ラッコの映画生活

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2007.01.22
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カテゴリ: フランス映画
LA PEAU DOUCE
Francois Truffaut

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寸評:トリュフォーはやはり性に合わなかった。

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フランス映画が好きだと言うと、ちょっと映画に詳しい人にだと、「トリュフォーとかは?。」って訊かれることがあるほど、フランソワ・トリュフォーと言えばフランス・ヌヴェルヴァーグを代表する名監督であり、映画好きにも好まれている。でもボクはトリュフォーは、彼の持つ映画に関する豊富な知識や、映画作りの技法的上手さは十分に評価しながらも、映画自体はあまり好きになれません。いい映画を作るんですが、やや、ちょっと、どうも、好きにはなれないんです。今回相当久しぶりに『柔らかい肌』を手持ちのビデオで見ました。きっかけはドヌーヴ・ドヌーヴ・ドヌーヴ映画『逢いたくて』を見たので、姉のフランソワーズ・ドルレアックも久しぶりに見たくなったという経緯です。

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(ラスト以外ネタバレ)
古い有名な映画ですがサスペンス調でもあり、最後だけは書きませんが、あとは完全ネタバレです。ピエール・ラシュネィ(44才)は著名な文芸評論家で、地位も名誉も財産もある(ジャン・ドザイ)。講演か何かでリスボンへ向けて家を発つ風景で、飛行機に遅れそうで忙しく、車を飛ばしてオルリー空港へ向かう。やっと乗れた飛行機の中で美しいスチュワーデス(注:キャビン・アテンダントなんて面倒で言ってられません。だいたい「女性の」とか付けないと女性であることは不明確だし、アメリカのポリティカル・コレクトネスの影響は迷惑千万!。話がそれましたが、女性客室乗務員の)ニコール(ドルレアック)と知り合い、リスボンで食事を共にし、レストランで朝まで語り明かす。

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中年おとこの迷いって言ってしまえばそれまでですが、とにかくニコールを知ってからは妻フランカ(ネリー・ベネデッティ)なんて眼中になくって、もうニコールしか見えない。それでパリでも会うんですが、色々な制約があってなかなか思うように2人のデートができない。ピエールは『アンドレ・ジッドとお金』とかいう評論を出版していて、地方都市ランスでのマルク・アレグレ監督の『ジッドと共に』か何かの上映会の舞台挨拶を引き受け、ニコールを連れていく。そこで2人だけの不倫旅行で彼女と2日ほどゆっくりしようと考える。

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しかしランスでは名士の訪問で晩餐会が用意されていたりと、保守的なブルジョワ階層に取り囲まれてしまい、ニコールと食事も一緒にできない。挨拶を終えたら抜け出してニコールと田舎のコテージに行こうと思っているんですが、友人などになかなか放してはもらえず、嫌々カフェで友人とビールを飲んでいる間にも外を歩くニコールは男に声をかけられたりしている。やっとホテルに戻ったものの、ニコールは放ったらかしにされ、夜の路上で不快な思いもし、泣き出す始末。でもなんとかなだめてコテージへ向かう。

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そこでの2日間を楽しく過ごすんですが、パリの妻との電話で不穏な行動をとっていることを妻に疑われてしまう。帰ると2晩眠られず疲れている妻と言い争いになるんですが、妻が「離婚」と言う言葉を口にすると、そのまま荷物持って出ていってしまう。

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そんなストーリーをピエールの焦燥感を表すかのようにヒッチコックばりのサスペンスタッチで、実に巧みに映画はできている。そして結末については批判する人もいるけれど、もともとが実際にあった三面記事を元にしているから、それはそれでいいし、そうでなくともボクも納得する。サスペンスタッチの映画作りは巧みだけれど、同じ物語、もっとじっくりと3人の心理を描いてくれた方がボクの好みであることは事実だが、それもまあ納得しよう。ではなぜボクがトリュフォーを好きになれないか。この映画はピエール、ニコール、フランカを中心に描かれているわけだが、それ以外の人物を含めて「こういう人々」とか「こういう人間観をもった人物なり社会」を描くことはもちろんいい。それは例えばピエールなら、彼がどんな女性観を持っていようと、そういう人物として描くのはいい。でも映画全体から監督トリュフォー自身の人間観、特に女性観が見えてくるような気がする。そしてそれは他の作品でもしばしば感じるのだが、女性に対する一種の蔑視、蔑視と言うのが言い過ぎなら、ある種女性を見る目の品のなさだ。そういう下品さを持った人物や社会を作中のものとして描くことと、監督自身の下品さが感じられることはまったく別である。前者には何の問題もない。でも後者は、もちろんボクの勝手な感じ方かも知れないけれど、それを感じさせられてしまう以上、観客としてもボクには不快なのだ。別の意味で例えばヴィスコンティにも品性の卑しさのようなものを感じるが、彼はそれを自分で知っている。トリュフォーの場合はそんな自分に対する絶対の自信のような驕りを感じるのが鼻持ちならない。

書き忘れていたけれど、フランソワーズ・ドルレアックが若くして亡くなってしまったのは残念ですね。



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Last updated  2007.01.22 19:03:23
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