貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

アジアの星一番Ver4

アジアの星一番Ver4

Calendar

Favorite Blog

働いていた会社のOB… New! ひでわくさんさん

handmade oyaki 手作… New! tougei1013さん

敢闘賞 隆の勝・・… New! ほしのきらり。さん

surfersparadise☆2 ☆rokogirl☆さん
~徒然なるままに@サ… snowshoe-hareさん

Freepage List

2020.06.09
XML
カテゴリ: 作家
あらすじ




写真はyahooより借用
===================================

初めての一人での東京である。成果は上々で今後の心配は何もない。浮き浮きした気分で、おばさんの家と、由樹枝の家にお土産を買う事にした。大きなお菓子屋さんに入った。何を買って良いのか分からないので、店員さんに話を聞いた。親切で良くしゃべる店員さんで、詳しく説明をしてくれる。色々と見て聞いたが、プチ・フールと言う愛らしいひと口菓子にした。バタークリームのミルキーな甘さと洋酒の香りがするらしい。そして、あの文豪の川端康成が「心底から私を喜ばせる。」と絶賛したと言うお菓子である。二箱買った。そして、由樹枝には、勉強しながら食べられるように、東京ピーセンと言うピーナツせんべぇを買った。

帰路についた。由樹枝に会いたかった。東京での生活に目途が立ち、自分が生活する場所が具体的に決まったのである。一番先に由樹枝に知らせたい。
「そうだ、山本さんに、お礼の手紙を出さねば。」
山本は、悠介に然別湖や糠平湖を案内してくれて昼食もご馳走してくれた人である。M大学の卒業生であり、橋本を紹介してくれたのである。彼と会わなかったら、そして彼がM大学の出身でなかったら、さらに、橋本を紹介してくれなかったら、アパートは借りる事が出来なかった。悠介は、山本に心よりお礼を言いたいと思った。浮かれている場合ではない。お礼はきちんとせねばならない。

上高地から帰ってから、由樹枝の家に行く回数を増やした。何故ならば、日曜日は、親も妹もいるので愛し合えないからだ。授業が終わった水曜日、すぐに由樹枝の家に行く。親は夕方にならねば帰らない。妹も部活で帰らない。それで、勉強の前に愛し合うのである。由樹枝も12月に入った頃より、ずいぶんと慣れて来た。快感も感じるようである。積極的にもなっている。悠介には、嬉しい展開である。由樹枝の勉強も順調である。受験勉強のスケジュールは遅れているが、それは、気にする事はない。本格的な受験勉強の取り組みは、3年になってからで良い。今は、予備勉強である。



年末年始は、池田町に帰った。大学に入って休みはバイトをすると、ゆっくり自宅に居られるのは、これが最後のチャンスかも知れないと思ったからである。

中学の友人たちにも会った。家の近くに同級生がおり、彼が、さらに友人を呼んでくれて4人で話をした。年末である。同級生の噂話もかなり聞いた。ほとんど全員が、まだ池田町に住んでいる。悠介のように、越境して高校へ通っている者はいなかった。中学を卒業して働いている者もいる。大学を目指して勉強しているのは、クラス全員の中の数人らしい。

「寺本は、大学に行くのだろう?」
「もう推薦で、行く大学は決まっているよ。」
「へぇ~、そうか、凄いなー。大学生か? いいなー、俺たちは、4月から社会人だよ。頭良くって、勉強家だからな、寺本は。大学に行った方が良いよ。」
「別に頭が良いと思っていないけど、1年から勉強はしていたなー。 三浦はもう、働いているんだよな?」
小柄でクラスでも目立たなかった三浦に聞いた。彼は高校に進学しなかった。
「あぁ、寿司屋の見習いだよ。」
「そうか、寿司屋さんか、どうなの? 重労働なの?」
「そんな事ないよ、大将は良く仕事を教えてくれるし、奥さんも優しい。」
「そんなら良いな。俺は、まだ今から4年も遊ぶけど、三浦はもう社会人だ。ずいぶん、人生に差が付くな。」


そんな話を聞くと、どちらの人生が良いのか分からないな、と思う。しかし、お金はかかるのに、勉強させて貰う自分は幸せだ、と感じるのであった。同級生のその後の動向なども聞いて、楽しい時間を過ごした。
「中学の同級生は、皆、バラバラだよな。これから、もっと離れて行くよ。でも、1年に1回位は、みんなで会いたいな。」
高卒で地元の銀行に就職する事が決まっている福田が言った。
「そうだな、そうしよう。俺たちは地元に残るから、連絡係をするよ。」
同じく高卒で、町役場に就職が決まっている山脇も同意した。


===================================





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020.06.09 12:03:57
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: