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これから秋になると、サルハマシギが単独か数羽で干潟に渡来します。ハマシギとサルハマシギは、嘴が長くて下方に湾曲しているなど、似ているので識別がむずかしいと耳にします。ハマシギ第一回冬羽とサルハマシギ幼羽を比較し、特徴を復習してみます。(1)サルハマシギ幼羽一枚目から三枚目の写真は、2014年4月29日に谷津干潟で観察・撮影したサルハマシギ幼羽です。上面は灰色でハマシギよりも足が長く見えます。サルハマシギの嘴はハマシギに比べると緩やかに下方に湾曲し、先端部分がより細いのが特徴です。(2)ハマシギ第一回冬羽四枚目は2014年9月14日三番瀬、五枚目は2020年12月28日浦安市で観察した第一回冬羽です。上面は灰褐色で各羽縁が白色です。サルハマシギに比べると嘴の湾曲は小さく、足も短く見えます。なお、ハマシギでも嘴の長い個体を見かけると耳にしたこともあるので嘴の長さでなく形状に注意するのが大切だと思います。
2023.08.13
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ツミが飛来し造巣、産卵を行っている多くの林ではオナガの姿があります。オナガ、そしてツミの宿敵カラスの行動に注目してみると、見えてくるものがあります。オナガにスポットを当てた話題を提供します。(オナガのカラス類に対する追い払い行動)ツミの産卵前の時期のオナガの行動を見ていると、林にハシボソガラス、ハシブトガラスを接近させないように警戒的な声を出し、集団でカラスを追い払う行動をとっています。ツミが林に帰還すると時もオナガは鳴きながらツミに追尾するように飛翔しますが、追い払う行動は見られずツミが枝または造巣した場所に帰還すると何事もなかったのように静まります。細野(1975)が「最も多く通年みられたものは、警戒的音声の発声によるものである。これに対して、繁殖期はこれに攻撃,追撃行動が加わり、防衛行動が積極的な形であらわれる。オナガの反応行動は、巣近くでのハシボソガラスの休息や飛翔に最も強くあらわれ、この時は,攻撃,追撃になる。繁殖期の採食圏内でも、巣から離れた所で休息するハシボソガラスには反応行動を示さない」と報告している内容とほぼ同一です。(オナガのヘルパーは自ら繁殖しないのはなぜか)原田(2009)が、オナガではつがい以外に繁殖を手伝うヘルパーが存在していることを紹介し、「ヘルパーは巣材運び、造巣、メスへの給餌、巣内雛や巣立雛への給餌、ヒナの糞の運び出し、捕食への攻撃を行う」と報告しています。しかし、ヘルパーとなったオナガが自ら繁殖しないのはなぜかと疑問を持ちます。この謎について、いくつかの文献に目を通してみました。長谷川(2010)が、自然人類学、進化生物学の研究から共同繁殖について知見を整理したものを報告しています。その中で「さまざまな種における長年の研究成果を眺めると、多くの場合、繁殖のためのなわばりに空きがない。繁殖相手がいないなど、ヘルパーが自ら繁殖開始することを阻害する生態学的要因がある。そして、家族を離れて単独でいることは、捕食に会いやすいなどの理由で生存率が低くなる。さらに、弟妹は血縁者であり、両親の子育てを助ければ、ヘルパー自身の包括適応度の上昇が期待できる。このように、鳥類と哺乳類の共同繁殖は、自らの繁殖可能性の限られた個体が、次善の策としてヘルパー戦略をとる結果で生じると考えられる」と記しています。(ツミが巣を放棄した場合にはオナガも放棄)植田(1994)がツミによる巣の防衛がある場合とない場合について、オナガの繁殖成功率に関して調査結果を報告しています。その中で、「ツミの周囲で営巣しているオナガが柴に覆われていない捕食者から目立ちやすい場所に営巣していることが多いため、ツミによる巣の防衛がなくなると捕食をうけやすい可能性がある。(中略)ツミが巣を放棄すると、オナガの繁殖はすべて失敗した」と記しています。(引用)細野哲夫.1975.オナガの生活史に関する研究(10)オナガと他種の関係.山階鳥研報.第7巻第5号.p533-549.植田睦之.1994.ツミの巣の防衛行動がなくなった場合のオナガの繁殖成功率.Strix.第13号p205-208.日本野鳥の会長谷川眞理子.2010.「ヒトは共同繁殖:子どもの発達と社会的つながり」.第57回日本小児保健学会招待講演.小児保健研究.p126-129.(写真)2026年5月5日撮影(4枚目は5月3日撮影)
2026.05.05
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今シーズンの初認は3月25日で、39日目の朝となりました。雌が二か所のカラスの古巣に入る姿と新たに枝を運搬している姿を見かけます。今朝は、新しい木の又に何度も枝を運搬していました。やはり、子育て期間内でずっと使うので新築が最善なのでしょう。(造巣期は枝を運搬している以外は、巣が見える別の枝から監視する雌)造巣期は、雌はほとんどが林内に留まっています。巣が整うといよいよ産卵となりますが、産卵前は雌雄ともに林の中に留まる姿が見られます。これは、植田・平野(2003)が「産卵前の妓後の交尾が賎も受精に影響するので、この期間は最も受精に影響する期間にあたる。この時期に雄が雌と一緒にいる時間が長いことは、多くの種でみられており、つがい相手をつがい外交尾(*)から守るために行なっている行動と考えられる」と記している行動と考えられます。(*)採食地と鴬巣地が離れており、雄が採食のためなどに雌を営巣場所に残して遠くに離れる必要があり、雌を常時ほかの雄から防術することができない。そこで、つがい外交尾がおきる瀕度がほかの烏に比べて高くなると考えらると解説が付されています。(産卵前のディスプレー)平野(2005)は、ツミが産卵前にディスプレイに関して「産卵前の雌雄間のディスプレイには尾上げディスプレイと翼震わせディスプレイがある」と報告しています。一度観察してみたいとひそかに期待しています。(引用)植田睦之・平野敏明.2003.ツミの交尾行動一多数回交尾の適応的意義の検討一.Strix第21巻.p131-139.日本野鳥の会平野敏明.2005.ツミ Bird Research News Vol.2 No.2.p2-3.(写真)2026年5月3日撮影
2026.05.03
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先週25日に葛西臨海公園でカラシラサギと出会うことができました。葛西では2008年9月14日に観察して以来、16年ぶりの再会でした。雨降りでフィールドに出かけられないので、特徴を復習していました。(アップした画像のうち、コメントがないものは葛西で撮影)(1)観察した個体について観察した個体は夏羽で、コサギと違ってふさふさした冠羽、嘴のベースが黄色で基部から真ん中あたりまで赤っぽく、眼先は青緑色の婚姻色個体でした。なお、足は黒色、趾は黒っぽく見えていますが本来は黄色です(泥で汚れていた可能性あり)(2)夏羽と冬羽について前回の個体は嘴が黒味がかって基部近くが黄色で冬羽にかわりつつあり、後頭の冠羽は短いものが残っているだけでした。完全な冬羽の冠羽はなくなります。一枚目の画像:夏羽、2024年6月25日撮影、二枚目の画像:冬羽に換羽中、2008年9月14日撮影(3)嘴の長さ嘴先端から後頭までを100とすると、カラシラサギでは嘴が35%、コサギが54%を占めています。第一印象ではカラシラサギの嘴が長く感じましたが、嘴の割合を調べてみると逆でした。三枚目の画像:2024年6月25日撮影(左カラシラサギ、右コサギ)(4)後頭の冠羽画像では14本まで数えることができました。コサギより冠羽の本数が多いのがわかります。なお、コサギの冠羽は2本と記している図鑑類がほとんどですが、その長さは個体差があります。四枚目の画像:後方からの姿、2024年6月25日撮影五枚目の画像:コサギ、2022年3月5日谷津干潟で撮影(5)餌の取り方の違いカラシラサギは、魚の動きを見て、バスケットボールでいうピボットターンのような動作をしているのを観察しました。足を軸にして90度近く回るような動きをしていました。それに対して、コサギは魚を狙う時、浅瀬を直線的に羽を広げて移動し小躍りするようにステップを踏んで水中の魚を驚かせているように見える動きをしていました。同じサギなのにずいぶん違いがあるものだと思いました。六枚目、七枚目の画像、2024年6月25日(最初左側を向いていたものがくるりと回転)八枚目の画像:コサギ、2020年9月20日撮影
2024.07.01
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昨日、柏の葉キャンパス駅近くでイソヒヨドリ雌を目撃しました。観察した個体はアップした画像のように上面に青色味があり、雨覆に白い斑点はない、下面には赤色部分がないことから雌成鳥と思われました。柵の高いところにとまり、周囲を見渡したり、地面に降りて餌を物色したり行動を目撃しました。伊沢・松井(2011)が報告しているように、イソヒヨドリは一夫一妻制(まれに一夫二妻の場合)で、雄が周年なわばりを維持してなわばりの中の高い位置にとまってり見張りをし、抱卵は雌のみが行うと記しています。雄の姿が確認できないのでまだ抱卵に入っていないのか、雌単独なのか、または一夫ニ妻の雌なのかといろいろ頭を過りました。いずれにせよ、今後の観察が楽しみです。(写真)2023年3月20日撮影(引用)伊澤雅子・松井 晋.2011.イソヒヨドリ.Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.
2023.03.21
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20日茨城県浮島でシギ・チドリを探索していましたら、タカブシギ、クサシギが同じ蓮田に姿がみつけました。全部タカブシギと思っていたのですが、一羽はクサシギでした。違いに気づいたのは尾の黒い横縞の違いでした。クサシギのほうが横縞が少なく、タカブシギでは本数が多いのです。帰宅後、複数の図鑑を見てみると、桐原(2000)にクサシギでは尾に黒い横縞、タカブシギに黒い横縞がある、永井(2014)にクサシギに尾の先端にわずかに黒帯、タカブシギに尾全体に黒帯があると記載がありました。ただし、本数については記述がありませんでした。しかし、日本野鳥の会三重(2018)に同様の見分けのポイントが報告されていました。それによると、「タカブシギとクサシギは腰が白く尾羽も白いですが、尾羽にある黒褐色の横斑の濃さや太さで両種を見分けることができます。尾羽の横帯がタカブシギは5-6 本、クサシギは2-3本、イソシギは腰が褐色で尾羽は外縁だけが白い」と記されていました。(過去の写真で復習してみると)写真一枚目(2020年5月17日千葉県柏市)、二枚目(2019年9月9日茨城県浮島)は、クサシギです。いずれも尾羽の横縞は3本あるように見えます。写真三枚目(2019年8月24日茨城県浮島)、四枚目は(2018年9月8日茨城県浮島)は、タカブシギです。尾羽の横縞は5本あるように見えます。写真五枚目(2018年8月18日千葉県谷津干潟)、六枚目(2018年9月9日千葉県谷津干潟)は、イソシギです。いずれも尾羽は外縁だけ白くなっているのがわかります。(尾羽以外の特徴)クサシギは、タカブシギよの少し小さめで上面の白斑はやや大きく、色が明るい印象があります。また、眉斑は目の後方まで続き、嘴は短めの印象があります。また、羽縁の白斑は小さい点はイソシギと似た印象があります。こうした点とあわせて、尾羽の横縞の違いを観察すると識別に役立つことがわかりました。(引用)桐原政志.2000.日本の鳥550.水鳥の鳥.p228-229.p234.文一総合出版.今井 光昌.2018.シギ・チドリ類の年齢・季節による羽衣の変化第12回タカブシギ、クサシギ、イソシギ. 日本野鳥の会三重会報しろちどり96号.p8-12.永井真人.2014.野鳥図鑑670.p291、p304-305.文一総合出版.
2024.04.24
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牛久沼沿岸に農道脇に点在している水田があります。連休前後の時期にシギ・チドリ類が渡りの途中に降り立ち、羽をやすめたり採餌する姿を見かけます。南よりの強風が吹き抜ける条件でしたが、現地を訪ねました。水田は耕起してあるところと雨ふりで水が溜まっているところがありましたが、耕起してある水田にコチドリ、ムナグロ、キョウジョシギの姿を見つけました。(ムナグロは夏羽、冬羽から夏羽に換羽中の個体、幼羽が勢ぞろい)ほとんどの個体が強風で水田に座り込んでいるものが大半でしたが、何羽かは虫またはミミズのようなものを捕食していました。(1)夏羽(写真2枚目):顔・胸・腹が黒く、上面の斑は黄色(2)冬羽から夏羽に換羽中(写真3枚目から5枚目)写真3枚目の個体は、夏羽への換羽がかなり進んでいる個体です。写真5枚目の個体は、上面に黄色味が弱く、下面も白っぽい部分が多い個体でした。写真6枚目の個体は、全体に黄色が強く、下面に黒い羽(夏羽)が点在している幼羽です。1羽ずつ見ていくと、それぞれ羽衣に少しずつ違いがあり、その特徴を観察しているとあっという間に時間が過ぎていきます。(キョウジョシギの羽衣)写真7枚目、8枚目はキョウジョシギ夏羽です。頭から胸にかけて白と黒、背と翼上面が赤褐色と黒色の模様があります。時折、ゲッケッと鳴き声を披露してくれました。キョウジョシギは、2010年以降減少となり年率6%程度のペースで減少していると聞きます。自然環境局生物多様性センターが行っているモニタリングサイト1000の調査結果でもキョウジョシギの個体数が2016年春は前年に比べて37.3%減少とショッキングな動きとなっています。(写真)2026年5月4日撮影
2026.05.04
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浮島周辺を探索した後、隣接する印旛沼北部の水田地帯に立ち寄りました。こちらも、ほとんど稲作が行われていてシギ・チドリが降り立つポイントがないのですが、何枚か降り立つ場所があり、待機していたらイソシギ、クサシギを発見。このほか、畦に座り込んで休んでいたトビ、今年生まれのハクセキレイが餌を自力で探す光景などを観察し帰路につきました。(写真)2020年8月07日撮影
2020.08.07
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(ヒバリの減少について)ヒバリというと、「チーチビ チーチビ」空に上昇し、「チュクチュクチー チュクチュクチー ツゥイ ツゥイ ピチ ピチ ピーツツチー ピーツツチー ツォイ ツォイ」と空で鳴き、その後下降するという姿を想像します。ところが、佐々木(2008)が空中でのさえずりが多いのは営巣初期だけで、その他の時期は地上での方が多いと報告し、あわせて、ヒバリの減少が指摘されている点にふれています。東京では1970年代から1990年代で繁殖期に確認された3次メッシュの数が70年代の218からほぼ半数の105に減少しており、要因は定かではないが農地などの平坦な環境に建築物が建つことによって生息適地の分断化が進んだことが影響しているのではないかと記しています。手賀沼と沿岸地域では、2010年以前は継続して観察されていましたが、2011年以降では手賀沼と印西市の境界地域と我孫子市北部の水田地帯、利根川沿岸という生息適地が残っているエリアで姿が細々と観察されているのが現状です。(雌雄の違いについて)佐々木(2008)は、ヒバリの雌雄を外見で識別するのは困難としながらも、文献に繁殖地にペアが同時に飛来する場合とオスが先に飛来してメスが後から入る場合があり、後者が多いと記されているものがあり、別の文献には造巣はメスが行い、2~7日で造りあげ、抱卵はメスのみが行い、給餌は雌雄両方で行うが,オス36%,メス64%とメスの方が多いと報告があると記しています。なお、叶内(1998)が、雌雄はほとんど同じだが、雌は冠羽を立てる行動はほとんどないと報告しています。手賀沼沿岸で、冠羽を立てることがなかった個体を観察・撮影したことがあります。写真の五枚目、六枚目を参照ください。(引用)叶内拓哉.1998,日本の野鳥.p443.山と溪谷社.佐々木茂樹.2008.ヒバリ.Bird Research News Vol.5 No.3.p3-5.(写真)一枚目、二枚目:2015年6月6日、三枚目、四枚目:2014年6月15日、五枚目、六枚目:2017年7月18日いずれも手賀沼沿岸で観察
2024.02.19
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ガンカモ科シマアジは、和名を「縞味」とつけられています。石田(2015)が食用にされた歴史があり、和名「アジ」は味がよかったことに由来すると述べています。味についてはカモ肉の中ではどんな位置だったかについて文献を紐解いてみました。皆さんのミニ知識として参考となったら幸いです。(当流節用料理大全が記載している鳥類)真鶴、こん鳥、黒鶴、真雁、雁金、白雁、海雁、真鴨、真鴨、僧鴨、真崎鴨、吉崎鴨、足鴨、口鴨、小鴨、あぢ鴨、嶋あぢ鴨、赤頭鴨、川喰鴨、ひでかげつ鴨、羽白霜振鴨、鈴鴨、大赤頭、神子鴨、ほひらき鴨、黒鴨など約82種類の調理法が掲載されています。嶋あぢ鴨がシマアジのことを指しているものと思います。(あぢ鴨はトモエガモのことを指しているようです)(シマアジは肉のランクとしてはどんなポジションか)石田(2015)が味がよかったと紹介している点を文献でたどってみましたが、食用ランクのようなものは見つけらませんでした。しかし、マガモ雌雄1ペアを基準とした販売価格が存在していたことを菅(1995)が紹介していました。それによると、カモ肉の場合、マガモ雌雄番いの価格を決めそれを基準にして相場価格が決定されたとあります。マガモ1に対してガン1.5、オナガガモ0.3、ヒドリガモ0.25、キンクロハジロ0.2、シマアジ0.14、ハシビロガモ0.14などの売買比率が記されていました。(江戸時代の建前と実際)江間(2013)が報告しているように、文献を振り返ると、仏教の伝来とともに天武天皇(675)が肉食禁止令を発して以来、牛、馬、犬、猿、鶏などの肉を口にしなくなった、また1687年徳川綱吉が生類憐みの令を出し、1709年に廃止されまで料理本の出版物も控えられていたと記されています。その後も徳川吉宗が1718年に鶴、白鳥、雁、鴨が少なくなり食用にすることを禁止しました。しかし、菅(1995)が述べているように、1744年に水鳥荷物の検査所を設け水鳥問屋が売買するという幕府公認の仕組みが存在し、1842年問屋組合が停止されるまで続き、その後も第二次大戦以前まで農閑期の冬場に水鳥猟が続けられていました。それは、農家の閑散期の生活を支える意味と貴重な蛋白源として重用され東京などの大消費地へ供給されていました。(引用)当流節用料理大全.1978.江戸時代料理本集成3巻.pp12-260.臨川書店.菅 豊.1995.朝日百科日本の歴史別冊.通巻18号.p35-51.江間三恵子.2013.日本食生活学会誌.第23巻.第4号.p247-258.石田光史.2015.野鳥図鑑.p46.ナツメ社.(写真)2024年4月13日さいたま市、2017年4月16日習志野市秋津、2019年10月7日水元公園で撮影
2024.04.14
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羽衣が地味なアオアシシギは、見分ける敷居が高いと敬遠される方が多いそうです。フィールドで出会った際の参考になればと思い、画像とその特徴を整理しました。(1)幼羽一枚目の写真は、2018年9月8日に茨城県稲敷市で観察した個体です。上面は褐色味が強く白い羽縁があり、各羽は先端が尖り気味に見えるのが特徴です。(2)第一回冬羽二枚目の写真は、2019年10月21日に茨城県稲敷市で観察した個体です。肩羽は灰褐色で先端が丸みを帯び、白い羽縁があります。また、雨覆と三列風切の摩耗した褐色の幼羽が見えています。こうした点から第一回冬羽に部分換羽している個体とわかります。(3)成鳥夏羽が冬羽に換羽が進行中の個体三枚目の写真は、2017年8月20日に茨城県稲敷市で観察した個体です。黒斑のある肩羽が残り、灰褐色の白い羽縁のある冬羽が出てきています。換羽が進行すると、上面が一様に灰褐色となります。四枚目の写真は、2021年7月22日に茨城県稲敷市で観察した個体です。こちらも黒斑のある肩羽が残っており、灰褐色の白い羽縁のある冬羽が一部見受けられます。胸の黒褐色の縦斑が薄れてきています。
2024.09.08
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朝から青空が広がる絶好の観察日和。茨城県、千葉県の冬鳥飛来地を気の済むまで探索しようと出かけました。茨城県のオオヒシクイ越冬地を訪ねオオヒシクイ11羽、ハジロカイツブリ、ノスリ、ハイイロチュウヒ、チョウゲンボウ、タゲリの姿を観察できました。続いて訪ねたのが印旛沼近郊の水田地帯に羽をやすめるケリの飛来地。成鳥と幼鳥を観察できました。幼鳥は胸の帯はなく、上面の各羽縁が淡色でした。警戒心が強いので待機して少し前進し観察を繰り返し観察したのがアップした写真の個体です。最後に訪ねたのは、印西市のハクチョウ飛来地でした。例年でしたら15時頃には水田に降り立つのですが、今シーズンは16時頃にようやく初陣が登場し降り立つました。コハクチョウ、オオハクチョウ、コハクチョウの家族と一緒にマガン若鳥も水田に降り立ちました。マガンは、額の白色部のなく、腹部の黒班もほとんどない個体でした。外観は、2日に手賀沼沿岸で見かけた個体とよく似ていました。(写真)2026年1月5日撮影
2026.01.05
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そろそろ、シギ・チドリの春の渡りがスタートしますので、茨城県稲敷市の蓮田地帯まで足を伸ばしました。しかし、南西の強風が昼前が吹き始め、現地に到着した頃から前に進むのもままならないほど強風となりました。風が避けられる畦にはタシギなどが退避しているのがわかりましたが、あまりの強風のため現地を撤収。帰りがけ、風が収まりつつあったので印旛沼北部の水田地帯を探索。千葉ニュータウンから国道356号線にぬけるバイパス工事が行われているエリアの蓮田の一角にツルシギを発見しました。次の機会が楽しみです。なお、近似種のアカアシシギの画像を参考にアップします。ツルシギは下嘴だけが朱色なのに対してアカアシシギは嘴基部は上下ともに朱色です。また、ツルシギの下面は白色なのに対してアカアシシギの下面は縦班があります。ツルシギを観察しているときに上空を空飛ぶウミガメと呼ばれるエアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」が成田空港にむけて降下をはじめている姿を発見。ANAブルーにペイントされているので1号機とわかりました。(2号機は深緑(エメラルドグリーン)、3号機はオレンジ(サンセットオレンジ)と色が異なるデザインが採用)(写真)2020年3月22日撮影、三枚目以降は2018年、2019年撮影
2020.03.22
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4日三番瀬でズグロカモメを観察しました。鳥友よりユリカモメとの違いについて質問がありました。復習を兼ねて整理してみました。(三番瀬で観察したズグロカモメについて)三枚の写真をアップしました。一枚目、二枚目個体は成鳥夏羽で頭部は黒く、目のまわりは白く、初列風切は白と黒が交互にはいって見えました。嘴は黒く、ユリカモメに比べると短く見えました。なお、足は写真ではすべて写っていませんが赤みがかった黒色でした。三枚目の写真は、もう少し拡大したものを記録できればよかったのですが、冬羽個体です。頭部には淡い線が2本あり、耳羽の後方に黒斑がありました。嘴はユリカモメに比べて短く黒色でした。(ユリカモメについて)四枚目は印西市で2018年4月、五枚目は水元公園で2017年4月に撮影したものです。四枚目のユリカモメ成鳥夏羽は、頭部が黒く、嘴は少し赤みのある黒色、上面は青灰色です。五枚目の成鳥冬羽は、頭部は白く、目の上と耳羽の後方に灰黒色の斑があります。
2022.03.08
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昨日、本日と野田市と流山市の境界に水田地帯でチドリ科ケリを観察しました。鳥友からケリの雌雄の識別について質問をもらいました。ケリは、雌雄で体の色に違いはなく、小翼羽と呼ばれる翼の一部(*)のサイズが違うだけの差しかありません。(*)人間の親指にあたる羽に翼爪(翼に爪がはえている)があり、標本の測定値で雄 5.08±1.35 mm、雌 3.69±0.54 mm で、それだけ着目すれば識別が可能のように感じます。ただし、野外で小翼羽に隠れている翼爪を観察することはまず不可能です。しかし、繁殖期だけに現れる嘴基部の黄色の肉塊の大きさに違いがあり、大きい個体が雄、そうでない個体が雌との指摘をしてくださっている方がおいでになります。https://bell3.blog.jp/archives/37958439.html(写真)2022年12月9日撮影
2022.12.09
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米田(2015)は、タマシギの繁殖生態を調査した結果や知見を整理し報告しています。その中で、興味深いのが、「メスが何回かオスを変えて繁殖することは一妻多夫を裏付ける証拠と言えるのですが、オスも何回かメスを変えて繁殖するため、私は一妻多夫とは言えないのではないかと思っています。むしろ産卵前3~4日から産卵中の4日間はずっと番いで過ごすことからこの期間は厳密な一夫一妻制の繁殖生態をしている」と述べている点です。多くのウォッチャーは、タマシギ雌は体が大きく、目立つな色彩で大きな声で鳴き、オスは目立た色合いで抱卵や育雛などの子育てを行い、オスとメスの形態と習性の特徴が普通の鳥と逆になっているために、一妻多夫の変わった生態を持った鳥と理解されています。(タマシギのペアが一緒にいるのは1週間)米田(2015)は、調査した結果から、番いのオスとメスがどれくらいの時間一緒にいるかを整理し述べています。それによると、合計200時間の観察で、産卵を始める3~4日前から産卵期の前半まではいつもオスとメスが一緒に行動し、巣から離れる時も必ず連れ立って飛んでいき、後半になるとオスは巣に留まって抱卵をしますが、メスはどこかに飛んでいくことが多くなり、4個の卵を産み終えるとメスはその巣から離れてしまい、その後巣に戻ってくることはなく、オスは1羽だけでヒナが孵化するまでずっと抱卵を続け、オスとメスが一緒にいる期間は約1週間だけで、その後はバラバラになって暮していたことが判明したと記しています。(多くの図鑑のタマシギについての記述)多くの図鑑では、タマシギの雄は営巣から抱卵、子育てまでを担当し、多くの鳥類と雌雄の役割が逆転していると述べています。しかし、米田(2015)のように観察と調査結果から導かれた結論によって記載しているものはとても少ないのが現況です。(引用)米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥研ニュース2015年7月号.第4面-第5面.(写真)私のライブラリーより2023年2月都内で撮影
2023.06.24
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今月1日ヒメアマツバメが巣に入る光景を目撃したので様子を見に出かけました。巣には姿がないものの、巣の形は維持されているので近郊に餌探しに出かけているものと思われました。近くの商業施設ではツバメが巣に座り込み抱卵している姿を観察しました。雄が餌の捕獲で頻繁に飛び回り、その途中に池の縁の土を巣の補強用として運搬したり、大活躍でした。なお、複数のツバメのうち、1羽が下面に赤みのがある亜種アカハラツバメ似の個体でした。ただし、胸の黒帯が太いはずが亜種ツバメと差がないので、亜種ツバメと亜種アカハラツバメの交雑である可能性もあります。このほか、商業施設前の池では複数のバン、近くの調整池では水路にタシギ、水面にコガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモの姿がありました。(カモの観察メモ)・コガモ雌は、全体に褐色ががり、三列風切に橙褐色の斑が出ていましたので生殖羽です。・オカヨシガモ雌は三列風切が生殖羽のような三列風切に薄橙色の斑がなく非生殖羽です。・ハシビロガモ雌は脇の羽に丸みがあり橙色の嘴に小黒斑があり、非生殖羽です。・ヒドリガモ雌は、脇の羽に丸みがないこと、非生殖羽にある白色の羽縁が目立たないので幼羽が換羽中の個体と思われます。(写真)2024年4月22日撮影
2024.04.22
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幼鳥4羽が誕生し52日が経過しました。23日に林を訪ねた折、幼鳥4羽が営巣木を離れアブラゼミの捕獲をスタート。親鳥が餌を運搬してくる回数が減り、自分たちで狩りをせざるを得なくなりました。観察していると、4羽のフォーメーションが見事です。体の大きい2羽が上空を飛翔してきたセミを林の中に追い詰め、体の小さな幼鳥2羽が捕獲しています。捕獲した光景を見ていると、とったぞと木の幹に止まり誇らしげな表情を見せた後、セミの羽部分を解体し、胴体を食べるという段取りです。たまに失敗して頭だけ食べて地面に落下させてしまうことがあったり、いろいろな光景に遭遇します。アブラゼミはどんな栄養があるのかを調べてみると、脂質量、ミネラル分が多く、ナトリウム、マグネシウム、ケイ素、リン、カリウム、カルシウム、鉄分などを含むことがわかりました。栄養価で一番近いのが桜エビ(脂質4.0%)ですが、脂質は9.05%あるそうで、スナック菓子程度と思っていた私の不勉強さを反省。(写真)一枚目、二枚目2024年7月27日撮影セミを捕獲した光景、三枚目:2020年8月9日、四枚目・五枚目2010年7月25日、六枚目:2022年8月4日いずれも柏市内で撮影、セミの食痕、七枚目2022年7月20日、八枚目2023年7月25日柏市内で撮影
2024.07.27
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昨日、都内水元公園でホンセイインコの亜種ワカケホンセイインコを観察しました。国内での初記録と近年生息している個体群の情報などを文献で確認してみました。(国内初記録と生息地と食性)松永・藤井(2018)は、文献に報告されている知見を整理し報告しています。それによると、1969年に東京都で初記録され、北は新潟県の粟島から南は宮崎県のえびの市まで広がり、特に愛知県の名古屋市、大阪府、東京都などの都市周辺部では集団で生息していることが記録されたと述べています。その後は、東京都、神奈川県、埼玉県の1000 羽を超える個体群と千葉県、群馬県にそれぞれ100 羽に満たない個体群が生息しているのみと記しています。食性を明らかにするために一般者からの情報や調査によって蓄積してきたデータを取りまとめて、「花蜜、種子、果実、葉芽など一年を通して幅広く植物質の餌を採餌していることが分かった」と述べています。注目されるのは、「冬季は種子や果実などの栄養分が高い餌が乏しいこともあり、2 月に早咲きのカンヒザクラが開花するころには、局地的に分布するカンヒザクラの花蜜を求めて集中的に飛来する本種の情報が多く寄せられた」、「様々な種類のサクラの花が時期をずらしながら開花するが、本種はその開花の時期に合わせてサクラに集まっていること」「冬季にカキノキの実を食べている情報が寄せられていることからも、これらの残された果実も餌の少ない冬季を越せる要因になっている」と報告している点です。(ねぐらについて)松永・藤井(2018)は、ワカケホンセイインコのねぐらの環境に注目し、考察し報告しています。それによると、同じオウム目の鳥が集まっており、捕食者対策を行っていることが考えられた。ただし、捕食者カラスとねぐらを共にしていることもあったと述べています。(雌雄の識別)藤井(2011)がオスは頸に黒色とピンク色の輪がありのども黒い。通常この特徴はオスだけであるため雌雄の識別点となるが、幼鳥は頸の輪が見られないため,頸の輪が無いから雌であるという識別はできないと述べています。三枚目、四枚目の写真の個体は、頚の輪はないのですが、雌と決めかねています。(引用)藤井 幹.2011.ホンセイインコ.Bird Research News Vol.8 No.6.p4-5.松永聡美・藤井 幹.2018.東京都周辺における外来種ワカケホンセイインコの食性.FBN研究報 vol.5.p13-16.生物技術者連絡会(FBN).松永聡美・藤井 幹.2018.ワカケホンセイインコのねぐら環境の報告.日本鳥学会2018年大会ポスター発表.(写真)4枚目とも2025年1月27日撮影
2025.01.28
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鳥友から教えてもらった上州自慢の遊水地にヨシゴイを観察に出かけました。ガマやカヤツリグサに注目しているとすーとヨシゴイが舞い降りてくれるのが素晴らしいフィールドです。頭上が黒っぽく、前頚から胸にかけて黒い縦斑が数本あった成鳥雄、上面に縦斑があり、前頚から胸らかけて黒い縦斑があった若鳥雄と思われる個体を観察できました。抽水植物の茎につかまりながら忍者のように移動する姿、遊水地の隣りのある水田に降り立ち餌探しをしていた光景も観察できました。このほか、バン、オオバン、カイツブリ、オオヨシキリの姿も楽しめました。(写真)2025年6月6日撮影
2025.06.06
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お天気が不安定で、時折雨が降るとの予報でしたので、コンパクトに探索ができて雨宿りも可能なフィールドの舎人公園を訪ねました。広さ65haの公園のうち、東側エリアをメインに鳥たちの姿を探しました。(ツツドリとツミの姿を発見)花見広場と芝生広場の一角でツツドリ赤色型2羽、ツミ幼鳥3羽を発見しました。ツツドリは、上面の地が赤褐色で、胸の縞模様は太いこと、下尾筒に横斑がありました。しかし、カラスに追尾されて林の一角の木の中に退避してきたので、撮影はかなわず。(カルガモとマガモの交雑個体)大池では、カルガモ9羽、カルガモとマガモの交雑個体12羽の姿がありました。上面が暗褐色で下尾筒の色などはカルガモの特徴がありますが、嘴は黄色で過眼線はうっすらで過眼線はカルガモに比べて細い個体、体全体が白っぽく、頭央線が薄く太い眉斑がない個体など実にいろいろな個体と出会いました。マガモとカルガモの交雑は、形態や生態が似ているおり、たやすく交雑すると言われています。外見が親鳥のどちらかと似ていたり、あるいは中間的な特徴を持っていたりします。(その他、観察できた鳥たち)頬から後頭部が赤褐色のカイツブリ夏羽、ツツドリ、ツミ幼鳥を追尾していたハシブトガラス、地面でひたすら餌探しに余念のなかったハシボソガラスの群れを観察しました。(これから秋、楽しみな出会い)これから10月にかけて、小鳥たちが立ち寄っていくと思います。次の訪問が楽しみです。(写真)2025年9月13日撮影
2025.09.13
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一昨日、柏市内柏の葉公園を訪ねた折、モミジバフウの実をついばむエナガ、メジロ、カワラヒワといった鳥たちをリポートしました。モミジバフウについて関心をもっていただけた方から質問をもらいました。丸いボンボンのようなものは雌雄どちらか、種はどんな状態になったら鳥たちが食べられる状態になるのかといったところでした。まるいポンポンのようなものは小さな雄花の集まりです。写真には記録できていませんが、雌花は小さく丸く集まっています。果実は硬いトゲトゲボールのようなかたちで、 完熟するとすき間から翼のついた小さなタネがこぼれ、 風に乗ってあちこち運ばれていくと聞いています。アップした写真は、柏の葉公園(2021年12月10日)と野田市清水公園(2021年12月1日)でアトリと出会った時のものです。モミジバフウの実は、熟すとすき間から種がこぼれる状態になるのでこれをアトリがついばんでいました。カエデの仲間の種子を食べる鳥には、アトリ、シメ、イカル、シジュウカラ、ヤマガラ、キクイタダキ、ヒガラなどが知られていますので今後も注目したいと思います。(参考:モミジバフウについて)清水公園が所在する野田市がホームページで概要を紹介しています。それによると、葉は手のひら状に切れ込みモミジ (カエデの仲間) そっくりな形をしています。 晩秋に紅葉する点もよく似ており、モミジバフウの葉が互い違いにつくのに対し、 カエデの仲間は向かい合わせにつきます。楓 (木へんに風) という漢字は、 フウと読み、 もともとはフウという名前の木を表した漢字でした。 https://www.city.noda.chiba.jp/shisei/1016739/1016740/kusakoho/
2023.11.26
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そろそろ、キビタキが子育てのため日本に渡ってくる時期となります。キビタキというと艶やかな喉の黄色と頭部から体上面の黒色が特徴の雄を思い浮かべる方が多いと思います。ところが、体上面がオリーブ褐色の雌は、林の中から姿を現すのが少ないので観察するとさて種類はと悩む方が多い気がします。その識別のポイントを整理してみました。(お腹の色と喉の色)まず確かめたいのが、お腹が白く、喉が薄黄色味を帯びているかです。同じような環境で出会うオオルリはお腹の下まで淡い褐色です。(背中の色)キビタキ雌は背はオリーブ色をしています。オオルリでは背はグレーがかった茶色です。(喉の下の色)キビタキ雌は喉の下はまだら模様です。オオルリでは喉の下に白い線が見えます。(参照)五百沢日丸.2000.日本の鳥550山野の鳥.p228-229.文一総合出版.(写真)2018年10月13日、14日、2019年10月6日柏市内で撮影
2024.04.05
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二週間ぶりに柏の葉キャンパス駅近郊の調整池と周辺を探索しました。今日はツバメとイワツバメの動きの観察に重点を置いて観察をしました。イワツバメは、調整池の斜面と遊歩道で巣材の泥と枯草を採取する姿を目撃しました。採取するとすぐに北西方向に渡去しますが、造巣している場所は把握できていません。(ツバメとイワツバメの巣材の違い)ツバメとイワツバメの巣に使われている材料は、泥と枯草ですが、泥はツバメは水分を多く含んだ泥を採取するのがほとんどですが、イワツバメは水分を含んだ泥にくわえて乾いた泥を採取しているのを観察しました。イワツバメは、巣内側に敷物として蘚苔、枯草の茎、少量の枯葉、羽毛、毛,、草の根などを使っている資料を閲覧したことがあります。目撃した乾いた泥は巣の内側に使用しているひとつと思われます。(ツバメの造巣状況)昨シーズンは3箇所の巣が作られ、雛16羽が誕生し7月下旬に無事巣立ちました。抱卵は16日前後、育雛は27日前後とされていますから、昨年の産卵は5月下旬、6月が育雛と推定されます。これに対して今シーズンは巣はまだ1箇所のみで抱卵中が観察されるのみです。(夏鳥の観察情報)・商業施設前の調整池で、カイツブリの親子の姿、巣に出入りするバンを見かけました。カイツブリは、成長した3羽の姿がありましたが、その羽毛の状態は、成鳥の羽毛に近い状態の個体から幼羽がかなり残っている個体までいろいろです。・例年、飛翔している姿を見かけるヒメアマツバメは姿を目撃できませんでした。・草地上空ではホバリングしていたチョウケゲンボウの姿を目撃・・国道をはさんで反対側の調整池は草丈が高く、ダイサギ、アオサギの姿を観察したのみ(写真)2025年5月27日撮影
2025.05.27
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5月以降、高原や北日本で見られるモズは、色の淡い高原型モズと呼ばれます。羽縁の摩耗と退色によって全体に灰色味が強いのが特徴です。従来は、高原モズは、繁殖の終わった後に高地へ移動した個体と説明されていました。(高原で観察した高原型モズ)一枚目の写真は、日光市戦場ヶ原で2015年7月13日に観察した高原型モズです。上面の灰色味が目立ち、過眼線が褐色で、高原型モズ雌個体と思われました。(平地で観察した高原型モズ)2021年4月11日柏市手賀沼沿岸、同年6月30日にさいたま市彩湖で高原型モズを観察しました。彩湖で観察した個体は、頭から上面の灰色味が強く、過眼線が黒くて下面に鱗模様はないので高原型モズ雄個体、手賀沼沿岸で観察した個体も上面の灰色味が目立ち、過眼線が黒いので高原型モズ雄個体と思われました。(西日本のモズは渡り型と留鳥型のふたつが存在)日本鳥学会2021年度大会で「高原モズのGPS 渡り追跡から探る部分渡り性の進化」と題する講演で西日本のモズの渡り性について調査結果が報告されました。内容は、「2019年9月から2020 年4 月にかけて大阪で越冬・繁殖のためになわばり形成したモズの雄11 個体にGPS ロガーを装着し、2020 年12 月に5 個体を再捕獲できた。そのうち2 個体のロガーから3 か月以上の移動データを抽出できた」「1個体は大阪府での繁殖後に岐阜県へ渡った「渡り(漂鳥)型」だったが、もう1 個体は大阪に留まった「留鳥型」であった」というものでした。大阪のモズは「渡り型と留鳥型が同所的に越冬・繁殖する」という形式の「部分渡り性」であるという世界初の報告でした。渡り型と留鳥型が異所的に繁殖(もしくは越冬)するとされてきた見解を覆すものとなりました。(関東では渡り型と留鳥型のモズが存在するか)前記で報告したように、2021年4月、6月に千葉県柏市、埼玉県さいたま市で高原型モズを観察しました。身近な環境に姿がないか注目しています。(引用)青木大輔・西田有佑・髙木昌興.2021.日本鳥学会2021年度大会講演要旨集p59.
2025.06.25
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新年、はじめて西白井駅から10分ほどのところにある七次調整池(通称:清水口調整池)を訪ねました。1993年以来オオハクチョウが飛来するようになり、市民のみなさんによる保護活動が行われています。オオハクチョウ飛来の南限の飛来として知られています。今朝の水面には、オオハクチョウ51羽(幼鳥5羽)、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カイツブリ、池の近くの草地にアオジの姿がありました。(オオハクチョウの採餌行動)オオハクチョウは、水面下にあるマコモなどを採食することが知られています。その様子を観察していると、水面に逆立ちして水中採食している姿を目撃しました。地下茎をついばんでいるものと思われましたが、地下茎のおいしい部分に到達するまで邪魔になっている茎を水面に嘴で引き上げた後、横に移動させ再び潜水。そのスタイルで地下茎をついばんでいたのは、51羽中2羽で、オナガガモが羽を休めている岸辺近くの浅い水位のエリアに限られていました。オオハクチョウの採食は地上で地下茎をついばむ地上採食、水面や水中で採食する水面・水中採食、水面や岸辺にある地下茎を採食するといったスタイルが知られています。人からの給餌に頼っているのかと思ったら、地下茎を採食できる環境がまだ残されていることがわかりました。(写真)2026年1月15日撮影
2026.01.15
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鳥友から東京湾沿岸にサルハマシギが飛来したとニュースをもらいました。頭から胸にかけてバフ色で上面が褐色味があったとのことですから冬鳥または幼鳥個体と思われます。朝から荒天となり観察がかないませんが、サルハマシギの撮影画像を復習していました。(サルハマシギと類似種ハマシギ)サルハマシギとハマシギは、上面が灰褐色で下面が白い冬羽、第一回冬羽では識別が難しいといわれます。嘴が長くて下方に湾曲しているなど、似ている印象がありますが、嘴の形状の違い、足の長さに着目して観察することをおすすめします。(1)嘴の形状についてサルハマシギの嘴はハマシギよりも緩やかに湾曲し、先端が細いのが特徴です。(2)嘴峰長について(*)(嘴の先端から基部の長さ)サルハマシギの嘴峰長は43-38mm、平均41mm、ハマシギは42-31mm、平均31mmです。(*)榎本佳樹.日本産鳥類測定表.野鳥便覧下巻.pp170野外で観察していると、ハマシギと同じ程度の嘴の長さの個体も見かけますから、目安のひとつです。(3)餌の取り方の違い観察していると、サルハマシギはハマシギに比べて嘴を細かく動かす傾向があるように思います。(写真)サルハマシギ、1枚目、2枚目:2014年4月29日習志野市、3枚目:2014年5月4日習志野市、いずれも第一回冬羽ハマシギ、4枚目:第一回冬羽、2014年9月14日船橋市、5枚目:第一回冬羽、2024年9月20日茨城県で観察・撮影
2026.04.10
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茨城県の広大な蓮田エリアにシギチドリの姿を探索しに出かけました。(ツルシギの劇的変化)今月8日に観察したツルシギの羽衣やオジロトウネンの羽衣の変化を楽しみでその姿を探しました。ツルシギは蓮田の一角に姿があり全身黒色で背と翼に白斑が点在する夏羽に変化していました。8日に出会った個体の画像を参考としてアップしておきます。(ツルシギの換羽は頭部から上面、下面が黒くなり、その後真っ黒となります)(オジロトウネンの羽衣)蓮田の一角に7羽の姿を見つけました。うち1羽は撮影はかなわなかったものの、頭・胸・上面が灰褐色で、赤褐色と黒色の斑のある夏羽でした。このほか雨覆・三列風切の褐色で黄橙色の羽縁が出ていた成鳥夏羽に換羽中の個体、上面が灰色味が強く風切・雨覆が褐色の夏羽に換羽中の個体を観察しました。目立つ羽衣ではありませんが、1羽ずつ見ていくと微妙に違いがあるのもオジロトウネン観察の醍醐味です。(その他)ツルシギ、オジロトウネン以外では、セイタカシギ、上空を移動していたムナグロ20羽強、イソシギ、婚姻色となっていたアオサギ、ダイサギの姿を観察できました。(写真)2026年4月26日撮影
2026.04.26
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サンショウクイ科サンショウクイとリュウキュウサンショウクイは、サンショウクイが夏鳥として主に本州から九州で繁殖している種類、リュウキュウサンショウクイは南西諸島で繁殖し、九州南部等でもまれに繁殖、越冬している種類です。ところが、2012年以降、もともと南方系の亜種リュウキュウサンショウクイが越冬期に大阪府、静岡県、神奈川県で観察されてその後、都内水元公園でも2020年前後から姿が目撃されています。越冬してきた個体がそのまま繁殖にいたる可能性も考えられることから動向が注目されています。(1)全国的な分布傾向奴賀・森本(2022)は全国規模で行っている陸生鳥類調査の結果を報告しています。報告では「近年,亜種リュウキュウサンショウクイは分布が拡大傾向にある(中略)亜種リュウキュウサンショウクイの過去6年間(2016~2020年)の出現率は増加傾向にあり、2018年度以降は10%前後で推移しています。2019年度までは,沖縄県,九州,四国での確認でしたが、2020年以降は,関西,関東でも記録され、2016~2021年度で記録のある都道府県は,沖縄,鹿児島,熊本,宮崎,佐賀,福岡,徳島,高知,愛媛,岡山,大阪,和歌山,三重,東京です」と報告しています。(2)西日本における分布拡大三上・植田(2011)はアンケートや文献調査から,亜種リュウキュウサンショウクイの西日本における分布拡大状況を把握し「1970 年前後には既に九州南部に生息し,繁殖していた。1980 年代後半から 90 年代後半にかけて九州南部から北部へと確認地点が増加したが、福岡よりも早く四国で確認され、2000 年代には高知,広島,奈良などで記録されるようになった」と報告しています。(3)リュウキュウサンショウクイの関東地方における動向現時点では、関東地方での繁殖は認められていないものの、営巣しようとした事例も耳にします。越冬したリュウキュウサンショウクイがそのまま繁殖する可能性も捨てきれないことから注目されています。関東地方各県ではじめて観察された記録を整理してみると、つぎのとおりです。(なお、茨城県は確認できず)(1)神奈川県八木(2020)の報告では、2012年12月に松田町、2015年 3月に秦野市で観察したと記されています。(2)東京都(ユリカモメ No.749 2018.3)ゆりかもめ(2018)に2017年1月11日に都立野川公園の小金井市内、同公園で同年2月17日に観察記録があると記されています。(3)埼玉県(そうかいきものだより 2020年2月 p6草加市(2020)に2019年11月2日、そうか公園で観察されていると記されています。(4)千葉県(千葉県立中央博物館 しいむじな p2.2018年5月26日に鴨川市清澄寺で観察されたと記されています。(5)群馬県(群馬県立自然史博物館研究報告(29):124)深井(2025)2021年1月8日に高崎市寺尾町で観察されていると記されています。(6)栃木県(日本野鳥の会栃木県支部の調査研究報告書(Accipiter Volume 24)2019年11月4日および6日宇都宮市内で観察されたと記されています。(2)リュウキュウサンショウクイとサンショウクイの識別についてa.声による識別三上・植田(2016)が鳴き声を解析した結果を報告しており、その中で「言葉で表現すると「尻上がり調子なら亜種サンショウクイ,フラットか尻下がり調子なら亜種リュウキュウサンショウクイ」といえるだろう」と報告しています。b.観察での識別五百沢(2000)は、リュウキュウサンショウクイについて「胸が黒っぽい、正面の灰色が濃く、黒味を帯びる、額の白色部は狭いなどの点でサンショウクイと異なる」と報告しています。永井(2014)は、リュウキュウサンショウクイ雄は額の白色部はわずかで、サンショウクイ雄との識別点であり、上面は黒灰色、下面は黒味のあるものが一般的だが白い個体もいる。雌は頭が黒灰色で上面はサンショウクイに似るがより暗色、胸や脇に黒色味があると記しています。(引用)ゆりかもめ.2018.日本野鳥の会 東京支部報.第749号.しいむじな.2018.千葉県立中央博物館 ニュースレターしいむじな.p2.平野敏明・戸室由美.2019.日本野鳥の会 栃木県支部研究報告書Accipiter.第24巻.五百沢日丸.2000.日本の鳥550山野の鳥.p142.文一総合出版.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑.670.p78.文一総合出版.八木 茂.2020.神奈川県秦野市におけるリュウキュウサンショウクイの造巣から巣立ちまでの観察.日本野鳥の会神奈川支部研究年報 BINOS vol.27.p1-10.草加市.2020.そうかいきものだより.2020年2月号.p6.(写真)1枚目、2枚目:2024年1月3日都内で観察・撮影、3枚目、4枚目:2025年5月22日長野県で観察・撮影
2026.04.27
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橙色の喉とヒコリと一声出した後に長い節で囀るキビタキは、夏鳥の代表で、5月上旬にかけて飛来します。その囀りを聞くと初夏の訪れを実感します。雄成鳥と雄第一回夏羽の羽衣の違いし、齢と攻撃性、雄と雌の採餌行動に関するの報告の一部を紹介します。(雄成鳥と雄第一回夏羽)キビタキ成鳥は喉は橙色、眉斑、胸から腹、腰は黄色であるのに対して、キビタキ雄第一回夏羽(*)は喉の橙色は淡く全体的に淡く後頭と翼に褐色部がある点で異なります。また、光彩の色の変化について、岡久ほか(2011)がキビタキの羽衣の経年変化を調査し報告しています。報告では「虹彩の色は雄の齢によって有意に異なっていた(中略)第1回夏羽では全ての個体が灰色みを帯びた灰褐色の虹彩であった。また、第1回夏羽では全ての個体が褐色の虹彩をしていた。さらに第3回夏羽以降では強い赤みを帯びた赤褐色の個体が認められ一部は赤みの弱い褐色の個体があった」と述べています。(*)キビタキの雄では体羽が換羽し、初夏に見かけるあの鮮やかな色彩になります。初夏に見かける前年に生まれた鳥は第一回夏羽と表現されます。(齢による攻撃性)岡久(2015)が「越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあることが分かってきた。若い個体にとって黒い羽を身にまとう事は換羽のためのエネルギー消費とった不利益がある(中略)褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く、激しいオス間闘争を回避する傾向にある」と述べています。(キビタキの採餌行動での性差)岡久ほか(2012)は、山梨県で行ったキビタキについての調査結果を整理し報告しています。報告には「繁殖期におけるキビタキの採餌高は雌雄で異なり、かつ、植生に応じて性差の傾向が変化する」「キビタキの雄は植生に関わらず樹冠下部で囀り、なわばりの防衛のためにソングポストに留まっていた」、雌では「常緑針葉樹林では落葉広葉樹林より高い場所で採餌を行った」と記されています。つまり、雌は雄に比べて柔軟に環境に対応しているということになります。(引用)岡久雄二・小西広視・高木憲太郎・森本 元.2011.キビタキの雄の齢査定法の検討.鳥類標識誌第23巻.p12-18.岡久雄二1・森本 元・高木憲太郎.2012.キビタキFicedula narcissina の採餌行動の性差.日本鳥学会誌第61巻.p91-99.岡久雄二.2015.キビタキ Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.(写真)雄成鳥、1枚目:2024年4月18日都内、2枚目:2019年6月1日栃木県奥日光、雄第一回夏羽、3枚目:2015年5月23日栃木県奥日光、4枚目:2024年4月18日都内で観察・撮影
2026.05.01
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チドリ科のシロチドリとコチドリは水田、干潟で毎回のように出会っています。しかし、記録画像を復習してみると、所蔵のものが少ないことにびっくり。なんだ~シロチドリか、コチドリかと見過ごしていたものと反省しています。シロチドリは、前面から見ると胸の帯はつながっていない個体がほとんどです。しかし、ときに微かに胸の帯がつながっている個体も見かけることがあります。アップした画像は、2012年1月に茨城県平磯海岸で観察した個体と2016年8月に船橋市三番瀬で撮影した個体です。前者は冬羽、後者は足が長く胸の帯はつながっておらず、後頸で白色がつながっていたなどの特徴から第一回冬羽と思われました。コチドリは、2枚とも河内町古河林で2012年夏に撮影した個体です。前者は黄色のアイリング、比較的細い嘴、胸の黒帯が前面でつながっていて成鳥夏羽、後者は胸には褐色色の帯があり、アイリングは目立たない、羽縁がバフ色で翼が鱗模様のように見える点から若鳥と思われます。
2019.08.15
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昨日、都内水元公園でマミチャジナイに出会いました。秋には、ツグミやアカハラと一緒に行動することも多いような気がします。私の識別力向上のため、マミチャジナイとアカハラを比較し復習してみました。一枚目から三枚目昨日出会ったマミチャジナイです。大雨覆先端にバフ色の白色の斑があり、頭部に褐色味があったことから雄の第一回夏羽が冬羽に換羽している個体ではと思いました。四枚目、五枚目はアカハラです。頭に丸みがあり黒色味も強いことから雄個体と思います。ミマチャジナイでは、嘴基部から目の下にかけて白斑がありますが、アカハラにはないこと、アカハラには眉斑がないなどが違いになると思います。
2019.10.08
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鳥友からコサギの飾り羽について質問を受けました。コサギの羽毛について整理しました。参考となれば幸いです。繁殖期のコサギには頭部に2本程度の飾り羽と胸や背に飾り羽がのびています。独身の雄が背と胸につけている蓑毛(繁殖羽)をディスプレーのときに広げてのダンスお見事です。なお、非繁殖期で灰黄色だった嘴基部が赤色に変化し婚姻色と呼ばれます。(飾り羽について)飾り羽は正羽と呼ばれるもので、1本の軸を中心に膜のように広がる羽毛です。これに対してダウンのような軸がない羽毛は綿羽と呼ばれます。(羽毛の種類)コサギの羽毛は正羽、綿羽、半綿羽(半正羽)、粉綿羽、糸状羽、剛毛羽の6種類から構成されています。正羽は,羽弁,羽軸,羽軸根(羽柄)で構成され、羽には分岐構造がある点で動物の毛髪と異なります。(写真)一枚目:飾り羽が長いコサギ、2022年3月21日谷津干潟二枚目:蓑毛と嘴基部がピンク色の婚姻色となったコサギ、2015年5月31日越谷市三枚目:上から見た蓑毛、2021年5月23日土浦市四枚目:後方から見た蓑毛、2021年5月23日土浦市五枚目:正面から見た蓑毛、2022年2月19日柏市六枚目:横方向から見たコサギ、2016年7月12日葛西臨海公園
2022.04.10
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久しぶりに青空が広がり、風もないのでホームグランド手賀沼沿岸の猛禽類を探索しに出かけました。広大な水田地帯ではコチョウゲンボウ、ノスリ、チョウゲンボウ、トビの姿があり、それぞれが餌を採食している光景を見かけました。このほか、コブハクチョウが多数集まっているエリアにコハクチョウ2羽、手賀沼で標識を装着された2羽のコブハクチョウの姿を見かけました。葦原ではオオジュリンがチュィーンと鳴き声を披露したり、ふっくりしたツグミが休んでいたり、モズが遊歩道近くの木に飛来したり、縄張りの中を何度も移動するカワセミの姿がありました。なお、年明けまで滞在していたアカガシラサギの姿は確認できずでした。(写真)2023年1月20日
2023.01.20
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オオヨシキリの飛来がどうかと思い、手賀沼沿岸の遊歩道を探索しました。9時から11時の間で囀りを聞いたのは2個体のみでした。オオヨシキリについては、西海(2007)が「早く渡来したオスはアシ原の植生密度が高い場所を好んでアシの穂先やヤナギなどの高所で盛んにさえずってなわばりを確保する。最初のメス(第一雌)がなわばり内に入るとオスはさえずりをやめ、メイトガードを行なう。第一雌が産卵を始めるころ(初卵日の前後3日間)にメイトガードをやめて再度さえずり始め第二雌を誘引する」と述べており、囀りが活発になるのは複数回あることを示唆しています。ところが、大山(1992)が1991年5月から7月の行った囀っていた個体数と囀り個体数と姿のみを確認した個体数に関する調査結果では、手賀沼では囀りのピークは6月11日の1回だったと報告しています。これに対して長野県での観察記録では囀りのピークは5月中旬で、手賀沼の場合は一ヶ月遅れているとの結果だったと記しています。その要因については、つがい形成時期にばらつきがあるとしていますが、限られた葦原しかない手賀沼沿岸では第ニ雌が第一雌の巣から離れた場所に巣をつくりずらくそうしたことも要因のひとつではないかと私は考えています。(引用)大山紀子.1992.オオヨシキリのさえずり個体数の季節変化.我孫子市鳥の博物館研究報告.第1巻.p5-7.西海功.2007.オオヨシキリ.Bird Research News Vol.4 No.8.p4-5.(写真)私のライブラリーものを使用2022年5月20日、同年5月28日、同年7月7日いずれも手賀沼で撮影
2023.05.02
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今朝、公園を探索していたら、2羽のハシブトガラスが木陰で長時間休んでいる姿を目撃しました。過日もハシボソガラスが地面に横ばいになっている姿を見ていたお子さんがカラスが死んでると教えてもらいました。でも、覗き込み撮影をしていたらすぐに立ち上がり生きているよとばかりに鳴き声をあげてくれました。獣医師の鳥友に聞くと、鳥類の体温は一般に40~42度の範囲で、多くの哺乳類より数度高いのだそうです。体温が高いのは、新陳代謝を促進させて空を飛ぶという激しい運動に伴う大きなエネルギーを得るためなのだそうです。自動車に例えると直ちに高速回転できるように常時アイドリング状態を保つ役割なのだそうです。鳥類は、パンティング(あえぎ呼吸)で熱を蒸発させるので口をあけて浅く早い呼吸を行い、気道からの蒸発を活発して熱の発散を行っているのだと教えてもらいました。なお、パンティング以外にも体温を下げるさまざまな機構があり、羽毛におおわれていない足の表面温度はぐっと低く、コウノトリの場合、体温40度に対して足は15度程度で足は放熱に重要な役割を果たしているのだそうです。(写真)2023年7月28日、7月17日撮影
2023.07.28
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秋の渡りの時期、カッコウ科の鳥類が公園、霊園などに立ち寄る姿を見かけます。識別ポイントは、鳴き声、大きさ、上面の色、体下面の横斑、下尾筒の色と横斑、初列風切の横斑、虹彩の色です。(1)腹の横斑カッコウ科のジュウイチ、カッコウ、ツツドリ、ホトトギスのうち、腹の白地に黒色横斑があるのはカッコウ、ツツドリ、ホトトギスです。カッコウの黒色横斑は細い11~13本、ツツドリは間隔の広い太めの横斑が9~11本、ホトトギスは太めで間隔のある黒色横斑が7~9本です。なお、ジュウイチには横斑はありません。なお、カッコウは後頭に白斑があります。一枚目の写真は昨日八柱で観察したツツドリ、二枚目の写真は2022年9月7日に都内で観察・撮影したツツドリです。三枚目、四枚目は2017年9月2日野田市で観察・撮影したカッコウです。(2)下尾筒の横斑と色下尾筒に注目してみると、ジュウイチ、ホトトギスには横斑は見えず、カッコウ、ツツドリには黒色横斑があります。また、カッコウでは白地に細かい黒色横斑、ツツドリでは淡いバフ色にはっきりとした黒色横斑があります。一枚目も二枚目のツツドリと三枚目、四枚目のカッコウを比較してみると、違いがおわかりいただけるものと思います。
2023.09.06
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11日に渡良瀬近郊で観察したアオバズクについて鳥友から質問をもらいました。あるwebページにアオバズクの雄には喉袋があるので鳴くが、雌には喉袋がないので鳴かないと記されていた。鳥類の発声の仕組みから考えると妥当なのかとの内容でした。(鳥類の発声機構)小西(1994)が小鳥の発声器は肺から出た二本の気管支炎が気管につながる鳴管という部分にあります。鳴管は気管支炎の上端と気管の下端の骨環を含んだ部分からなっており、音の発生源は鼓形膜という一対の膜です。(アオバズクの鳴き声)11日に観察したアオバズクは、嘴から喉の下あたりの部分を膨らませて鳴き声を出していました。鳥類の喉袋は、下嘴の付け根から首にかけて皮膚が露出している部位のことなので、喉袋があるから鳴くのではないと思います。小西(1994)が米国の研究者の気管や気管支炎の中の空気の流れを実験した内容を紹介しています。それによると、鳥の肺の中にある気嚢の中に蓄えた空気を気管支炎に流して鳴いていることが判明したと記されています。この点から、気管支炎に空気が流れている時にアオバズクの喉周辺が膨らんだと考えるのが妥当と思っています。(雌雄の鳴き声)ホッホッとの鳴き声は雄のみなのか、夜行性がゆえに検証できておらず、今後の宿題です。(アオバズク雌が喉を膨らます)青木(1991)が雄が雌に求愛給餌で雌が餌を受け取る際に喉を膨らませ餌をとることを紹介しています。(引用)青木 進.1991.青葉の頃、日本を訪ねる アオバズク.朝日百科 動物たちの地球.25号..p14小西正一.1994.小鳥はなぜ歌うのか.p117-126.(写真)2024年5月11日渡良瀬近郊で撮影鳴き声を出した時、アオバズクが少し上方向を向き、鳴き始め2枚目の写真の時が一番大きな声が出ていました。
2024.05.13
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今年も柏市と松戸市の境界にある公園の一角にサシバが立ち寄っているのを発見しました。先月28日にオフィスの近郊の公園でサシバが西方向に飛翔する姿を目撃していたのでここぞと思うポイントをたどってきたら2021年9月からサシバが一時滞在する公園にたどり着きました。公園は、台地から斜面にむけてシラカシ、シロダモ、スダジイなどの常緑広葉樹林、東側にヒノキ、シラカシ、イヌタデ等の針広混交林、竹林などが見られる環境です。そして湿地と池があり、カエル、トカゲ、昆虫などの姿を見かけます。これらをサシバは滞在中に捕食しています。写真は、一枚目、二枚目が今朝観察した胸の斑状の模様が目立つ成鳥雌個体です。三枚目、四枚目は公園の風景を記録したもので、三枚目は台地から湿地を見たもの、四枚目は小さな池の光景です。千葉県北西部には、いくつかサシバの秋の渡りのルートと言われているポイントがあります。茨城県筑波山から坂東市菅生沼、野田市・流山市周辺を通過し内陸部を通過するルート、茨城県から印旛沼上空を通過し東京湾経由でのルートの2つです。柏市と松戸市の境界にある公園は、前者のコースで移動してきた可能性が考えられます。どこから来て、どこへ向かうのかは不明ですが、サシバの壮大な渡りに合流するのでしょう。(写真)2024年9月7日
2024.09.07
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3日谷津干潟でアカアシシギ幼鳥個体を観察しました。観察していて誤認しやすいツルシギ幼鳥との比較をしてみました。(嘴に注目)多くの図鑑で識別の決定打と解説しているのが、下嘴だけが朱色(ツルシギ)、嘴基上下が朱色(アカアシシギ)なのかという点です。ただし、アカアシシギは嘴基部の色が観察する角度でわかりにくさがあります。二枚目の写真では一枚目と同一個体ですが、朱色がかるという印象です。写真一枚目、二枚目が3日に谷津で観察したアカアシシギ、三枚目、四枚目が稲敷市で2018年10月に観察したツルシギです。(上面の特徴)アカアシシギは上面が褐色で羽縁が白色に見えます。対してツルシギの上面は暗褐色で小さな白斑があります。(体下面と顔、胸について)アカアシシギの下面は白く、胸に褐色の縦斑があります。対するツルシギは、灰褐色で褐色の斑が多くあり、全体的にアカアシシギより暗く見えます。写真五枚目は3日に観察したアカアシシギ、六枚目は2019年9月15日に稲敷市で観察したツルシギです。(眉斑の白色)アカアシシギ冬羽は眉斑の白色が目先で止ります。対するツルシギは目の後方まで伸びます。二枚目と六枚目の写真をご覧ください。(足の色)アカアシシギもツルシギも足の色はいずれも朱色から赤色に見えます。足の色だけでアカアシシギかツルシギかを識別するのは注意が必要です。
2024.10.05
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埼玉県の鳥友からヒバリの初鳴き日の推移について質問をもらいました。研究報告で埼玉県松伏町でのヒバリの初鳴き日は2月の気温が高いほど鳴き始めるのが早くなっているとの内容を目にしたので、隣接する千葉県ではどうかとのことでした。(松伏町でのヒバリの初鳴き)尾上(2020)は、埼玉県松伏町松伏総合公園を中心に調査を行い、2015年からの5年ないし6年間の鳥の初鳴きや渡り鳥の初観測日の推移を気温と比較し報告しています。初鳴日は、2015年2/28、2016年2/6、2017年2/4、2018年3/3、2019年2/4、2020年2/14だったと記しています。さらに、「ツバメ初見日、ヒバリ初鳴日、モズ初鳴日は5年ないし6年間で早期化する傾向が認められ(中略)年平均気温は5年間で上昇傾向がみられた」「年間のヒバリの初鳴日と2月の平均気温には強い負の相関が認められる。このことから、2月の平均気温が高いほどヒバリが鳴き始めるのが早くなっている」と述べています。(千葉県北西部の手賀沼とその周辺地域でのヒバリの初鳴き日)2001年から2024年のヒバリの初鳴き日を整理すると、つぎの通りです。2001/2/11(1)、2002/2/10(1)、2003/2/10(1)、2004/2/11(1)、2005/3/13(1)、2006/2/11(1)、2007/1/4(1)、2008/3/9(1)、2009/2/22(3)、2010/2/21(1)、2011/3/20(2)、2012/3/14(1)、2013/2/10(2)、2014/4/20(1)、2015/2/22(1)、2016/1/1(2)、2017/5/4(2)、2018/3/12(2)、2019/5/11(2)、2020/2/24(1)、2021/3/1(1)、2022/2/26(1)、2023/2/28(1)、2024/2/26(1)日付に注目してみると、最も早い年は2016年1/1で、最も遅かったのは2019/5/11でした。次に月に注目してみると、1月2件、2月13件、3月6件、4月1件、5月2件でした。(埼玉県松伏町と千葉県北西部でのヒバリの初鳴き日の違い)ヒバリは、佐々木(2008)が報告しているように、草原、麦畑、桑畑、河原などに多く、樹林地を避け、建築物も忌避すると考えられています。松伏町総合公園は、建築物はごく僅かで、面積26.5haのうち、広場ゾーン(疎林広場、芝生広場、野原)が6.5haでヒバリの生息適地となっているものと思われます。これに対して、千葉県北西部の手賀沼とその周辺地域では、樹林地や建築物の割合も多いことからヒバリの生息適地が分断されていることや草丈の高い環境などが相まって初鳴き日が遅いのではないかと思います。(引用)尾上 愛実.2020.気温変化が野鳥に与える影響.中央大学第20回高校生地球環境論文賞報告.pp7.(写真)2015年6月6日、2011年6月12日いずれも手賀沼沿岸で撮影
2025.03.01
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東京郊外でツミが繁殖するようになったのは、2000年代に入ってからです。雄の虹彩が赤色であることが鳥見人の間で共有されるようになりましたが、それ以前はベテランになればなるほど雄の虹彩は黄色と図鑑に絵が掲載されていたので黄色と思っていたとお話しを聞かされたものでした。(ツミ雄の虹彩の色について)所蔵の図鑑類を見返してみると、清棲(1952)の解説とイラストが記されていました。本文の解説には雄の虹彩は「黄色」図版には雄の虹彩は黄色、雌の虹彩も黄色で描かれています。また、高野(1985)は、「従来の図鑑では雄の目も黄色となっているが、少なくても繁殖期の雄は赤い」と報告しています。ツミの虹彩の色をめぐり、松田道生さんがブログに次のように報告しています。(http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/11/post-286a.html)「大図鑑を調べて見ました。『黒田図鑑』(1933-1934)には、雌雄と幼鳥が描かれていますが黄色です。『山階図鑑』(1934、1941)にはイラストはありませんが、記述で雌雄の区別はされてなく「虹彩はレモン黄色」となっています。『清棲図鑑』(1965)は、本文の記述はなく小林重三のイラストは黄色でした」、「高野伸二さんが描かれた『野外観察用鳥類図鑑』(1965)では黄色に描かれていますが、『フィールドガイド日本の野鳥』(1982)では初版から赤くなっています」、「少なくとも図鑑のツミの目の色が変わったのは1980年代」と締めくくっています。(虹彩の色が変化した理由)1980年以前の図鑑では、剥製標本をもとに描かれていたと聞きます。そのため、正確な目の色がわからない、脚の色が退色していて生きている状態と相違しているといった問題があったようです。それに比べて、1980年代以降はツミの都市進出もあり、身近な環境で観察・撮影することができるようになり、雄の虹彩について赤色と記述されるようになりました。(引用)清棲幸保.1952.日本鳥類大図鑑Ⅱ.p477-478.図版2図.大日本雄弁会講談社.高野伸二.1985.野鳥と友に.p211.朝日新聞社.(写真)2025年4月29日撮影、2025年4月25日撮影
2025.04.29
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昨日7月10日手賀沼沿岸、6月29日柏の葉キャンパス駅近郊で亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)と亜種ツバメ(Hirundo rustica gutturalis)の交雑と思われる個体を観察しました。2021年8月に手賀沼沿岸ではじめて亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)を観察して以来、沿岸では昨シーズンまで4年連続で観察しています。永井(2014)が報告しているように、下面の赤味の濃淡は個体によって様々です。(1)下面の赤味が濃く、下尾筒にも赤味のある個体1枚目の写真は、2021年8月22日に手賀沼沿岸で観察した個体です。2枚目の写真は亜種ツバメですが、この個体と比べると下面の色の違いとアカハラツバメの胸の黒帯が太いのがわかります。3枚目の写真は、2022年8月11日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。1枚目の個体と比べると尾が短く先端に丸みがある印象があり、雌個体ではと思われました。(2)下面の一部が白っぽさがある個体4枚目の写真は、2023年8月8日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。1枚目の個体と比べると、下面に赤味がありますが、一部に白っぽさがあります。(3)下面が換羽中の個体5枚目の写真は、2024年7月29日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。下面の羽根が換羽している最中でした。6枚目の個体は、2024年8月4日に手賀沼沿岸で観察したアカハラツバメです。同じ電線に止まっていたことや胸の黒帯の幅が同様だったなどから5枚目の個体の羽根が整ったものではないかと考えています。(4)亜種アカハラツバメと亜種ツバメの交雑個体7枚目の個体は、2025年6月29日柏の葉キャンパス駅近郊で観察した個体です。脇腹は赤錆色ですが、下面は白い部分が多い個体でした。8枚目の個体は、2025年7月10日手賀沼沿岸で観察した個体です。下面は白い地に赤茶の色がほんのりで、下尾筒が赤茶色でした。(引用)永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.p100.文一総合出版.
2025.07.11
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東葛地区の住宅街でツミのジュニアが誕生し、20日、24日と観察してきました。その折、鳥友からツミの虹彩の色の変化、山野の鳥の成鳥と若鳥の虹彩の色などについて質問をもらいました。加齢による虹彩の色の変化は、識別の手がかりとなります。いくつかの種類について整理したものを提供します。(1)ツミの虹彩の色ツミの虹彩は、成鳥雄が暗赤色、成鳥雌が黄色、幼鳥は薄い黄色味がかった色、または水色または緑がかかった色に見えます。一枚目成鳥雄:2024年5月6日柏市内、二枚目成鳥雌:2024年7月20日三枚目幼鳥:2024年7月23日柏市内、四枚目ヒナ:2024年7月4日柏市内で撮影(2)ミヤコドリの虹彩の色澤(2016)が「虹彩は加齢とともに鮮やかな赤色になり幼鳥時は赤黒い」と記しています。五枚目:2022年7月29日船橋市、六枚目:2024年8月21日船橋市(3)アカゲラの虹彩の色松岡(1983)が「虹彩が茶色の個体は、赤茶色の個体に比べて齢が若いと推察できる」と記しています。七枚目:2025年5月22日長野県で撮影(4)ツバメの虹彩の色小林ほか(1992)は、「成鳥の虹彩は赤っぽい茶色(中略)幼鳥の虹彩は赤色味の乏しい暗灰褐色」と記しています。八枚目:2024年5月5日柏市、九枚目:2022年8月3日柏市内で撮影(5)ヒレンジャクの虹彩の色演尾(2010)が、成鳥は虹彩が明るく赤みを帯びる褐色、は個体の成長とともに灰色がかった暗い褐色から澄んだ明るい褐色に変化すると記しています。十枚目:2017年4月5日さいたま市で撮影(引用)松岡茂.1983.アガゲラの虹彩色の加齢変化について.第32巻4号p.139-143.日本鳥学会.小林繁樹・武下雅文・村本和之.1992.ツバメの集団ねぐらにおける成鳥幼烏比の季節変化.Strix.第11巻.p219-224.日本野鳥の会.演尾章二.2010.自然教育園におけるヒレンジャクの捕獲記録.自然教育園報告.第41号.p49 -54.澤 祐介2016.ヒレンジャク.Bird Research News Vol.13 No.12.p1-2.
2025.07.25
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1978年に手賀沼沿岸で姿が目撃されて以来、毎年観察されているのがタカ科のサシバです。サシバが渡来しているかを確認するために柏市から印西市にかけての沿岸を探索しました。複数の谷で合計3羽のサシバが飛来していました。(観察できた個体について)写真1枚目から3枚目は同じ谷で姿を観察した成鳥雄個体です。頭が灰色、喉に黒線があり、眉斑は認められず、胸全体は褐色でした。写真4枚目から5枚目は前記の谷とは別のエリアで成鳥個体です。電柱に止まり地面を凝視している姿は武者のような印象がありました。写真6枚目から8枚目は同じ谷に姿のあった成鳥雌個体です。眉斑があり、喉に黒線があり。胸は斑状で腹には横斑が認められました。(絶滅危惧Ⅱ類に区分されたサシバ)先日3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト」の解説版である第5次レッドデータブックには絶滅危惧Ⅱ類(VU)と報告されています。環境省(2026)は、「生息数はまだ少なくないが、関東南部では生息数が激減」、「生息環境である里地環境に悪化傾向があり、今後も改善が難しい」くわえて「道路脇や水田の畔の除草剤使用により、繁殖期間中の草地環境の消失も起こっている。これらは、採食場所の消失や食物資源となる両生・爬虫類や昆虫類の減少を引き起こしている可能性が高い」と記しています。手賀沼沿岸に飛来しているサシバを見ていると、畔で獲物を捕らえている姿を見かけます。谷津にすむ生き物の住処を維持できるように農家のみなさんと取り組みを強めてゆく必要があります。(写真)2026年3月27日撮影
2026.03.27
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手賀沼沿岸の柏市側、我孫子市側を探索して歩きました。(シマアジとの出会い)白くて太い眉斑が目立つシマアジ雄、過眼線を挟む2本の線と嘴基部の白斑が目立つ雌を観察できました。非繁殖春羽の期間が長く2月頃にようやく生殖羽が完成すると言われている種類で、写真のような羽衣はなかなか出会えないことが多いので貴重な出会いとなりました。類似種のコガモ雌の写真もアップしておきます。(沿岸の水田にはムナグロが登場)耕起してある田んぼにムナグロの姿を見つけました。最初に飛来する個体はほとんど鳴き声をあげず、じっとしているので気がつかないも多く、目を凝らして注目していて発見できました。(サシバの新しい髪形?)強風とうほどではなかったのですが、時折風が吹き抜けるときにサシバが電柱に止まっていて、頭部の羽毛がふっくらして今までまた事のない新鮮な姿を観察。(春を実感する鳥たちの姿、声)沼の浅瀬で採餌しているダイサギの目先は緑に変化し、カワラヒワはキリリ、コロロと鳴き声を披露、ホオジロも天を仰ぐようにして囀っていました。(写真)2026年4月20日撮影
2026.04.20
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国道356号線沿いに広がる水田地帯をシギ・チドリの姿を求めて探索しました。1998年から今シーズンで28シーズン目となりました。かつては、キョウジョシギ150羽前後、ムナグロ250羽前後、タシギ、キアシシギ、チュウシャクシギ20羽前後などが水田で採餌していたり、畔で休む姿を見かけましたが、2011年以降はチュウシャクシギ10羽未満の姿を見かけるのみとなっています。北西の風が強かったのですが、ホィ、ピピピピヒと鳴き声でその存在に気がつきました。(チュウシャクシギの渡り経路)5月連休前後からその姿を観察できるチュウシャクシギ、図鑑によっては春の田んぼで大群になるとか、ユーラシア北部、北アメリカ北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、オーストラリア。北アメリカ南部、南アフリカで越冬し、日本には旅鳥として飛来と解説されています。ところが、細谷ほか(2024)が指摘しているように、繁殖地、越冬地、中継地の生息場所詳細が解明されておらず、日本での移動情報は限られたのみで、標識調査での確認も6件のみです。にもかかわらず、多くの図鑑類に解明されているような記述がするのは摩訶不思議です。(本日見かけたチュウシャクシギ)国道356号線沿いの水田地帯で観察したチュウシャクシギの写真をアップしました。写真一枚目のような整った羽衣の成鳥、雨覆・三列風切が摩耗している第一回夏羽と思われる個体と実にいろいろでした。これらの個体がどこから来てどこへ向かうのか興味のあるところです。(その他)水が張られた田んぼの一角でツグミの姿を複数見かけました。(写真)2026年5月1日観察・撮影(引用)細谷淳・田谷昌仁・井上遠・仲村昇.2024.春を告げる渡り鳥、チュウシャクシギの命をつなぐ渡りルートを探る.バードリサーチ調査研究支援プロジェクト 2024年度.pp2.
2026.05.02
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国内に生息しているホオジロ類は、体が褐色で背や脇に縦筋があり、頭部に黒い縞模様があることにくわえて外側尾羽が白い点が共通しています。冬に越冬するホオジロ、ホオアカ、カシラダカ、アオジ、クロジ、オオジュリンの姿を比較し、復習してみました。参考になれば、幸いです。ホオジロの腰は、一様に赤褐色をして外側尾羽が白いです。ホオアカは高い木に止まらず、葦原に止まっていることが多い印象です。カシラダカは、腰が赤褐色ですが、ホオジロほど赤さがない印象です。アオジは、背から上面にかけて褐色ベースにクリーム色と黒色の縦すじが印象的。クロジは、全身黒灰色で、背に黒い縦すじがあります。なお、クロジの雌は撮影した画像がありませんが、尾の両側の白色はありません。(写真)ホオジロ2020年4月柏市手賀沼沿岸、ホオアカ2019年3月柏市手賀沼沿岸、カシラダカ2018年2月流山市西深井、アオジ2016年1月野田市座王、クロジ2011年1月柏市手賀沼沿岸、オオジュリン2018年1月我孫子市手賀沼沿岸で撮影。
2021.01.28
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キツツキ科の鳥類は、スズメ位の大きさからカラス大の大きさの鳥類で、千葉県ではアカゲラ、コゲラを観察しています。鳥友からアオゲラは分布を広げているが、見かけたことはないかと問い合わせをもらうことがあります。(アオゲラの分布拡大と空白地帯の千葉県)植田(2023)が報告しているように、アオゲラが記録されたメッシュ数は1970年代の463メッシュから,1990年代は528メッシュ,2010年代は674メッシュへと増加しています。ただし、「本州以南に広く分布し、分布も拡がっているアオゲラですが,現時点でも分布の空白域になっている地域があります。それが関東地方の平野部から房総半島にかけてです」と述べています。(アオゲラ空白地帯の要因)植田(2023)は、「関東の平野部は,農地や住宅地が中心で、そこに樹林が点在しています。こうした環境は樹林性のアオゲラにとっては生息地として適していなかった」と指摘しています。しかし、「平地部の公園に植栽された樹木や,雑木林が利用されなくなったことで、大径木の樹林となり、平野部の林も樹林性の鳥にとって十分な生息地となってきていて、樹林性の鳥が増えてきています」と報告しています。(千葉県北西部部におけるアオゲラの観察記録)千葉県北西部の柏市では、2014年以前は観察記録は見当たらないものの、2014年12月から2015年3月にかけてアオゲラが鳴きながら移動する姿を観察しています。その後、観察記録が中断し再び2024年4月6日に柏市内で木のてっぺんに止まっていた姿と鳴き声が観察されました。2014年の観察地は市街地に存在する谷津田、2024年の観察地は市郊外の谷津田の一角の林で観察されています。(ナラ菌によるナラ枯れとアオゲラ)植田(2023)は、「関東地方にカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によるナラ枯れが2010年代後半から拡大しています。佐渡ではナラ枯れが増えた時期に,それまでいなかったアカゲラが定着・増加し,現在は普通種となっています」と報告しています。仮にアオゲラがカシノナガキクイムシを採食しているとすれば、食物がふえたことで拡大しているとも考えることができます。千葉県柏市でもナラ枯れの被害は複数箇所で認められており、動向が注目されます。(写真)1枚目:2016年2月16日栃木県真岡市で観察・撮影2枚目:2024年4月6日柏市手賀沼沿岸で観察・撮影
2026.03.12
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4月もあと少しで終わりを迎えます。JR三郷駅から土手下のグランドを探索しました。(ツグミは餌の捕食に熱中)渡去の時期を迎えるツグミのクロツグミ似の囀りが聞けないかとこの時期に足を運びます。しか、いつものケッケッという鳴き声を出すことはなく、地面で虫を捕食するのに熱中していました。ツグミの名前の由来は噤みと聞いていますが、囀る前はほとんど鳴かなくなるのかと想像をめぐらしました。囀りは次のお楽しみとなりました。(ヒバリの囀りと複数羽でのまちぶせしての狩りを目撃)ヒバリの英名はSKy Larkでほとんどの方が空高く上昇しながら囀るイメージを持っているものと思います。ところが、三郷市の江戸川では90%程度が地上で囀っています。今日の発見は、複数のヒバリが獲物の昆虫類を取り囲むようにして待伏せする光景を目撃しました。写真1枚目がその光景です。このほか、写真2枚目から4枚目は正面、後ろ姿を記録したものです。上面は淡赤褐色で黒い縦斑がありますが、個体によって少しずつ違いがありました。(イソヒヨドリの嘴に注目)オフィスの最寄り駅近くで嘴に奇形のイソヒヨドリ雄を見かけて以来、出会う都度嘴に注目しています。三郷駅近くで雄がピーチョヒーシーと涼やかな声で囀っていましたが、嘴は長め印象がありましたが奇形はなしでした。(写真)2026年4月28日撮影
2026.04.28
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