犬の仮面は、県警捜査支援分析センター（KSBC）情報分析官の岩槻澪（白石聖）。岩槻は武蔵三郎（櫻井翔）のインカムに爆弾を仕掛け、和泉さくら（ソニン）管理官が率いる指揮本部を占拠。かながわ空港では、駿河悠月（高橋メアリージュン）が人質の武蔵二葉（奥貫薫）を拘束し、「武蔵の命が惜しければ、30年前の兄、健一（本多遼）失踪の裏側の真実を語れ!」と迫ります。が、二葉は口を閉ざします。武蔵に仕掛けられたインカム爆発まで残り1時間。そんな中で、志摩蓮司（ぐんぴぃ）に銃を向けた岩槻澪が、「私が獣集団に入った理由を突き止めて下さい。制限時間は1分」と、和泉管理官に要求。――岩槻澪の旧姓は狭山澪。彼女の姉は、元警備部SAT（特殊部隊）管理官、丹波一樹（平山浩行）の妻だったフリージャーナリスト、愛（Yoshiko）享年40でした。半年前、彼女は、山猫の命を受けた横浜署長の川越和夫（片桐仁）に屋上から突き落とされ殺害されていました。それが、岩槻澪が獣になった理由でした。そのことを明らかにしたうえで、彼女は空港の獣に合流。

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横浜市役所土木課勤務だった健一の当時の上司に話を聞き、市民からのクレームに悩み、そのストレスから精神を病んで失踪した健一というストーリーが警察の捏造と分かります。健一に対する「市民からのクレームなど無かった」と上司は証言。更に、二葉が市役所土木課にによく顔を出していたとも証言。――30年前、政財界のドン、陸奥哲夫が初代山猫であり、彼の陸奥建設が落札した横浜港幹線道路建設事業（発注者/北見茂、請負者/陸奥建設）に対し、その調査をしていたのが土木課勤務の健一でした。北見茂（手塚とおる）衆議院議員と山猫の陸奥哲夫が関わるこの道路建設に不正疑惑を抱いていた健一は、陸奥建設献金一覧に「政治家、北見茂」の名前があるのを確認後、当時、北見の私設秘書だった二葉に、北見との面談を求めました。で、健一は、北見に「疑惑を告発する」と迫り、そして、固く大きな灰皿で北見が健一を撲殺。健一は、山猫という巨悪に立ち向かい殺されていました。「君には養育しないといけない幼い弟（三郎）がいる。このことは黙っていろ!」と北見議員に命じられていた二葉。二葉は、北見の犯行を黙っていただけでなく、失踪した健一の恋人で、健一を探し回っていた駿河純子を武蔵家から遠避けていました。その時、純子のお腹に双子の姉妹がいました。それが悠月と紗季（宮本茉由）なのでした。二人の本当の名前は駿河蘭と駿河蓮でした。二人は健一の娘であり、今、龍と蛇になっています。「武蔵三郎、お前は私たちの叔父だ」と悠月。そんな悠月が母の純子の失踪後の地獄の日々を語ります。知らない間に戸籍を売られ、その結果、訳の分からない闇金業者の多額の借金が二人にのしかかり、全ての金融機関でブラックリスト入り。で、普通の仕事に就くことはできず、二人は新しい戸籍を入手。悠月と紗季となっていました。そして、「Ortus Consultant Inc.」（犯罪コンサルタント）CEOになった悠月は、1年前に界星堂病院を占拠した武装集団「百鬼夜行」リーダーの青鬼、大和耕一（菊池風磨）に犯罪プランを売っていました。で、三年前、失踪していた母の純子と病室で再会。そこで、他界する直前の母から「あなたたち二人の娘を捨てたわけではなく、無理やり闇金業者に引き裂かれた。ずっと、あなたたちを探していた。また、父親は失踪したのではなく山猫に殺された」という話を聞きました。そして、産まれて来る二人の娘の為に父の健一が買い求めていたサクランボのリストバンドを渡されていました。そこで、「山猫を守る為のお前（二葉）の嘘が、今回の事件のキッカケなんだ」と悠月が二葉に断定。「全ての謎が解けたのだから残りの人質四人を解放せよ」と武蔵が要求しますが、「まだ最後の嘘が残っている。30分後の配信で、山猫がこの空港を作った本当の理由を明らかにする」と悠月が宣言。

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龍の悠月が、新見大河（ジェシー）側に与する兎の浜松詩（安斉星来）、羊の奏（山本千尋）姉妹（神社で殺害されて浜松功の娘）の他、猪の松長仁（後藤剛範）と鶏の重原瀬奈（山谷花純）が寝返っていることを察知。大河側の目的は悠月から人質を奪って殺害すること。殺しを避けようとしている悠月は、大河側に寝返った四人を資材庫に閉じ込め施錠。

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「獣ちゃんねる」の配信が再開され、「山猫は多くの利用客など見込めない赤字空港を何故建設したか?　山猫の目的は十年前に発見された地下資源のネオメタン（次世代エネルギー）の採取（Mプロジェクト）。空港地下には採掘トンネルがある」と悠月が自ら解説。その時、武蔵が、これをライブ配信ではなく録画配信と見抜きます。ライブと見せ、その間に悠月らは空港を脱出しようとしています。

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獣、ケダモノたちが空港を脱出するものと察知した和泉管理官が、SAT（サット）に突入命令。――大河らは、人質を奪って空港を脱出し、横浜ベイサイドホテルに乗り込み、そこで自らの命を投げ出して、最終ターゲットを殺害するという当初からの計画を実行に移します。その時、瀬奈が「私はお腹の中に赤ちゃんがいる。私はこの子と一緒に生きたい」と言って、土壇場で大河に反旗。お腹の子は、猿の丹波直樹（岩瀬洋志）の子です。「だったら、ここで死ね!」と言って、大河が瀬奈に発砲。丹波一樹が瀬奈の盾になって撃たれます。で、その直後、龍の悠月側の牛の掛川瑠美（サーヤ/ラランド）と馬の堀江海斗（竹内まなぶ/カミナリ）が、突入したSAT班に捕まります。直樹と瀬名も逃げますが、SAT班に捕まります。大河に撃たれた虎の丹波一樹も、立ち往生的に捕まります。4階管制室にいた犬の岩槻澪も確保されます。が、四人のケダモノの他、獣のリーダー、悠月と紗季がいません。彼らは「地質調査」の為に彫られていたトンネルを抜け空港南東2kmの地点に脱出しています。

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鼠の大河、猪の松長、兎の浜松詩、羊の奏は、蛇の駿河紗季を人質に加え、彼らを「園部航空貨物」のトラックの荷台ボックスに乗せて走らせます。そのトラックの荷台ボックスには先に裕子も乗せられています。荷台に乗せられた人質は、裕子の他、北見茂、武蔵二葉、天童美香（黒沢あすか）社長秘書の宇和島健介（濱津隆之）、CAの庭瀬美月（結城モエ）、そして、駿河紗季の全六人です。――龍の悠月はオートバイで、横浜ベイサイドホテルに向かう大河のトラックを追っています。大河の計画を阻止しようとしています。横浜ベイサイトホテルでは、「かながわ新空港促進協議会総会」が行われています。丸亀洋一（宇納佑）と県警警備部長の大久保豊輔（生津徹）が、密談しています。丸亀洋一は、横浜ベイサイドホテル社長（令和のホテル王）であり、かながわ新空港促進協議会の会長です。一方の大久保警備部長は、和泉管理官から指揮権を強引に奪っておきながらSAT突入で失態を演じ、指揮本部を去った人物です。大河が「皆殺しだ」と呟きます。

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