世界の片隅で小さな声で申し訳なさそうに「スティール!」と叫ぶ!

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Feb 13, 2024
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カテゴリ: 真空管
今回はPHILIPSのAD1という真空管について紹介したいと思います。

上に明るい銀色のゲッター(マグネシウム?)、下側は薄暗い色のゲッター(バリウム?)が飛んでいて、いかにもPHILIPSという印象です。
PHILIPSのF704 も複数のゲッターを使用しているのがわかります。
この理由はわかりませんが、製造時と長期間使用での異なるタイミングでのガス吸着、或いは異なる種類のガス吸着を考慮しての事でしょうか....。PHILIPS独自のノウハウがあるようです。

そして管内面にグラファイト系の塗装がされています。

これが人気の無い理由のひとつですが、とあるショップでは「音質的にはPHILIPSが一番良い」とのこと。見た目で選ぶか音で選ぶか...。


同じAD1でもメーカによって管の形が異なります。
左がVALVO、右がPHILIPSです。

VALVOのAD1 とは随分異なる佇まいですね。




etracerで特性を測定しましょう。
380Vで50mAあたりを見ます。

【1本目】
Ef=4.0V, If=0.87A

Ep=230V
Eg=-37.3V
Ip=50.05mA
rp=820Ω
gm=5243μS
μ=4.3V/V

Ef=3.8V, If=0.83A


Eg=-37.3V
Ip=49.77mA
rp=843Ω
gm=5177μS
μ=4.4V/V


Ef=4.0V, If=0.84A

Ep=230V
Eg=-38.3V
Ip=49.91mA
rp=757Ω
gm=5751μS
μ=4.4V/V

Ef=3.8V, If=0.81A

Ep=230V
Eg=-37.3V
Ip=49.84mA
rp=768Ω
gm=5714μS
μ=4.4V/V

Mintコンディションであるのにフィラメント電流が低目です。
電気特性をみるからに使い込んでフィラメントが痩せたとは思えませんので、製造時から低電力で十分なエミッションを得られる製造となっているのかもしれません。
そしてバイアスも浅めです。
同じAD1でも VALVOのAD1 と結構異なる印象です。


こういう微妙な違いに気付いてしまうと、様々なメーカの球が欲しくなってしまうわけですよ。





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Last updated  Feb 13, 2024 08:50:51 PM
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D404F203@ Re[2]:アナログオーディオフェアに行ってきました(06/01) イィヴィ平野さんへ イタリアで埋もれてい…
イィヴィ平野 @ Re[1]:アナログオーディオフェアに行ってきました(06/01) D404F203さん、こんにちは! 現物を見るこ…
D404F203@ Re:アナログオーディオフェアに行ってきました(06/01) お久しぶりです。 TUBE AUDIO LABOさんは…
イィヴィ平野 @ Re[1]:6CW4という真空管(12/17) プリマさん、こんにちは。   真空管、高…
プリマ@ Re:6CW4という真空管(12/17) >普通に現行の定番真空管で遊んだ方が…
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D404F203@ Re:L491Dという真空管(12/06) その球の元々の出所は私です。 新品元箱入…
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