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2024.10.19
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今月発売された新刊「足環をつけた鳥が教えてくれること」を鳥仲間で目を通し、
興味深く感じた内容について情報交換する集いを開催しました。
標識個体を観察したことで判明した内容は、ひとつひとつが宝物。
関心を集めたのが、東京と福岡のユリカモメがどこか違うと題した報告でした。
澤(2024)は、標識調査で福岡県で捕獲したユリカモメを計測し、東京の個体と比較した結果を報告しています。
内容で注目されるのが「雌雄ともに東京の個体よりも福岡の個体が有意に小さいという結果が得られた。(中略)仮説として考えられるのが東京と福岡では異なる繁殖地の集団が渡ってきているというものです」「東京で越冬する個体群は体サイズの大きいカムチャッカ半島繁殖群由来のものが多く、福岡では体サイズの小さいシベリア内陸部の繁殖個体群由来のものが多い可能性が考えられる」という部分です。
続いて2021年3月韓国から一通の連絡が届き、2019年2月に福岡で足環を装着したユリカモメ(45A)が韓国慶州(きょんじゅ)で観察できた内容でした。
福岡で越冬した後、春の渡りで韓国東海岸に移動したものと考えられました。
このことから福岡で越冬するユリカモメは朝鮮半島を経由し北上することが判明し、東京越冬個体(夏はカムチャッカ半島で、春秋は道東や東北地方沿岸で観察され越冬帰還は東京に戻ってくる)とは違う渡りのルートを持っている可能性が高いということが判明したといのです。
今後、朝鮮半島の渡りのルートがどうなっているか、同じ種類でありながらルート、繁殖地が異なることで種の保全をどうしていくかという点の宿題があるねと鳥友の間で意見の一致を見ました。
(引用)
澤 祐介.2024.足環をつけた鳥が教えてくれること.
東京と福岡のユリカモメがどこか違う.p34-37.山と渓谷社.
(本文とは関係はありませんが、過去に観察したものから抽出した標識装着個体の写真)
1枚目:2013年11月27日不忍池で観察した標識L7
2枚目:2014年2月26日不忍池で観察した標識DP
3枚目:2014年11月16日北浦で観察した標識E5
4枚目:2022年1月17日水元が観察した標識T9
5枚目:2024年2月7日水元で観察した標識A04
(標識装着個体の概要)
カラーリング青 L7、足環番号8A-33154、性別:不明、年齢:成鳥、
放鳥日:2013年2月11日、放鳥場所:墨田区吾妻橋隅田川
カラーリング青 D/P、足環番号8A-32814、性別不明、年齢:初年度冬羽
放鳥日:2013年3月8日、放鳥場所 千葉県市川市福栄
カラーリング青 E5、足環番号8A-33080、性別 不明、年齢 成鳥
放鳥日:2012年3月20日、放鳥場所 東京都墨田区吾妻橋隅田川
カラーリング青 T9、標識番号8A34804、性別不明、2歳以上の成鳥
放鳥日2013/04/06、放鳥場所 東京都墨田区吾妻橋隅田川
カラーリング青 A04、足環番号8A-37132、放鳥日2023/01/6
放鳥場所:水戸市千波湖、性別不明、2歳以上の成鳥















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最終更新日  2024.10.19 15:43:55
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