授業研究のあしあと

授業研究のあしあと

PR

×

お気に入りブログ

横山幸生 授業研究… 横T555さん
米野真理子のお買い… ショッピングソムリエ・米野真理子さん
宮脇真一 学習環境… shin-kbさん

カレンダー

バックナンバー

2026.05
2026.04
2026.03
2026.02
2026.01

コメント新着

溜池善裕@ Re[2]:ちょっと立ち止まって(その3)(09/14) ここのところ、授業記録と重松先生による…
ハラグチ @ Re[1]:ちょっと立ち止まって(その3)(09/14) 溜池先生。いつもありがとうございます。 …
溜池善裕@ Re:ちょっと立ち止まって(その3)(09/14) 熊本大学教育学部附属小での小規模な最初…
ハラグチ @ Re:興味深く読んでいます(06/21) みちたさん。遅くなってすみません。 …
ハラグチ @ Re:興味深く読んでいます(06/21) みちたさん、ありがとうございます。 何…
2013.02.22
XML
社会科初志をつらぬく会の「考える子ども」(2013.1月号)に原稿を書いたので、ここで紹介する。あらためて読みながら「しっかりとリフレクションしなければ」と反省する。実際、最近、私は授業で子どもの「ことば」を聞き逃していることが多い。研究発表会当日の授業も、そうであった・・・。

・・・・・

*熊本 授業記録を読む会

 私たちの会は、一昨年(平成二十二年)の六月にスタートしたばかりである。二ヶ月に一回を目標にして、これまでに、土曜日もしくは日曜日の午後に十回ほど開催することができた。まだ、活動内容や会員を含め組織など、ここで紹介できることは無いが、毎回、熊本大学教育学部附属小学校を中心に十名前後の参加者で行っている。中には、県外からの参加があることもある。
 会は、授業記録をもとに参加者一人一人の学びを「語る」というスタイルだが、この「語り」を交流することから授業記録の互い読みを深めるといった有意義なものになっている。なお、初志の会会員以外の参加者も多いため、会のはじめには、次の三点を話題にすることを確認している。1)授業の中で、子どもは何を経験したのか、2)その授業の中で「その子らしく」分かるとはどういうことか、3)教師は子どもに寄り添うことができていたか、ということである。もちろん、授業者が抽出した子どもを最初に確認することもあるが、なるべく先入観をもたずに記録を「そのまま」に読むようにしている。
 実際には、授業ビデオを観ながら、授業記録を読むようにしている。文字の記録には見えてこない子どものちょっとした表情やしぐさが、子どもをとらえることに役立つことが多いからである。参観者が気になることがあれば、その場でストップさせ、繰り返しビデオを観るなど、授業記録がその場で書き直されることもしばしばである。
 また、会の後半には、若手参加者の授業づくりや学級経営での「悩み」に対し、それぞれの実践を出し合う場を設定している。「授業中の発言が一部の子どもに偏っている」「クラスの男女の仲が悪く話し合いが上手くいかない」「自分の主張ばかりして相手の話を聞かない」など、初歩的な「悩み」が多いが、アドバイスする側の中堅参加者自身が、改めて自分の実践や日頃の取り組みを振り返りながら「語る」ことにより、新しい発見があることも少なくない。授業記録を読むことで生まれた学びと合わせ、ほのぼのとした余韻の中で、一人一人の参加者が明日の授業への元気をもち帰ることができている。

今年度十一月の会から 

「大塩平八郎は武士なのに、なぜ乱を起こしたのだろう。」

 「自分が生きているのは米を作っている百姓のおかげだから」というAさんと「何もしない奉行所に腹を立てたから」というBさん。そして、この二人の話し合いが平行線で進む中、「百姓を助けるために奉行所を取り締まる。奉行所を取り締まらなければ百姓は助からない」と発言するCさん。しかし、Cさんの発言はたどたどしさから他の子どもたちが理解することができず、「よく分からない」と何度も問い返されることになり、Cさんは繰り返し説明する。その中で、「大塩は、上手くいくとは思っていなかった」「でも大塩は乱の後、有名になった」「当時の役人には、大塩のような考えをする人はいなかった」「自分の考えが広まれば、少しずつ百姓が楽になる」と、Cさん自身が整理し、最後には他の子どもたちは納得した様子だった。ただ、その後もAさんは「分かったけど分からない」と発言し、Dくんが「奉行所を説得できなかったから、無理矢理押し切る感じで・・・」と続き、授業は終わった。
 会の中では、しっかりとした考えをもちながらたどたどしく発言したCさんが、その考えを主張していたのではなくAさんとBさんの考えをつなごうとしていたことや、問い返されることにより筋道だった説明に変わっていったこと、そして、最後までBさんとCさんの発言に納得しなかったAさんは大塩の理屈を超えた「どうしようもない思い」を感じ取っていたのではないか、ということが話題になった。

拠点校熊本大学教育学部附属小学校での取り組み 

 二〇〇八年から年に数回、西部地区の先生方に授業を観ていただく機会を得ている。特に、毎年三月には、田代裕一先生(西南学院大学)、田上哲先生(九州大学)、松本康先生(香川大学、現在は信州大学)、倉本哲男先生(佐賀大学)に附属小学校にお越しいただき、初志の会会員の三名の授業を公開し研究会を行っている。
 最初は、当時附属小学校に勤務していた横山幸生先生の社会科の授業を検討する小さな会であったが、少しずつ附属小学校の他の数人の教員も加わるようになり、初志の会の全国集会や西部地区集会への参加も見られるようになった。
 そんな中で、徐々に校内の様子に変化が見られるようになった。まず、子どもたちが話し合いやすいように全ての教室で座席の配置がコの字型になったこと。次に、内容中心の板書から、ネームプレートを使った子ども中心の板書が多くなったこと。多くの授業で、座席表が子ども同士の関わり合いを活性化させるツールとして用いられるようになったこと。そして、単なる授業の印象だけで批判しあうのではなく、子どもの発話記録をもとに一人一人の学びに寄り添った授業研究会ができるようになったことなどが挙げられる。
 附属小学校では、昨年度まで文部科学省研究開発学校の指定を受け、「論理科」カリキュラムの開発に取り組んできた。その中でも、単に論理的に思考することを子どもたちに押しつけるのではなく、一人一人の子どもの「論理」を見取り、その「論理」を刺激し、語りの中で論理が立ち上がるような授業づくりに向かうことができたのも、初志の会の先生方の支援があったからであろう。
 今後も、附属学校としての役割を果たすことのみにとらわれるのではなく、目の前の子どもが「その子らしく」学び、生きていくことができるように育てるために、教師は何をすればよいか悩み続けていければと思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.02.22 08:28:07
コメントを書く
[ライフヒストリー(6年間のあしあと)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: