れた元夫・坊城孝生ではないか。彼も当然気付いたようだったが飽くまで冷静に処置に当たり、原因は熱中症ではなく保冷剤の中身を誤飲したことだと判明。普段からちゃんと見ているのかと叱られ思わずムッとして言い返したが、さすがにこんなもの部屋にも置いていないし、保育園も万全を期しているだろう。まさか、と思い当たるのは自分達を離婚に追い込んだある人物なのだが、これは考えすぎか。どちらにせよ、有り得ないときっぱり否定すると、言い過ぎたと自覚したのか彼もバツの悪い顔をしている。養育費の請求はしていないけれど、年齢的に自分の息子だと判って孝生も気が気でなかったのだろう。症状緩和のための点滴をするため一晩入院となってしまったが、彼から話があると言われ、気不味いながらも頷いた。が、翌日退院の時間になっても会いに来ない。看護師に聞けば傷害事件があって緊急で駆り出されていると聞いて、仕方なく帰ることに。一方、慌てて病室にやって来た孝生は既に彼女達が退院した後と聞いてガックリ。色々不運が重なったのとある人物の策略によって離婚となったが、1日たりとも真帆のことを忘れたことはない。あの後子供が生まれたとは知らなかった。母子手帳を見て判ったのは早産の上、かなりの難産だったこと。彼女はその後2ヶ月以上入院していたらしい。叔母夫婦がいたとはいえ、自分が傍に居れればと後悔しきり。だが、こうして偶然ではあるものの再会できた。今なら邪魔も入らないはずなので、一度真帆と話す機会を作りたい。そうは思えど、遭遇するのは中々困難だった。漸く彼女の勤める大学病院で開催される検食懇親会に消火器科医としての出席が許可され、会の後に真帆を捕まえ、何とか話し合いの約束を取り付けた。指定のホテルにやって来た彼女と向き合い、孝生は当時の状況と離婚に至った経緯のすり合わせを始めると、彼女が突然姿を消したのはやはりある人物による強引な介入のせいだと判明。孝生は所謂私生児だった。父は地方の大病院・坊城総合病院の婿養子で母は夫人の妹。実質の権利は坊城家の長女・綾子が握っており、元々婚約者同士だった二人の間に横入りして母から父を奪って家から追い出していた。その後、一人で母は孝生を出産。父に見つけ出されて3人で暮らしていたが、認知はされなかったというか綾子が許さなかった。籍は入れられないまま母は病死して、父も綾子の元に連れ戻され数年経った頃、孝生は真帆と交際の末に入籍。この辺は真帆も共通の認識であるが問題は入籍から数か月後のこと。孝生の父と彼の異母弟・一星ががけ崩れに巻き込まれ、弟は死亡。父は意識不明で運び込まれた。綾子は跡継ぎが孝生しかいない事に絶望。火急の事態に駆け付けた孝生が何の後ろ盾も無い小娘と結婚していたのを知って激怒した末に離婚しろと迫ったと言う。当然突っぱねたが、父の延命処置等諸々の書類にサインしたところ、一つがカムフラージュされた離婚届だったことに気付いたのは、隣に真帆のサインが入った実物を見せられた時だった。明らかに文書偽造なのだが、自分の字な上に彼女も同意したと聞いてショックを受けた彼は暫く自暴自棄に。再婚しろと煩い綾子を無視して仕事に打ち込んで今に至る。孝生の話を聞いて真帆は茫然。だって綾子から聞いた話と全然違う。彼は坊城医院を継ぐからと自分を切り捨てたはず。サイン入りの離婚届を見せられた挙句、それでも何かの間違いだと頷かない彼女に焦れて叔母たちの産院で嫌がらせを繰り返したことで、ついに真帆は折れ離婚に応じたと聞き、孝生はそんなことだろうと思ったと綾子に対して怒りを露わにした。それでも困らないだけの金は払うと綾子は言ったらしいが、真帆は一切受け取らなかった。これも意地だと彼女は言うが自分がふがいないばかりに彼女に要らぬ苦労をさせていたと孝生は謝罪。もしまだ同じ気持ちなら再婚に応じて欲しいと彼から告げられ・・・。この綾子さん、とんでもない性悪やんけ、と思ったらこの離婚劇の後、相応の報いを受けていました。名家の跡取りとして女だてらに帝王学を厳しく仕込まれていた彼女とは反対に、妹はお嬢様扱いで、素敵な婚約者(孝生の父)と幸せになろうとしている。綾子はそんな妹から婚約者を奪い家から追い出して留飲を下げていたら密かに息子を産んでいた。おまけに夫は妹の元に行ったきり帰ってこない。彼女は妹家族に嫌がらせし続け、ついにはその妹も病死。夫も帰って来たし、息子の一星と病院を盛り立てて行く。なのに息子は事故死し、夫は意識不明のまま。ここまで行くと因果応報な気もしますけど、綾子さんも気の毒な人なんですよね。しでかしたことは許せない、妹の遺産迄使い込んでたりとにかく徹底的に妹関連に容赦が無かった。甥夫婦を破局させいい気味、と思ってたら結局彼女は末期がんで余命いくばくもない状態。復縁を決意し、一度綾子に会いたいと面会を望んだ真帆でしたが痩せ細り、無菌室で寝たきりの彼女の姿を見て戦意も喪失。色々法にも触れていた綾子は在宅起訴状態で八方塞がり。どちらにしても歩くことも困難では逃げようもなく判決が下るまで生きていないだろうと孝生は真帆に教えます。当の綾子は二人に詫びの一つも言いませんでしたが、自らこれも因果だと言っていた分、罪の意識はあるんでしょう。よくあるザマァ展開とは違いこの結末はかなり重い。読んでてちょっとブルーな気分に。綾子がこんな状況じゃ確かにもう横槍は入りませんよね。孝生が動いた理由も納得。でも病気にならなかったら復縁はもっと先になってたのかもと思うと、何とも。あ、あの誤飲事件はやはり第三者による悪意あるものでした。当然綾子の指示ではないですが、昨今のああいう事件は本当に腹が立つ。それから暫く経って二人は再婚。希生も少し大きくなって家族三人仲良く暮らしている様子が描かれて物語は幕。シークレットベビーものですが、綾子さんが強烈過ぎて中々ハードなお話でした。真帆と孝生が交際に至るまでの馴れ初めとかも彼女目線で語られているんですが、長くなるので現在進行形の展開だけ記載してます。評価:★★★★☆
2024.07.17
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2022年11月刊ルネッタブックス著者:西篠六花さん男爵家令嬢・清乃は結婚を目前に亡くなった姉の代わりとして、侯爵家嫡男・有季の元へと嫁ぐ。身分と資産を交換するような政略結婚で、婚家の誰もが冷たい中、地味で大人しい清乃は健気にふるまう。実は可憐な容貌と聡明さを持つ彼女に、次第に惹かれていく有季。迎えた初めての夜、清乃は彼の甘く蕩けるような激情に包まれ、熱い手に翻弄されながら快感に震えー。 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 一堂清乃=周防男爵の次女。亡くなった異母姉の代わりに有季の元に嫁いだ。 一堂有季=侯爵家の嫡男。婚約者の死により周防家に不信感を持つ。 石野多恵=有季とは乳姉弟の間柄の使用人。 御厨圭吾=有季の友人。 周防燁子=故人。清乃の異母姉で才色兼備と評判の令嬢だった。商いの成功によって羽振りの良い新華族・周防男爵家の長女・燁子はその美しさと優秀さから、一堂侯爵家の嫡子・有季の婚約者に選ばれた。実はこの縁談、燁子に甘い父が資金援助を盾に侯爵家にゴリ押したからなのだが、姉は有頂天だった。清乃は自らも有季に憧れていたことをひた隠し、燁子を祝福。趣味の刺繍や琴の演奏に打ち込み寂しさを紛らわせていた。姉の結婚式がひと月後に迫ったある日のこと、屋敷ではとある知らせを受けて大騒ぎになっていた。なんと、燁子が人気のない路地裏でこと切れていたというのだ。手には小瓶が握られており、状況的に事件ではなく自死だと判断された。父は嘆き悲しみ燁子の実母である本妻の喜久子はショックでふさぎ込んでいるらしい。しかし、あんなに毎日が楽しそうで式を楽しみにしていた姉が自ら死を選ぶだろうか?清乃は燁子が自殺したという事実がどうにも信じられなかった。喪が明け、一堂家との縁談は無かったことになるかと思われていたが、多額の資金援助をしていた父は破談を良しとはせず、代わりに清乃を貰って欲しいと申し入れていた。当然ながら一堂家は突っぱねた。そもそも、自殺の原因は燁子が不貞の末に結婚を嫌ってのものとあらぬ噂が立ち、すぐに疑いが晴れたとはいえ有季は警察に事情聴取までされたのだ。プライドの高い一堂家当主は大激怒。有季も周防家の対応には内心腹を立てていた。だが、成り上がりとバカにされない為にも男爵はどうしても侯爵である一堂家と姻戚関係になりたかった。清乃を娶ってくれないなら援助した資金を耳を揃えて返済しろと脅し、何とか承諾をもぎ取ったのだった。後日、清乃は父からお前が代わりに嫁ぐのだと命じられて唖然。どうしてそんな恥知らずな事ができるのか。有季は面子をつぶされたも同然なのに。だが、妾腹である自分には父に逆らう力は無い。思う所はあったが、唯々諾々と従った。それから一年後、清乃は一堂家に嫁いだのだが、歓迎されていないのは歴然。舅と姑に当たる当主夫妻は清乃を下賤な者と蔑んで徹底的に無視を決め込み、有季には仕事で多忙だとして披露宴の後から放ったらかしにされていた。そんな彼女を気の毒に思ったのか、有季の乳姉弟だという女中の多恵はなにかと清乃に良くしてくれていた。それから一ヶ月ほど経ち、漸く仕事も落ち着いた有季は自分が不在にしていた間、清乃が屋敷で孤立していたことを知り猛省していた。男爵の対応に腹を立て、清乃には何の落ち度が無いのに、思い返せば婚約中にも燁子相手にはしていたデートも贈り物の類も全くしていなかった。ご機嫌窺いにも来ない婚約者にどれほど彼女は寂しく思ったであろう。しかし、久しぶりに会った清乃はお仕事が忙しかったのでしょう?と一切責めず、それどころか有季の身体を心配していた。その言葉を聞いて思い直した彼は妻として清乃を大事にしようと決心したのだった。翌日から有季は彼女を溺愛、婚約時代の穴埋めをするかのように贈り物をし、デートを重ねた。清乃は内気過ぎて学校も中退していたが博識で字も美しい。ふとしたことで燁子からの手紙も彼女が代筆していたことを知り、彼は異母姉に搾取され続けていた清乃の過去に愕然とした。夫婦仲も深まり、仲睦まじいことを聞きつけたのか姑の和子からは、認められたいなら早く跡継ぎをとせっつかれた。でも無視されていた頃に比べれば話しかけられるだけで進歩だと思う。だが、この頃から清乃の私物が無くなるという出来事が。一番最初に消えたのは有季から贈られた帯どめ。高価な品な上にきっと君に似合うと彼が自ら吟味して買ってくれた大切な物。この時はショックで大騒ぎしてしまったが、騒ぎを聞きつけた彼は失くしたというより盗難であろうと判断。執事に使用人の事情聴取と念のため屋敷内の調度品が全部揃っているか調べるよう命じた。一方、清乃はあのあと、日記帳と有季との写真まで破られているのを見つけて意気消沈。嫁入り道具の簪まで折られており、これはどう見ても金銭目的というより恨みによる犯行に思えた。帯どめ以外は大ごとにしたくなくて黙っていたが、流石に怖くなり多恵に相談すると、数日後新入りの女中の部屋から帯どめが見つかったとして盗難事件は一応の幕を閉じたのだった。何とも釈然としない幕引きではあったが、その日、有季が友人だという御厨圭吾を連れて帰宅。どうしても清乃の顔を見たいと圭吾から頼まれたそうだが、顔立ちは整っているのにどうも苦手な人種だった。しかも商談の電話で有季が席を外すと、自分と火遊びしようと不貞行為に誘って来たので思わず怖気が。手を振り払うと圭吾から有季が吉原に足繁く通っている事、馴染みの娼妓がいることを告げられ・・・。夫に花魁の愛人がいると仄めかされ動揺する清乃。つい嫉妬心もあって有季を拒絶してしまうも、後に誤解だと判明します。娼妓は彼の親友の妹で、不幸にも妓楼に売られてしまったが身請けできるほどの金額は用意できず、せめて少しでも早く年季が明けるよう、客として一緒に酒を飲み金を落としていただけでした。でも、その頃清乃は圭吾の策略によって貞操の危機に。抵抗する中、実はこの圭吾が燁子の不貞の相手だったことを打ち明けられます。有季を妬んでいた圭吾は彼が結婚すると知り、その婚約者を横取りしてやろうと画策。まんまと引っ掛かった燁子は圭吾に骨抜きにされ結婚を迫っていました。でも、これが明るみになれば一堂家から多額の慰謝料を請求される。燁子のことも煩わしくなり彼女に毒を盛って殺害したというのが事件のあらまし。真相を知り愕然とする清乃は駆け付けた有季が間に合い事なきを得ます。さらに圭吾は遊びに来ては一堂の屋敷から調度品を盗み出して換金した上に、その他、勝手に有季を騙って借金までしていたことが明るみとなって逮捕されるのでした。そして、清乃の私物を盗んだり壊していたのは多恵だったと判明。有季に片思いしていた彼女は燁子も清乃も目障りだった。燁子の事件も直接関与はしていないが逢引の手引きをしたりと圭吾に協力していたことが供述から判り、多恵も罪に問われます。まぁこれは読んでても絶対にお前だろうと思ってたので特に驚きはなかったです。お姉さんも何だか浅はかな人でしたねぇ。亡くなってからあれこれ露見してしまってかなり株を落とした模様。周防男爵は狡猾ながら清乃のことも可愛いのか、一堂家で蔑ろにされていないか気にしていたので少し印象は変わりました。一堂家の当主夫妻は多恵からあることないこと清乃の悪口を吹き込まれていたのが判り、こちらも誤解が解けて歩み寄りを始めていました。有季との仲もさらに深まって清乃が待望の第一子を授かったと報告したところで本編は幕。最終的には結構な子沢山家族になるみたいなことが示唆されてて、ふふってなりました。ドアマット系ではありませんが今回のヒロインもなかなかの冷遇っぷり。性悪な姉にいいように扱われていたものの、結婚によって本来の自分を取り戻します。夫となったのは初恋の人で、愛し愛されつつも困難を乗り越えていく、そんなお話でした。あと、今作の悪役ポジの多恵さんのその後があとがきで書かれてましたが、やはり強かですねぇ。転んでもただでは起きないタイプだったか。評価:★★★★★
2024.05.06
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2021年8月刊ルネッタブックス著者:にしのムラサキさん巨乳がコンプレックスの彩実は、イケメン上司の御崎が大の甘党と知ってしまい、秘密を共有することに。距離が縮まるたびに胸ではなく彩実自身を見てくれる御崎への想いは募り、ある日、彼と一夜を共にしてしまう。甘く淫らな愛撫に翻弄され、初めてなのに何度も絶頂に導かれる彩実。想いが通じたと思いきや、御崎に「責任は取る」と告げられて…!? ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 上沢彩美=ごく普通の会社員。 とある偶然から敦史のスイーツ店巡りに付き合うことに。 御崎敦史=彩美の上司。大のスイーツ好き。 長田=敦史の元同僚。巨乳がコンプレックスの彩美は、付き合いで参加した合コンでも胸ばかり凝視され嫌な思いをして気分転換に大人気のコンビニスイーツで憂さ晴らしをすることに。運良くラスト1個を見つけたものの、同じく狙っていたらしい男性と手が重なってビックリ。見ると上司の御崎ではないか。親会社から出向して来ているらしい彼は社内ではニコリともせず、近寄り難い雰囲気なのだが、スイーツ好きだったんだな。が、普段なら上司に譲る所だが今日は自分の機嫌を取りたい。御崎もどうぞと言ってくれたことだし遠慮なく購入したはいいものの、何か随分と課長沈んでない?売り切れ店続出とも聞いてるしよっぽど食べたかったんだろう。申し訳なくなって思わず半分ずつにしませんか、と提案していた。イートインコーナーでせめてものお礼にと御崎に奢ってもらったコーヒー片手に例のスイーツを食べると評判通り美味しい。合コンで酒を飲んでたおかげで普段はそうそう会話できない彼とも楽しく話せた。よくよく話を聞くと御崎は大のスイーツ好きらしい。いい歳した男が恥ずかしいとは言うが、好きなものを好きでいて何が悪い、と彩美は力説。饒舌になった彼女は大きすぎるバストのせいで恋も上手くいかず今日も合コンで嫌な思いをしたと愚痴ってしまった。翌日、目を覚ますとベッドに御崎がいて仰天。お互い昨晩の服のままだったので何もなかったようで安心したが、上司になんて迷惑を。平伏する彩美に今後楽しみにしてるからと許してくれた御崎。確かに昨晩の会話は覚えている。彼が男一人でスイーツ店に行けず、毎度宅配を頼んでいると聞き、なら自分が付き合うと請け負ったのだ。迷惑もかけたことだし、全力で応援すると約束通りあちこち評判の店へ出かけては目当てのスイーツを堪能する二人。実は彼がSNSで有名なスイーツ専門のインフルエンサーと知った時は驚いたが、御崎は案外気さくで胸でなく彼女自身を見てくれる。それに意外と話も合うし何だか楽しい。そんな付き合いが続いて1ヶ月ほど経った頃、旬のブルーベリーとタルトを食べに行こうと誘われ那須まで出かけた二人は不運にもトラブルに見舞われ、挙句ラブホテルに泊まる羽目に。その頃には御崎に想いを寄せていた彩美が誘う形で一線を越えてしまったのだが、責任を取ると言われて彼女は大ショック。その後、何となくギクシャクしかけるも、御崎は彩美に惚れたから結婚を前提に付き合いたいと言う意味合いで責任という言葉を出したと判り、晴れて仲直りの末交際することになった。仕事にも身が入り、今度のコンペも頑張るぞと意気込んでいた彩美だったが、ライバル社の担当・長田が御崎の元同僚で明らかに彼狙いな態度を隠そうともしないのが気にかかった。しかも、彩美のことを胸が大きいだけのバカ女と嘲って来て・・・。主役CPが割と早くくっついたので、これは後に何か起こるなと思ったら案の定出てきましたよ、昔の女気取りの奴が。とはいえ、御崎は長田に対して全く興味もなく、当然元カノでもありません。ただ、彼は出来る女のフリをしててもいつも色仕掛けで仕事を取る彼女のことを軽蔑していました。実のところ彩美の方がよっぽど仕事ができると言う。なのに彩美に対してあの大口か。ある意味凄いな長田さん。コンペの結果なんてうちの勝ちに決まってるわーと勝ち誇っていたものの、彩美を馬鹿にしたことで御崎の怒りを買い、いつものやり口を暴露されて自爆。この辺りの展開は読んでてスカッとしました。その際、周囲には秘密にしてた御崎と彩美の交際はバレることになったものの、彼の存在が相変わらず胸の件で厭らしい目に晒されていた彼女にとって良い抑止力になったというオチ。恐ろしいほど料理音痴らしい御崎が好きが高じてパティシエを目指していたという話が微笑ましかったです。あと、Fカップらしいヒロインですが、カバー絵だとそこまで巨乳に見えないかも。評価:★★★★☆
2023.11.23
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2022年5月刊ルネッタブックス著者:天ヶ森雀さんエリート上司の久我が仕事で荒れている場面を見てしまい、彼の自宅に呼ばれた茉優。なぜか一緒にホラーゲームをしてストレス解消に付き合うはめに。口は悪いが気がよく、本当は優しい久我に惹かれていくけれど、ある理由から恋愛するのは怖い。「これは恋愛じゃないから最後までしていい?」茉優の怯えを包み込むように、久我は甘く迫ってきて…。 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 長澤茉優=文具メーカーに勤める会社員。自他共に認める地味女子。 久我陸翔=茉優の勤務先の御曹司。 槇村麻妃=茉優の親友。とある出来事により疎遠となった。文具メーカーの総務部に勤める茉優は、倉庫で鬱憤晴らしをしている久我陸翔の姿を見てしまいピンチに。社長の息子である彼は営業部の課長を務めているのだが、何かとストレスの日々らしい。尋ねてもいないのに勝手に事情を話した久我は何を思ったのか、茉優を自宅に呼び出した。でも、この住所って。それはともかく、単にカッコつかない場面を見られて、冗談のつもりで呼びはしたものの、本当に来たのかよと呆れられるかもしれない。が、反対に本気で呼んだとしたら行かないとどんな目に合うやら。どちらにせよ、行ってみるかと指定されたマンションの部屋へ赴くと、彼は心底驚いていた。やっぱり冗談の方だったか、と帰ろうとした茉優をなぜか彼は引き止め部屋に通すと、ストレス解消に付き合ってくれと言う。まさかのホラーゲームに長時間付き合った所、結果茉優の勝利で終わったが、彼は満足したようだった。お礼にと夕飯まで奢ってもらえて却って恐縮していると、また時間があったら付き合って欲しいと頼まれた。実は彼と同じマンションの下層階に住んでいる茉優はすぐに行き来できる距離だから自分で良ければ、と承諾。以降、茉優は互いに都合が合えば彼の部屋でのストレス解消に付き合うことに。一方、久我はあっさり独身男の呼び出しに応じてのこのこやって来た彼女に驚愕していた。地味な装いに黒ぶち眼鏡の茉優はよく見ればとても可愛い。ちょっと脅すつもりだったのにホラーゲームも怖がらずやけに上手くて負けたのに楽しかった。思わず今後もゲームに付き合ってくれと頼んでしまったものの、彼女には危機感と言うものが無いのか。全く好みではないタイプなのに、久我は茉優が気になって仕方なく、思わず社内でも目で追ってしまう自分に驚いていた。そんな日々が続いて、自分を男として見ていないような彼女に思わず、お前としたいと告げた久我はあっさりOKされて茫然。自分は恋愛に興味ないしこれからも出来ないと思う。そんなことを言う彼女には何やら過去にあったのは伺い知れた。だが、この頃には興味と言うより完全に茉優に惚れていた久我はこの状況を利用し関係を持ってしまう。交際してるわけではないのに複雑な関係になってしまった二人。その間、茉優の案が採用され新商品のコンペに参加したりと忙しい日々を送っていた。久我との仲も内心では思い悩んでいた茉優だったが、ある時、久我が出版会社の社長令嬢とお見合いをするという噂を耳にし・・・。どうして茉優がここまで恋をしようとしないのか、後に自身から語られることになるんですけど、彼女の身の上に関わることでした。そのせいで親友とも疎遠になってしまって、自分の生まれを疎み、恋に臆病になってしまったって感じなんですけど、段々とその考えも揺らいでいきます。当然それは久我のおかげで、その祭、疎遠になっていた親友とも再会して和解。お見合いの件も久我はその場で断っていたので、この辺りの誤解は割と早めに解けたのは良かった。久我のことが好きと自覚したきっかけにもなったから、荒療治になったのかも。あ、二人が一線を越えたのはこの出来事からです。(久我は何だかんだと最後までしてなかった)あと、ストレス発散で倉庫で憂さを晴らしていた久我さんですが、恵まれた環境に産まれたことでやっかみや妬みに晒され、遜りながらも面と向かって嫌味を言われ、と、そりゃストレスも貯まるわと。そんな時出会った面白ぇ女・茉優。段々彼女に惹かれ、周囲の男どもに嫉妬したり牽制してたりする様が微笑ましい。懸念していた茉優の問題も片付き、出会ってから1年経ち二人の結婚が決まって〆評価:★★★★☆
2023.10.24
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2022年3月刊ルネッタブックス著者:ととりとわさんデザイン事務所に勤める愛莉は、最近できた取引先の社長の顔を見て驚いた。それは家同士の取り決めで結婚し、すぐに破局した自分の夫、詠一郎だった。「俺のわがままだ。もう一度だけチャンスをくれないか?」淡い憧れを抱いていた相手に熱く迫られて動揺する愛莉。お試しの同居の提案を受けると詠一郎はたがが外れたように彼女を溺愛してきてー!? ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 北園愛莉=本名・東條愛莉。姑との確執で夫の実家から家出して上京。伝手を頼 りデザイン事務所で働いている。東條詠一郎=老舗百貨店の御曹司で愛莉の戸籍上の夫。 各務享子=愛莉の大学時代の先輩。東條真紀子=詠一郎の母。愛莉を虐めて夫婦別居の原因を作った。祖父同士の取り決めにより結婚した詠一郎と愛莉。だが、室町時代からの名家だと言う東條家と違い、愛莉の実家はサラリーマンの一般家庭。姑の真紀子は嫁いで来た娘が気に入らず、音を上げて出て行ってくれれば幸いと、花嫁修業と言う名の虐めは日に日に酷くなるばかり。間の悪いことに、詠一郎は出張続きでほとんど家におらず、妻が受けている仕打ちを全く知らなかった。まだ彼が傍にいてくれたなら姑からの扱いも多少は違ったであろう。だが、とうとう愛莉は耐えきれなくなって、義実家を飛び出した。その際、素直に実家に帰れば良かったのだけれど、両親に心配を掛けたくなくて、結局頼ったのは大学時代に良くしてくれた先輩の享子だった。彼女の口利きによって、都内のデザイン事務所に勤め始めた愛莉は、心機一転、気の良い先輩たちに囲まれて仕事に打ち込んでいた。そんなある日、事務所に新しい取引先の社長が挨拶にやって来た。なんだか聞き覚えのあるその声に、まじまじとその社長を見ると、何と別居中の夫・詠一郎ではないか。まさかの再会に内心パニくっていると、彼がこっそりと話があるからと声を掛けて来て、仕方なしに就業後に会うことに。そりゃ、出張中に妻が離婚届を置いて出て行ったら、理由くらいは知りたいはず。彼は母親の苛烈な性格を知っているだけに、愛莉の出奔理由についてもある程度は予測は付いているようで、改めて彼女が姑から受けていた仕打ちを聞くと真摯に謝ってくれた。そして、出来ればやり直したいと言う。一ヶ月間彼の暮らすマンションで同居して結婚の継続を考えてくれないかと。義実家に戻るとかでない分マシだし、彼のことも正直嫌いではない、そもそも夫婦らしい生活もしていなかったこともあり、事務所にいるときは他人を装うことを条件に、愛莉はその申し出を受け入れたのだった。二人の同居生活は思いの外順調で、彼の人となりも漸く判って来た。頼れる面もあってドギマギしたり、そういえば出会いの頃から優しくてカッコイイお兄さんだと思ってたんだっけ。始めから彼との二人暮らしだったならきっと出て行こうとは思わなかったろう。それに、詠一郎の昔の写真に写っていた美女との仲を勘ぐるぐらいには詠一郎が好きなのだ。例の美女・榊とはその後思いがけずに会うことはできたが、なるほど顔に性格が出ている強かそうな人だった。詠一郎はきっぱり彼女とは何でもないと言い切っていたので信じることにして、このちょっとした嫉妬によって、二人の関係は進展。元々お互い両想いだったことが判り漸く新婚夫婦としての蜜月期に入った。しかし、彼らに新たなる試練が。真紀子が二人が離婚するものと思い込み、詠一郎に新たな縁談を推し進めていて・・・。この姑が本当に嫌な女で、私だったらいくら大好きな夫の母親でも仲良く出来ないわ、としみじみ。しかも、舅も妻の仕打ちを咎めもせずに嫁いびりを黙認してたってんだから呆れちゃう。よくこんな親からあんなに出来た息子が出来たもので。反面教師って奴?勿論、詠一郎は両親による妻への仕打ちに激怒しており、縁談なんか受け入れる気なんてありません。それ以前に、愛莉と復縁して上手く言ってるのに新たな嫁とかふざけてんのかと火に油を注ぐ始末。なのに、彼の留守中に姑が愛莉の元に押しかけて離婚を迫り、タイミング悪く、榊がオタクの旦那さんと火遊びしてみたいのよねぇ(意訳)的なこと言ってきたものだから、追い詰められた愛莉は一杯一杯になって実家に逃げ帰ってしまいます。当然、すぐに詠一郎が追いかけて来て、愛莉の家族も交えて東條家側と対峙した二人。静かにキレていた詠一郎の脅しによって離婚は回避された上に姑から謝罪も貰って一件落着となるのでした。職場にも結婚を公表して、大団円で終わっています。鬼ババァな姑が息子の反撃に合い、打ちひしがれている様は読んでてスッキリ。案外孫が産まれれば態度変わるかもしれませんが、今更あの性格は変わら無さそう。結婚の経緯はどうあれ思い合ってる二人を引き裂こうとか。結婚するのはあなたじゃなくて息子でしょ、と。とはいえ、現実にも自分勝手で信じられない言動の人がいるもんなぁ。詠一郎さんは、個人的にモロ好みのスパダリ系。でも親がアレなのが唯一で最大の欠点だったと(^_^;)評価:★★★★★
2023.09.16
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