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8月14日のイダケン事務所ミニ勉強会は定員に達しました。
お盆時期+平日夜と言う中で、参加頂ける方有難うございます!
参加して頂ける方が少しでもプラスになるよう、当日の資料作り頑張ろうと思います。
本題に入ります。
大規模修繕工事費の仕組みをここ何回か記事で書いています。
今回は管理会社が提案する設計・監理方式の工事費について解説します。
以前に比べて、管理会社特命発注による受注が減っている中、管理会社は危機感を感じて、設計・監理方式での提案も行うようになりました。
設計・監理方式では施工業者は競争原理で選ぶと言うことを前提にしていますが、実際に適切な競争を行われているかと言うと、そうではないようです。
多くの施工会社の幹部クラスの方に話を聞く限り、基本的に「仕組み」で施工業者を決めているのが、管理会社が提案する設計・監理方式です。
工事費の仕組みは基本的にバックマージンをもらうコンサルタントと同じです。
施工会社 工事金額
(管理会社は施工会社から5~10%のバックマージン 180~270万円)
↑
見積業者A 3600~3840万円(粗利15%+バックマージン5~10%)
↓
下請け専門業者B 2890万円
業者間で仕込が可能な場合は、上記のようなパターンで工事を進めていきます。
バックマージンをもらうコンサルタントと同じで中堅から大手の改修施工業者を選ぶのが特徴です。
理由は前の日記にも重複する内容を書きましたがこんな感じです。
1)中堅・大手は数が少なく競争入札においても話し合い(談合)で見積金額調整ができやすい
2)業者間の話し合い(談合)が成立すれば、業者は利益を落とさずとも仕事がとれる
3)施工金額が多ければ、施工金額のパーセンテートでマージンをとる管理会社は儲かる
4)業者に貸しをつくる管理会社が設計のミスがあっても、施工会社に押付けた時に嫌と言わない
5)初めからチャンピオン(話し合いで受注ができる施工業者)が決まっていれば、診断や積算(改修設計)まで施工会社に丸投げでき、管理会社は手間を省け、その部分での利益を増やすことができる
6)実績・財務状況の良い大手は管理組合に決めてもらいやすい
この6点です。
例えば公募で小規模の改修業者や管理会社のいいなりにならない業者から参加申込みがあった場合は、書類選考でいろいろな理由を付けて、排除するようにします。
管理組合が、管理会社の導く施工業者を選ばない場合は、設計・監理業務フィーだけで我慢します。(それだけでも250万円前後の十分な報酬を確保)
管理組合としては一見透明性のある業者選定ができるようですが・・
管理会社の思惑通り、施工会社との仕込ができた場合は、なんと管理会社特命発注方式より、総工事費が高くなる可能性があるということです。
バックマージンが施工費10%+設計・監理業務費が250万円の場合は、施工会社の見積3840万円(この中に管理会社へのバックマージンが含まれる)+管理会社から管理組合から直接もらう設計・管理業務費250万円=4090万円です。
過去日記の管理会社特命発注方式では同じ原価で4000万円で発注できます。
結論
管理会社を通して大規模修繕を発注すると、管理会社元請け施工であっても、設計・管理業務を管理会社に委託するにせよ、同じくらいの工事関係費を管理組合は負担することになり、適切な競争を働き発注した場合と比較して、15%以上高い金額を支払うことになります。
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