武良井治（桐谷健太）は、新しい抗癌剤（ミラセルゾール）の治験中に「間質性肺炎」で亡くなった三人目の患者がいて、それが宮内香織（川原琴響）24歳と突き止めます。彼女の死因は「治験責任医師」の榊原俊介（瀬戸康史）によって、「間質性肺炎」から、「急性呼吸不全」と書き換えられています。が、香織の担当医で、その死因を、「手術二日前、突如、間質性肺炎を発症し、翌日に亡くなった」と当初のカルテに明記していた安原誠（中村靖日）は、何故かその修正を黙認。で、安原に事の真相を訪ねようにも、彼は三ヶ月前から閉塞性肥大型心筋症で、勤め先の阿栖暮総合病院に入院中。現在、会話もできないほど病状が悪化し、榊原による緊急手術が行なわれる予定。そんな中、榊原が失踪し、武良井と川本響子（長濱ねる）が捜索。――先に、他界した妹の希（共田すず）と重ね合わせていたHLHS（左心低形成症候群）の今井結依（梨里花）の手術（TCPCコンバージョン）を武藤則光（山田明郷）院長の反対を押し切って強行した榊原。しかし、結依は術後、血圧低下によるアナフィラキシー（アレルギー過敏反応）を発症し心停止、他界。心を乱し、その後に予定されていた手術ではメスを取り落とし、で、上條萌子（玄理）に執刀を任せ、オペ室を去っていた榊原が、再び、姿を消します。

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管理員室の防犯カメラで榊原が病院を出て行く場面を見た武良井は、彼の行く先を推測。――榊原の前に、包丁を持った結依の母、今井千里（原田佳奈）。「結依さんのことは残念です」と言う榊原に、「そんな言葉で片づけないで、人殺し。結依は、まだ14だった」と千里。そこに武良井が立ちはだかり、榊原に向かう千里の包丁を手で受け止めます。「何故?」と言う榊原に「これも院内警察の仕事だ」と武良井。そして、「……結依ちゃんが死んだのは榊原先生のせいじゃない。それを示すカルテも映像も全て残っている。榊原先生の執刀に問題はなかった。結依ちゃんの死は予期せぬものだった」と千里に説明する武良井。それでも納得しない千里に、響子が母への手紙を示します。自身の死後の母の精神状態を懸念する娘の手紙を読み、榊原に対する誤解を解く千里。

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榊原がデータ改竄したとされる日時、その日、榊原はアメリカから帰国し緊急手術に入っていました。よって、パソコンからのデータ改竄は不可能であることが判明。榊原は夏目美咲の間質性肺炎の徴候自体を知らなかったことになります。――榊原が安原の手術を行ない、容態回復後、事の真相を尋ねます。安原は当初、多忙の為、治験責任者の榊原への報告をウッカリ忘れたと言いますが、それは嘘であり、彼は、麻酔科医の白石葵（馬場ふみか）から、榊原への報告をしないよう懇願されていました。葵は宮内香織に術前訪問し、間質性肺炎の徴候を示す影があるのを知っていましたが、「異常なし」と記載していました。というのも、治験薬の開発責任者が葵の恋人、吾妻であり、彼はこの研究に十年を費やしていました。吾妻は、間質性肺炎多発による治験中止を最も恐れていて、葵にカルテ修正を依頼。治験薬の開発には裏で何百億という大金が動いており、そのプレッシャーに吾妻は追い込まれていました。

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宮内香織のデータ改竄を告白した葵は、もう一つ、美咲の服用していたのはプラセボ（偽薬）と報告されていましたが、実は、真薬であったことを打ち明けます。吾妻が美咲が服用していたものはプラセボであったとデータ改竄していました。それをもって、いよいよ厚労省への内部告発を決意した榊原と武良井は、岩井幸吉（ベンガル）厚労大臣の部屋に乗り込みます。で、厚労省の指導により、治験中止。それを武藤院長に告げる榊原。「治験薬ミラセルゾールの治験中止のお知らせ」の紙片が病院内に配布されます。恋人、夏目美咲（入山法子）の死の真相を突き止めようという武良井が院内警察に入った当初の目的が達成されます。

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