帰ってきたウルトラマン（ＮＧ版） | メタボの気まぐれ

「ウルトラファイト」の影響で
再びウルトラマンが注目を浴びた1971年、
円谷プロは新番組として
「帰ってきたウルトラマン」を制作した。

主役にMJ5のイケメンモデル団時朗、
ヒロインにアイドル女優として売り出していた榊原るみ、
良き理解者・坂田役に「怪奇大作戦」で
既に大物俳優の道を歩んでいた岸田森という
時代を先取りしたメンバーを揃えた。

完成されたラッシュフィルムを試写した所、
プロデューサーの円谷一やその関係者が
数々のシーン等を指摘した。

まずは主題歌「戦え! ウルトラマン」

　グワッと開いた口から炎
　あたり一面、焼け野原
　街が危ない、火がせまる
　帰ってきたぞ、帰ってきたぞ、帰ってきたぞ
　ウルトラマン、ウルトラマン、ウルトラマン

この歌詞とテンポが子供番組ゆえ
分かりやすいメロディーの方が良いと言う理由でＮＧ。

第1話「怪獣総進撃」ではウルトラマンのスーツが
初代ウルトラマンの商品化用三面図の体の模様に
ラインを描き加えたものであったが

本作の商品化権を取得した玩具メーカーの

初代と明確に差別化する必要に迫られ
デザインを変更する。

そしてフィルムが現存している第2話
「タッコングの逆襲」ではアイキャッチ、
エンディングカットを変更されただけでなく

特に円谷一が拘ったのが効果音で
当初、怪奇大作戦で実績がある
音響効果の小森護雄が担当したが

宇宙感のある小森の効果音に対し
ウルトラセブンで重量感あふれる
東宝効果集団の効果音を重視したいとの事で
音響効果担当を変えている。

ちなみに小森護雄氏はその後
株式会社・録音処「効果工房」を設立し
「トリプルファイター」「シルバー仮面」
「ジャンボーグＡ」「ウルトラマンレオ」
「三丁目の夕日」「大帝国劇場」
「インターミッション」など現在でも活躍している。