ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

Jun 1, 2005
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カテゴリ: 本を作る
商業出版、共同出版・自費出版、個人出版、さらには一人出版社(その1)
6月18日に私が大阪へ出向いて出版セミナーを開くことになりました。日時も会場もすぐに決まりましたが、その後、私の演題とテーマについて幾人かの方たちのメールのやりとりがありました。この出版セミナーのテーマ、もしかしたら今後私がやっていく出版活動の方向を決めるかも知れません。ウェブログ出版局の名前で始めた私たちの出版活動の根幹部分にも関わる議論だと思います。そこで私なりの今後の出版活動の考え方をご紹介しておきます。


本作り講演会のテーマ



「どのような企画なら出版社が取り上げるのか」

「売れる本の作り方を教えて欲しい」

「これから本を書くには、どのようなテーマがいいか」


楽天日記を始めてから、このようなテーマでの、講演依頼も多くなりました。

10人から20人程度の小規模の講演会(オフ会)を幾度か設定してもらいました。

講演会に来られる方は本を作りたいと夢見ておられる方がほとんどです。

そのような場に呼んで頂いて、主催者と受講者の意識のズレを感じています。


主催者の方たちは、「本作り=売る=採算」が念頭にあります。

受講者は「本作りのためには何から始めたらいいか」が最大の関心事です。

このズレの背景に、出版に対する認識のあいまいさがあるように思われます。

何のための出版なのかをもう一度振り返る必要があるのではないでしょうか。


商業出版を振り返ると

「商業出版」の目的が、本を売って儲けることなのは当然かも知れません。

とはいえ従来は、そのベースに志があり、夢がありました。

後ほど私見を書きますが、志や夢と営利活動の出版は永く共存してきました。

それが徐々に、売って儲けるという部分だけに収斂してきたように思います。


一般的には売れる本にするには読者ニーズに応えればいいだけの話です。

読者=購買者が欲しい本を提供すればいいだけの話です。

読者に迎合し、興味本位なテーマで衝動買いを誘えばいいだけです。

事実、本屋さんの店頭には、そのような本が氾濫しています。


この「売らんかな」の出版物の氾濫の背景にも注目する必要があります。

言葉は適切でないのですが知的読者層の減少が背景にあると思っています。

出版産業を支えた知的好奇心の贅沢層(経済的でなく)の崩壊です。

代わってテレビや新聞のように一般的読者層が主な読者となってきました。


出版産業を支える読者層

学問や文芸の粋を求める人たちが陰に隠れ、好奇心だけが突出してきました。

学術書や美術書、文芸の粋を追い求める著者も日陰の身になっていきました。

出版は一種の道楽だと私は思っています。金儲けとは一致しないのです。

著者が自分自身の存在価値を問い、読者(谷町)がそれを受け止める。


そこにあるのは、共に同世代を生きた喜びと共感です。

読者の感性を代弁し、新たな世界を垣間見せ、感動と共感を与える。

そのような本作りに関わりあうことが出版人の最大の喜びでもありました。

でも淋しいことに、今やどれだけ売れたかだけが基準です。


私は敢えて「商業出版」に背を向けようと考えています。

売ることだけを考えていると、必然的に読者迎合型になってしまうのです。

もちろん、読者ニーズはすべての本作りの基本です。

無視するつもりもありません。大切にしなければと思っています。




続きます。ギックリ腰が完治していないので、少しづつ書きます。







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Last updated  Jun 1, 2005 01:36:00 PM
コメント(11) | コメントを書く
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こんにちは。  
すいれん@  さん
うなずけることがいっぱいありますね。う~むとうなりました。ぼくも留学記出版がんばります。 (Jun 1, 2005 05:23:44 PM)

Re:商業出版、共同出版・自費出版、個人出版、さらには一人出版社(その1)(06/01)  
ofude  さん
なるほど、、隠居さんが書くだけに奥が深い。

今のベストセラーって。。。
マニュアル本っぽいのが多いのは、売れるからでしょうか?
次から次へと、よくぞ、ミチシルベ?もどきの本が出版されますね。

口コミでじわじわ広がる(ある程度の宣伝は必須ですが)そんな本が出版できたら。。。な。。。です。(私の場合)

(Jun 1, 2005 06:59:11 PM)

Re:商業出版、共同出版・自費出版、個人出版、さらには一人出版社(その1)(06/01)  
18日大阪だったら、お会いできるかもしれません。ぎっくり腰お大事に (Jun 1, 2005 08:10:47 PM)

大丈夫ですか?  
MU@沖縄  さん
腰は大丈夫ですか?あんまり無理なさらないように・・・
本造りはなるほど、うなずけるものがありますね。
ネタや企画なら、いくつかありますが、問題は売り込み活動(営業)かなと思っていましたが・・・
そうじゃなくて、まだいくつかの方法があるんですね・・・ (Jun 1, 2005 10:04:39 PM)

Re:商業出版、共同出版・自費出版、個人出版、さらには一人出版社(その1)(06/01)  
月宮 蒼  さん
ぎっくり腰は少しはよくなられましたか?
お大事になさって下さいね。

6/18の内容ものすごく興味があります。
ただ大阪ですと参加できないのが残念です。

興味深いお話が書かれていて続きが楽しみです。
(Jun 1, 2005 10:30:42 PM)

知的レベル向上のために  
レモンケーキ さん
あえて「商業出版に背を向ける」という言葉に
感動しました。
このままでは日本の知的レベルがどんどん下がる一方です。文化の醸成という出版社の本来の目的に立ちかえるというご隠居の姿勢に共鳴しました。 (Jun 2, 2005 07:18:48 AM)

全く同感。  
岩波鈴也 さん
いや~、「同感」です!!
実は、小生の家内も自費出版した経験があります。
ノンフィクションです。既に配本かも?
(当時、120万強掛かりました。)
契約が後五年残ってますので、その後ネットで無料で紹介する予定です。

今回、小生が狙っているのが、商業出版?
『手作り本』です。既に、三冊出来てます。

此の本に対しては多くの人に感動して頂くと言う
ミッションが有ると思っています。

ですから、ネット遊びとして商業出版です(笑)
では、お体大切に (Jun 2, 2005 07:46:37 AM)

ぎっくり腰の早い完治を願っております。  
龍5777  さん
ご隠居が「本作り講演会のテーマ」で四ヶ条の条件を書かれておられます。私も同感ですが、これを満たすには執筆者の能力、資質があるかどうかと考えます。どんなに良いテーマであっても表現できず読者が読んでみたいと思わない作品では絵に書いた餅ではないでしょうか。私は昨年の九月から年金生活者になりましたが、小説を書くことを趣味としています。勿論、世の中に出るょうな作品を書きたい、この思いはあります。ホーム・ぺージに拙い連載を書き終わると、自分本来の時代小説に取り掛かる日々を送っております。その間に好きな作家の本を濫読し、その手法や語句の使い方なんぞを学んでおります。日々、研鑽です。投稿も何度もいたしました。文芸社、オール読物への投稿等もいたしております。原稿募集なんぞで新聞紙上に宣伝する出版社は大概、最後に販売数が見込めないので共同出版を勧めてきますね。ようは勉強し良い作品を書くこと
これに尽きるのではないでしょうか。まだ書き足りませんが後日また、書かせて頂きます。 (Jun 2, 2005 11:28:43 AM)

教えて  
muu さん
18日大阪でのセミナーの日時を教えてください。参加するにはどうしたらいいですか?
(Jun 2, 2005 12:45:39 PM)

なるほど~。  
紫乃花  さん
足跡をたどってやってきました。
参考になる情報がたくさんありますね。
ありがとうございます。 (Jun 2, 2005 11:07:40 PM)

志!!  
papadas  さん
“志”、大事なことですよね。どこまで、できているか分かりませんが気にして生きています。出版や音楽の権利ビジネスは、なんか実情とずれていますね、売りたいものと買いたいものがマッチしていない感じで。CDにしても本にしても欲しいと思ったら廃版になっている。少量の再生産はいまの技術ならそんなに難しくないのに、生産者の怠慢ばかり目につくような気がするのはボクだけでしょうか? (Jun 3, 2005 01:37:49 AM)

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聖書預言@ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
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38万円で本ができた


第一章 もっと手軽に自分の本を作れたら


第二章 協力出版と懸賞募集の甘い罠


第三章 自分の本を作りたい理由を考えよう


第四章 本にする原稿をまとめよう


第五章 自分の本を売ってみよう


第六章 安く本を作る方法を考えよう


第七章 物書き稼業と編集者稼業の裏表


第八章 昨今の出版業界のお寒い事情


第九章 いまどきの本屋さんと物流事情


第十章 出版業界こぼれ話


【出版後記】


負けてたまるか


その1


その2


その3


その4


その5


その6


舞台裏からの独白


すぐそこの田舎暮らし


第一章 先住民/黒猫の『タンゴ』


第二章 山里「コンタ」発見


第三章 知らないってことは


第四章 竹の子で仲間を釣り上げる


第五章 森の天使の小さな落し物


第六章 小悪魔『チビクロ』参上


第七章 チビクロ砦とチビクロ王国


第八章 まったくもう、田舎暮しってヤツは


第九章 チビクロ、チビコゲへ変身中


第十章 隠れビーチで日向ぼっこ


第十一章 チビクロ、何処へ行こうか


第十二章 何で、お前まで行ってしまうの


第十三章 ムジナに見送られ、街へ帰る


エピローグ みんなで遊ぼうよ


両国・千夜一夜物語


前編


後編


はみ出し人生・出版屋稼業


第一話 私の出版屋事始め


第二話 ちょっぴり生意気だった理由


第三話 出版企画会議の話


第四話 土木から資格試験へ


第五話 工学書転じて実用書に 


第六話 なぜかスキー書


第七話 退職、そして創業


第八話 行け行けドンドンの始まり


第九話 原稿は役員専用車で届く


第十話 スパイにされちゃった


第十一話 ただ酒、ただ飯、お土産は仕事


第十二話 閃いた


第十三話 出版から映像へ


第十四話 ヒットチャートに載っかった


第十五話 思えば、いろいろやったもんだ


身も心も捧げた女は飽きられる


プロローグ


第一章 身も心も捧げた女は飽きられる


第二章 したたか女はイイ女


第三章 女の勘違い


第四章 私の出会ったイイ女列伝


エピローグ


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第二話 やっぱり巻き込まれてしまった


編集後記


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2


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