貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2023.09.02
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カテゴリ: 作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職の為、神田川辺のアパートから引っ越しする。



写真はネットより借用

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「それから、大阪本社に行きます。大阪には2ヶ月ほど滞在となります。ですので、荷物は大阪に送って貰います。実習の最終段階で配属が決まり、各職場に行って貰います。従って、実習は凡そ3ヶ月です。座学や実習があり、各工場へも行くので、会社の内容は全て分かると思います。その間、私がずっと同行します。」

担当の方は人事部所属で、入社3年目の先輩である。大北と名乗った。入社3年目で滔々と話す大北と言う先輩を尊敬の眼差しで見た。自分が3年目となった時、このようにすらすらと話し、事を運べるだろうか? と思うのである。

翌日は、寮から全員で赤坂の本社に向かった。この日は、入社手続きで1日が終わった。明日から、会社概要などの講義となるとの事であった。座学は順調に進んだ。大学の講義よりも身近な話題なので、集中して聞くことが出来た。次が各工場での実習である。横浜工場、日立工場、鹿沼工場と廻った。鹿沼工場で実習中、鹿沼工場の人事部長から呼び出しがあった。

人事部長から何の呼び出しなのか、不安な気持ちで指定された応接室に向かった。人事部長は既に座っていた。
「君が寺本君か?」

「まぁそこに座ってくれ。」
人事部長の前に座ると、一通の手紙を悠介の前に置いた。
「それを読んでくれ。」
何なのか怪訝な気持ちでその手紙を持った。裏には、唐橋と書いてあった。ドキッとした。由美子からではないか? しかし由美子の筆跡とは異なる。中を開けてみた。人事部長が前に座っているのも忘れて読んだ。

手紙の内容は、唐橋由美子の父親からで、貴社に寺本悠介と言う新入社員がいるはずである。娘由美子の婚約者であるが、貴社に入社してから連絡が途絶えている。本人に連絡するように、伝えてほしい。と言うような内容である。悠介は震える手を出来るだけ分からないように手紙を机の上に置いた。
「君には婚約者がいたのか?」人事部長が聞いて来た。
「いえ、婚約者はいません。この手紙はおかしいです。」
「え? どう言うこと?」
「婚約した覚えもないし、この方ともお会いした事もありません。」
「この娘さんとは付き合いがなかったと言う事なのか?」

悠介は、事実を話さないと分かって貰えないと思い、出会いから、その付き合いも話した。別れてくれとは言えないので、結婚は出来ないと言う事は伝えたとも話した。しかし彼女は何年でも待つと言う事で説得出来なかった、とも話した。

「はい、彼女には申し訳ありませんが、結婚する気持ちはありません。」
「それでは、その辺りの状況まで会社が踏み込む訳にはいかない。君の方から今話した内容を誠意を込めて話し合ってくれ。男と女、恋愛はいつでも生じる。しかし別れ方が一番難しい。その辺りは上手くやってくれ。君の将来にも影響する事項だ。」

心に重い宿題を貰った。そう言えば、入社して講義に実習で由美子の事はさっぱり忘れていた。思い出しもしなかった。連絡してくれと言われてはいたが、連絡が途絶えて上手く別れられた、と思った事があった程度であった。まさか由美子の父親が会社へ連絡してくるとは全く予想もしなかった。この問題を上手く処理しないと自分の将来への影響もあると人事部長は仄めかした。講義も実習も順調に進んでおり、心配はなかった所へとんでもない問題が現れてしまった。

明後日から、本社へ戻りその足ですぐに大阪に移動する。電話連絡ではうまく説明が出来ないだろうから、手紙を書くことにした。本日中に書かねばならない。

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Last updated  2023.09.02 07:52:55
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