Kao文字倶楽部

Kao文字倶楽部

2012.11.02
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アカデミックな世界の緊張感と素晴らしい充実感が 今は心から「出来る限りのことをやりきった!」という達成感となってひしひしと自分に押し寄せて来ます。大きな重圧感から解放され疲労感はもちろんですが、それよりもこの3週間の幸せだったことの思いや自分が感じた気持ちをしみじみと思い返しています・・・。

入念なサウンドチェックとGPを経て26日〜東京公演が開始。初日から満員で嬉しい悲鳴。

オーブでは雨が降った日はつらかった! 大阪の梅芸に比べて、この東急シアターオーブはホール自体にほとんど全くと言っていいほど響きがないのです!! これはウエストサイドやロミジュリを見に言った時点ですでに感じていましたが、これほどひどいとは。新しくてお金かかってそうなわりにステージ上の床材とかの材質をケチってるとしか思えない!とにかく音が ビニール質とか合板の上を滑って行ってしまい、材質に絡まないので振動が全然伝わらないんだよね・・・。 ステージ 自体が全く響かないために人工的に響きを作らなければ音が広がらないような状況。アコースティックの楽器演奏者にとっては、ホールに響きがないことは致命的な苦しみ。音の倍音成分が全く残らないの耳でお互いの楽器の広がりを聴きとることが非常に難しく、そうなればなるほど音程や音色のイメージを混ぜる作業が困難になります。天井に反響板がないのも最悪。

例えば水彩絵の具のパレットの上にいろんな色を置くとして、絵の具(楽器の固有の音色)を混ぜていろんな色(音の集合)を作り出すわけですがパレット上で水彩絵の具のようなグラデーションになる部分(床や周りの壁、天井などに音の振動や反響が伝わって倍音成分が丸く広がっていくべき部分)が自然の鳴りでは全く作り出せない、っていうことです!「青」を表したくて紺、藍、コバルトブルー、水色、いろんな青色の絵の具を混ぜ合わせたりして絵の上の方はぼかしたいななんて部分のグラデーションを水で溶かせない、ってこと。なので当然、音の大きい電機楽器(シンセサイザーやエレキベース&ギター)の方がどうしても固い素材に対して対抗できるので、アコースティックが鳴らない分、音が大きくなってしまいます。まぁ絵の具で言ったら 白、とか黒とか、金とか絶対的にある色だけど強い色ばっかりが目立ってしまう。

この難しい状況の上に雨が降ってしまい、特に風通しの悪いステージでは湿気がいつも以上に溜まりやすく、くぐもった音に。グラデーション部分担当の我ら弦楽器にとっては「致命的な響かなさ!」の中での仕事。自分でもそれを顕著に感じてもどうすることも出来ないので、本当に気分が冴えないですよぉ、こういう日は。(泣)

そんな中でもともするとオケを小さくカラオケのように流してしまうミュージカル業界の中で今回は、歌とオケとのバランスを最大限に膨らませてシンフォニックに素晴らしいコラボを作り上げてくれたと思います。音響さんにホント感謝!

楽屋裏の写真も ちょっとだけ公開。ステージ上のオケの場所に行く前に通る、袖横の衣装部屋。さらにステージ近くにカツラ付けの場所。どの場面でどのカツラか、細かく分類されてた〜。あと大好きな馬のシーンのおうまさんたちもいたぁ。

衣装部屋
かつら付け
うま

これはすごいよっ。本番直前に ある日、ルカスがオケの管楽器奏者のところへ言っていきなりオーボエ奏者の楽器を借りて吹き出したではないですか!なんと彼は昔、オーボエをやっていたそうです! この写真はコールアングレですが(オーボエよりも音域が低い楽器)このあとオーボエを借りて、一瞬ですがあのオーボエの「エリ〜ィザベート」ってとこのメロディを一通り吹いて大喝采!そしてすぐにっ本番始まった。(爆)

ルカス

そんなわけで千秋楽はもぅ本当にみんながこの日を迎えたくないと思うほど、最後この幸せな時間が終わってしまうことを誰もが惜しんでいました。カテコのバウズの曲の最後ですでにアンサンブルの最終列の女の子たちが全員歌いながら泣いてるのが見えてしまい、私も堪えてた涙が一挙に溢れ出してしまいました。キャスト皆うるうる。

そして皆さんご存知の、 指揮者のシューツさんの紹介でオケのことを本当に讃えて下さり、立ち上がってそれだけでも涙、涙だったのに 高島さんがまた言葉を詰まらせたあの姿と「私たちに言葉はいらないよ、なぜなら音楽が私たちを結んでいるのだから。」という言葉を聞いてまた全員がうるうるに・・・。本当に客席とステージが一体となった瞬間でしたね。本当に素晴らしい時間。あの場にいられたことを幸せに思います!

打ち上げ会場に移動する時にちょうど着替えを済ませたマヤさんがエレベーターで一緒になりました。ハロウィンを意識してファンサービスのために付けて来てた帽子がなんかウィキッドみた〜いって話になったとたん、マヤさんたらエレベーターの中でウィキッドの歌のワンフレーズを歌い出し、ひょえ〜っ!皆、オマケの生歌を思わず聴いてしまってきゃあ。皆さんのサインに行く前の話ですよぉ。(笑)本当にお茶目でタフな方です!

で、オケで行く予定で取っていた中華料理屋さんで皆で打ち上げすることになり打ち上げ会場は満員すし詰め。あとはもぅとにかく飲んだり食べたりしゃべったり写真撮り合ったり。ファンの方々と同じように私たちもマヤさんと写真!(笑)隣でサイドを務めてくれたSちゃんと一緒にパチリ!

マヤさんと

さらに子ルドルフのダディたちもいつもオケにも賛辞を送って下さり、この日も一緒に写真に!パパたちもイケメンだよねぇ。真ん中はキャストのマルティンさん。この方、マダムヴォルフの時に唯一弦楽器の私たちが休みの箇所で、出る直前まで袖でこちらを笑わせようとスティッキ持っていろんなパフォーマンスをしてくれちゃって(爆)指揮者を見る度にそれが見えて実はこの数日は笑いを堪えるのに大変でした。

ダディたち

マックスパパ役のトルステン・ティンネさんから帰りがけにバラの花一輪を頂いてしまったり、指揮者の シューツさんからはご自分の指揮してるCD を頂いたり、素晴らしい演技と歌でマヤさんと同じくらい観客を魅了したゾフィー役のガブリエレ・ラムさんにホントに良かったと抱きしめられたり!みんな晴れやかな顔で帰って行きました。皆がきっとまた会えますようにと、願いを込めて・・・バイバイしました。ウィーンキャストの皆さん、どうかまた来日して下さいね。ありがとう、ありがとう。素晴らしい時間をありがとう。






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Last updated  2012.11.02 05:06:36コメント(0) | コメントを書く


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Kao@ Re[1]:懐かしいディック・リー!(09/25) 田中聡子さんへ びっくり致しました! 世…
田中聡子@ Re:懐かしいディック・リー!(09/25) 初めまして すでに10年以上前の文章をなめ…
Yukie @ Re:イリスの夏&秋のコンサート!(09/23) Kaoさん! 先日のイリス東京コンサート、…
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