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今、話題になっている神奈川県立神田高校。平塚市にある。新聞の報道にもあるように、課題校とか、底辺校とか言われている高校である。私は以前、平塚に住んでいたし、今も神田高校からは比較的近くに住んでいるので、しょっちゅう神田高校は見ている。来年度からは湘風高校と名前を変えて新しく生まれ変わる。今、校舎を改築しているところである。校舎を一新して、名前を変えてイメージを良くしようということだと思う。いつもグラウンドの前を通るとまじめそうな生徒たちが部活動を熱心にやっているし、それほど悪いイメージは、私個人としては持っていない。しかし、たしかに評判はよくない。今回の問題は校長先生が事前に知らせていない独自の基準で勝手に受験者の合否を決めた、というところなのだろう。教育委員会に寄せられた1150件の意見のうち9割は校長擁護だったという。まじめな生徒を取りたいという学校側の意向には皆賛成しているようだ。私もその通りだと思う。新聞には教育評論家の意見も出ていたが、村田栄一氏の言う、「これではどこにも入学できない生徒が出てきてしまう」という意見には与しない。やる気のない、不真面目な生徒が行く高校とは一体どんな高校なのだろう。国が定めた義務教育でもない高校になぜ全員が行かなくてはならないのだろう。村田氏の真意を測りかねる。今回の騒動に関して言えば、校長は辞めるべきだろう。ルール違反をしたわけだから。しかし、今後は生徒の態度、素行、服装などもきちんと選考基準に加えたらいいと思う。今、私が危惧しているのは教育委員会の態度だ。9割が校長擁護の意見だからといって、更迭の処分を撤回する、といった朝令暮改はやめてほしい。それこそルール違反になってしまう。校長の処分は処分、受験者の選考基準は選考基準で分けて考えて欲しい。今までの例として、一般の意見に左右されて処分を取り消すということがおうおうにしてみられたので。
2008年11月01日
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昨年はショックな訃報が多かったが、今年も年が明けてまだひと月ちょっとだが、残念な訃報に接した。中山康樹氏。まだ62歳だ。私が彼のことを知ったのは何が最初だったろう。たぶん、ジャズを特集している雑誌か何かだったと思う。10年位前になる。面白い文章を書く人だな、といった印象しかなかった。その後、スウィングジャーナルの編集長だったことを知り、マイルス・デイビスのファン(というより研究家と言ったほうがいいかもしれない)であることを知り、単行本やら新書やらで彼の著書を2、3冊買って読んだ。私は音楽は何でも聞くが、ひそかに自信を持っていることがあって、クラシックファンよりはジャズやロックのことと、ジャズファンよりはクラシックやロックのことを、ロックファンよりはクラシックやジャズのことを知っていると思っている。幼い時にクラシックピアノを習い、中学生になってからはビートルズを知ってロックバンドを組みギターを弾き始め、高校では吹奏楽部に入りユーフォニューム吹き、大学生になってからはFMのエアチェックでカセットテープ約1000本分の音楽を聴きためたという節操のない音楽体験ゆえだが、言い換えればどの分野も中途半端だということでもある。しかし、中山康樹氏の本を読んで驚いた。”俺よりジャズに詳しいのは当然としてもビートルズについても俺より詳しいかも”ジャズとビートルズにこれほど精通しているとは…。世の中にはこんな人もいるんだと思った。彼が書いたビートルズの本も数冊買った。「これがビートルズだ」(講談社現代新書)はビートルズの曲を聴くたびに開いている。もう何回読んだことか。とにかく文章が面白い。一ファンとしての無責任な態度と、評論家としてのプロフェッショナルな視点が微妙に混在していて、読んでいて思わずニヤリとしてしまう。それにしても若い。まだ62歳。悪性リンパ腫と新聞には書いてあった。残念でしかたない。まだまだ彼の書いた音楽評論を読みたかった。書店ではぜひ彼の著作特集をやってほしいものだ。
2015年02月07日
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