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東京工業品取引所が、7月17日から金ミニ取引(『金現金決済先物取引』というのが正式名称です)をスタートさせました。標準取引と呼ばれる既存の金先物取引は、最低取引単位が1枚(1キログラム)ですが、金ミニ取引ではその10分の1、100グラム単位での取引が可能になります。 もちろん、いくら「ミニ」とはいえ、先物取引ですから、取引を始めるに際しては、一定額の証拠金を納めなければなりません。7月12日時点で見ると、標準取引に必要な取引本証拠金の額は9万円。これに対して、金ミニ取引の場合は、1万2,000円で済みます。それだけ少額での投資が可能になるため、将来的に金ミニ取引が拡大していくことを、東京工業品取引所も期待しているのでしょう。 でも、ほぼ同じ時期に、大阪証券取引所が、金ETFの上場を発表しました。ご存知のように、ETFとはインデックス型の上場投資信託のことで、金ETFは、国内金価格に連動して取引価格が形成される投資信託のことです。最低投資口数は10口単位ということですから、約2万6,000円程度で取引できるはずです。 さて、金ミニ取引と金ETF。両者とも金の小口取引をするためのツールですが、どちらが有利なのでしょうか。 それぞれ、機能は異なりますから、一概に比較することは難しいのですが、これから金投資を始めようと考えている人には、迷わず金ETFをお勧めします。 その理由は、金ETFの方が価格変動リスクを小さく抑えられるということです。いくらミニ取引とはいえ、金ミニ取引は立派な先物取引です。レバレッジがかかっています。取引本証拠金が1万2,000円で、100グラムから取引できるということは、1万2,000円の元手で、26万円相当の金を取引していることになります。つまり、レバレッジの倍率は20倍超にも達します。恐らく、先物取引の経験がない方は、イメージがつきにくいかと思いますが、かなりのリスクだと考えて良いと思います。 これに対して金ETFであれば、もちろん株式の信用取引を活用することによって、レバレッジをかけることができますが、現物で取引していれば、レバレッジとは無縁です。あくまでも、国内金価格の値動きに連動する形で、リターンとリスクが規定されます。 両者を取り扱っている窓口についても、金ETFの方が利便性は高いでしょう。何しろ株式と同じ扱いになりますから、金ETFは証券会社であれば、どこでも窓口になります。しかし、金ミニ取引を扱っているのは商品先物会社。やはり、まだまだ商品先物会社は、一般的な個人からすれば、なかなか足を踏み入れにくい世界です。 原油価格が上昇トレンドに乗り、世界的にインフレリスクが強まるなか、金はインフレリスクをヘッジする一手段として、これからも注目される可能性があります。そして、金の投資手段は、先物取引や現物取引のみならず、ここで紹介したような金ETFも登場したことによって、ますます取引手段の多様化が進んでいくでしょう。 大証上場の金ETFは、金現物との交換が認められていませんが、インフレリスクをヘッジすることが最大の目的であれば、現物を引き出せるかどうかは二の次です。現時点で、金投資を利便性の観点から比較すれば、やはり金ETFへと軍配が上がるのではないでしょうか。(金融ジャーナリスト:鈴木雅光)
2007年08月30日
■サブプライム問題は対応可能 サブプライムローン関連を震源とする株価下落は信用収縮を懸念して、想定以上のものとなりました。証券化された商品の内容、所在がよく分からない上に、実体経済への影響も不明であることから、不安が増幅された形になったものと思われます。8月13日現在で高値からの下落率が、震源地の米国株はニューヨークダウが5.5%、SP500が6.4%に対して、ドイツダックス指数7.8%、日経平均株価8.0%と日欧の株価下落の方が大きかったのも不思議な気がします。 バブル崩壊後のわが国の対応のまずさを教訓に、金融問題に関しては世界の中央銀行は早い段階で手を打つのがよいことは十分に認識しています。それが今回の欧米中銀による迅速な流動性の供給につながったものと考えられます。サブプライム問題は、インフレの高進がなければという条件はつきますが、「流動性の供給」と「利下げ」によって政策的に解決可能な問題です。これらの政策で住宅価格の下落や金利上昇に歯止めがかかれば、住宅需要の復調ともあいまって、懸念は消えることになります。先進国の中央銀行が問題を共有し、既に行動を開始した以上、サブプライム問題をきっかけとする市場の混乱は落ち着く方向に向かっていると考えてもよいと思われます。■好調なファンダメンタルズが株価を下支え サブプライム問題に加えて、国内的にも内需、特に個人消費に勢いがないとか、自民党の大敗に伴う政策停滞懸念など、不透明材料がないわけではありませんが、ファンダメンタルズは順調です。設備投資は今年度も堅調に推移しており、設備投資主導型の景気が簡単に腰折れすることはないと思われます。企業収益も第1四半期の決算は予想を大幅に上回り、年度を通しても好調な海外景気を取り込むことによって、7~8%の売上高の伸びが見込まれ、この高い増収率を背景に二桁増益が確実視されます。足元の株価下落で日本株の割安感が強まったと思われます。■株価の展開予想・・・基調は崩れていないが、循環的には年内は保ち合い相場? 日経平均の1年移動平均は17,070円を通過中で、前年同期の株価水準を勘案すれば、上昇継続中です。その意味では上昇基調が崩れたとまで悲観的には考えなくてもよいと思われます。ただ2003年春に株価が反転してからの下落場面では1年移動平均からマイナス3%乖離が許容範囲で、今回に当てはめれば16,500円が下値限界ということになります。 足元中期の移動平均線、例えば13週線、100日線、26週線等はすべて下向きに転じています。この株価の下落の勢いは無視することができません。下降モメンタムが価格を支配する循環に入ってしまった以上、株価の上値は抑えられ、上値を追う力は弱められます。最近では同様の局面が2004年7月から12月、2006年の5月から10月に見られました。この2回の例では100日線が底入れするまでは100日線が株価の頭を抑えました(現在100日線は17,600円台で下降中)。少なくとも年内はボックス相場から抜け出せないと思われます。 年内はボックス相場を想定した上での効率的な運用が望まれます。最も魅力的な投資対象の一つは今回の下落場面でマーケットニュートラル型ファンドの巻き戻しで大きく売られた割安株ということになると思われます。(マーケットアナリスト:貴浩志)
2007年08月23日
130/30ファンドと呼ばれるタイプのファンドが、いま、欧米で最先端を行くファンドとして注目されています。このファンドは「ロング・ショート・ファンド」の一種ですが、これまでのロング・ショート・ファンドとは違ったメカニズムをもっています。 運用資産100億円のファンドがあるとしましょう。130/30ファンドは、まず100億円で値上りが期待できる銘柄を現物で買い付けます。同時に、値下がりが大きそうな銘柄を30億円分空売りします。そして空売りで得た代金30億円でもって、値上りが期待できる銘柄を更に現物で30億円買い付けます。その結果、運用ポートフォリオの構成は、現物買い株式(ロングポジション)130億円、空売り株式(ショートポジション)30億円となります。これが、130/30ファンドといわれる所以です。投資家の立場から見ると、100億円で160億円(130+30)の投資運用を行っているということも出来ます。 なぜ、このような運用手法をとるのでしょうか。今までのロング・ショート・ファンドは空売り代金を再び現物買いに利用するということはしていません。100億円の株式を現物で買い、他方、30億円の空売りをすれば、実質的な株式組入れは70億円相当ということになり、株式組入れ比率は70%と低くなります。このため、従来のロング・ショート・ファンドは相場上昇期に弱いといわれます。一方、130/30ファンドでは株式現物買い130億円、空売り30億円ですから、ネットの株式投資額は100億円相当、株式組入れ比率は100%となり、相場上昇をフルに取り込むことができます。その上に、割安な銘柄を買い割高な銘柄を空売りすることによって、相場の上昇期には買付け銘柄で、下降期には空売り銘柄で、市場平均を上回る収益(アルファ)の獲得が期待できるというわけです。 因みに、なぜロングとショートの比率が130/30でなければならないか。理論的な根拠はないようですが、米国の投信法の規定で150/50が限度であることとリスク・リターン面の考慮から、130/30が妥当な比率となったようです。 このように130/30ファンドはロングポジションとショートポジションの巧みな組合わせによって、収益増大のチャンスが広がると言えますが、その反面、当然ながらリスクも大きくなります。それだけに、ファンドのパフォーマンスの良し悪しはファンドマネジャーの手腕にかかってきます。通常のロングオンリー(現物株買いのみ)のファンドだったら、ファンドマネジャーは魅力ある買付け銘柄だけを探せばよく、魅力のない銘柄は対象にする必要はありません。ところが130/30ファンドは、値下がりが予想される銘柄を空売りして収益を得ようとするわけですから、魅力のない銘柄も調査しなければなりません。買い銘柄売り銘柄の両面で有望な銘柄を発掘しアルファを獲得する、まさにアクティブ運用の極致といえるでしょう。また、ファンドマネジャーは空売りのノウハウにも精通していることが求められますし、株式の借入れや受渡しなど空売りをスムーズに行うためのプロセスも構築しなければなりません。 130/30ファンドは、これまでは年金基金など機関投資家の資金運用に利用されてきたといわれます。一般投資家向けの130/30ファンドは、まだ米国でも昨年から数ファンドが設定されただけですが、今年は急速に増加するだろうと予想されています。 日本の投信でも、ロング・ショート型のファンドは既に10数本存在しています。しかし、いずれも売建てと買建ての金額をほぼ同額とするマーケット・ニュートラル戦略(株式市場全体の変動に左右されない運用を目指す)をとるファンドで、130/30タイプのファンドはありません。しかし、今後、ハイリスク・ハイリターンのファンドへの需要が高まるにつれ、新しいタイプのアクティブ運用ファンドとして導入されるでしょう。(金融アナリスト:新藤正悟)
2007年08月16日
新興市場は、6月に入ってからは比較的堅調な動きを示ましたが、7月はその上げた分をだいぶ戻してしまいました。IPO銘柄の初値も、公募価格割れが続出していた一時のひどい状態は脱し、比較的好調な初値がついているようです。ただ、市場の公開審査が厳しくなっている情勢をうけて、公開銘柄数は昨年度よりはだいぶ減りそうな情勢です。それでも年間百数十社の公開が見込まれて、これだけの数のベンチャー企業が成功企業の仲間入りをすることになります。 ここで、IPO予備軍であるベンチャー企業の様子を見てみましょう■経営者はどんな人半導体など高度なハイテク製造業に多いのが技術者出身の社長です。大企業で先端的な技術を身に付けますが、大企業は今、選択と集中の時代ですから、自分の技術の生かしどころがなくなり、ベンチャー企業を起こすことになります。出身企業から出資などの好条件を引き出しつつ起業する場合(スピンオフ)もありますが、それと成功とはあまり関係がないようです。 バイオ企業で多いのが、いわゆる大学発ベンチャーです。一時期、民営化路線の流れに乗り、産学共同ということが盛んに言われたとき、大学の技術で一番起業化しやすかったのが創薬バイオでした。阪大と東大のベンチャー企業(森下教授のアンジェスMG,中村教授のオンコセラピー・サイエンス)が競うように公開を果たし、創業者が莫大なキャピタルゲインを手にすると、雨後の竹の子のように大学発のバイオベンチャーが起業され、教授の数だけベンチャー企業があると揶揄されるような状態が出現しました。この場合、技術の元は大学の先生ですから、退職しない場合、社長は他所から専門の経営者を連れてくることになります。 バイオや半導体の経営者・創業者のほとんどは、高学歴な専門家ですが、ベンチャー企業の経営者がすべてこのような人たちで占められている訳ではありません。IT系ベンチャーの社長は、技術のバックグラウンドという意味では専門家ではなく、どちらかというと営業センスで勝負するタイプが多いようです。例をあげると、ライブドアのホリエモンでしょうか。大学は文科系学部出身の人も多く、中退や中には高卒の社長もちらほら見受けられます。 ベンチャー企業でも外食産業やサービス業の経営者は、参入に必要なハードルが低いこともあり、出身や学歴は実に様々なタイプがいます。概して業態開発に冴えを見せるタイプと、店舗管理が得意なタイプに分かれますが、IPOまでこぎつけるまでには、その両者の資質が必要となり、バランスに苦労するようです。■IPO前の経営課題ベンチャー企業が当初の事業計画通り公開を果たすことは皆無といってよいでしょう。例外なく売上や利益の進捗は遅れていきますので、これを何とか修正しつつIPOまで持っていくのが経営者の腕です。 バイオ企業やハイテク製造業の場合は、研究開発が遅れることがほとんどで、その間に資金が枯渇するのが早いか、売上利益の実現が早いかという、ぎりぎりの勝負になります。 先に紹介した阪大や東大発のバイオ企業も、公開を果たした今も本格的な売上はまだ上がっていないのですが、いち早く公開したので公開時に研究資金も調達できています。 ところが最近、新興市場は態度を硬化させ、売上がはっきり見えていないと公開させてくれませんので、IPO候補のバイオ企業は資金枯渇による資金繰り倒産の危機に常に晒されていることになります。 外食やサービスなどのローテク企業でも、一般的に営業基盤が脆弱で売上も不安定です。一方で、成長するためには人件費などの経費もかかりますし、また急激な売上増加で運転資金が急増する場合もあります。営業一筋の“たたき上げ”社長の場合など、資金管理がおろそかになり、売上は伸びているのに金が続かなくなり、資金繰り倒産するといったケースもよく見られます。 人的資源の薄さはベンチャー企業の泣き所です。上記の資金繰り倒産も、財務部長がしっかりしていれば防げたのにと思われる事例も多く見受けられます。 技術の強い社長で、技術開発は上手くいって良い製品をつくるのですが、営業組織のマンパワーが不足で、売上計上に結びつけられないこともあります。また、社長がスーパーマン的になんでもやり過ぎ、ナンバー2にあたる人間が育たずに、いざという時に社長一人で、難関を乗り越えられないケースもあります。■内部統制の構築が負担に 最近のトピックス的な課題は内部統制です。新興市場であっても公開企業には、内部統制の強化が求められます。そのために、IPO予備軍には、会計監査だけでなく日本版SOX法の対応のために、監査法人やコンサルタントへの支払いだけでも年間20百万円以上の費用がかかってくるといわれます。 典型的には、売上10億円、利益1億円といた収益状況で、上場申請をする会社にとって、この20百万円の負担はかなり厳しいものになっています。 監査費用が原因で、公開を断念する企業がでるという、笑えない状況が出現するかも知れません。(株式アナリスト:杉岡秋美)
2007年08月09日
為替レートが大きく動いている。米ドルの対円レートは、直近で3月6日につけた1ドル=115円22銭を底に、6月25日には1ドル=124円までドル高が進行。このように、マーケットが大きく動くと、改めて注目を集めるのが、外貨建て金融商品だ。 なかでも、最もホットなのが外国為替保証金取引(FX)。最近では、FX業者間でも顧客獲得のための競争が激化しており、各社、さまざまなサービスを打ち出してきている。なかでも注目されるのが、取引コストの引き下げとレバレッジ倍率の上昇に係わる競争だ。 従来、外貨建金融商品といえば、外貨預金が個人向けとしては最も手軽だったが、ネックは取引コストの高さだった。米ドルの場合、1ドルにつき往復で2円の為替手数料が取られる。仮に1ドル=124円だとすれば、そのコスト負担率は1.6%にもなる。これでは、いくら外貨預金が円建て預金に比べて金利が高いといっても、コスト負担分で相殺されてしまう。 ところが、FXはそもそも為替手数料が、高くとも往復で10銭程度。非常に低廉なコスト負担で外貨を取引できることから、個人の人気を集めてきた。 最近では、FXの顧客獲得競争が激化したため、FX会社のなかには為替手数料をゼロ円にしているところも少なくない。為替手数料をゼロ円にして、どうやってFX会社は儲けるのかという疑問も出てきそうだが、FXは基本的に外貨の売りと買いの2本値を提示しており、この差(スプレッド)がFX会社の収入になる。そのため、為替手数料をゼロ円にしても経営が成り立つというカラクリがある。 もちろん、為替手数料をゼロ円にする代わり、スプレッドが大きいようであれば、何のメリットもないが、スプレッドが常識的な範囲で、かつ為替手数料がゼロ円というFX会社であれば、それは利用者にとって望ましいともいえる。 一方、FX会社は為替手数料の引き下げとともに、レバレッジの最大倍率を引き上げることも、顧客利便の一環として考えているフシがある。なかには最大200倍ものレバレッジをかけられるFX会社もある。 レバレッジ200倍とは、具体的にどういうことか。仮に保証金として10万円を預けた場合、最大で2000万円相当の外貨を売買できるということだ。仮に1ドル=124円で米ドルを買った場合、1ドル=123円38銭まで円高ドル安が進むと、保証金全額が吹き飛ぶ計算になる。実際には、保証金が全額吹き飛ぶ前に、ロスカットによる取引停止が行われるだろうから、全くの一文無しになることはないと思われるが、それでも、これだけのリスクがあることは理解しておいた方が良い。 少額資金でしか運用できない人でも、大きなリターンを得るチャンスがあるということで、より高いレバレッジを求める声があるのも事実だ。FX会社間の競争が激化しているだけに、いずれ300倍、400倍というレバレッジを設定できるFX会社も登場するかもしれない。しかし、これだけのレバレッジをかけて、きちっと利益を積み重ねられる投資家というのは、ごく一握りの人たちだ。 往々にして、「為替手数料ゼロ円!最大レバレッジ200倍!!」などと、広告にうたうFX会社もあるが、こうした数字情報にはあまり踊らされない方が良い。少なくとも、為替手数料ゼロ円は歓迎したいところだが、レバレッジの高さを競われても、利用者にとっては無暗に高いリスクを負わされることになりかねない。自分の身の丈にあったリスクを取って、運用するようにしよう。(金融ジャーナリスト:鈴木雅光)
2007年08月02日
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