ラッコの映画生活

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2007.01.23
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カテゴリ: フランス映画
LES RENDEZ-VOUS DE PARIS


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寸評:ロメール好きには嬉しい映画。パリの観光案内としてもいい。

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エリック・ロメールっていうと、いつも変わらず同じような、内容のない映画を次から次へと作っている人って言って嫌う人もいますね。一方には熱烈なファンもいる。ボクは後者で、ロメールの映画は好きです。この映画のポイントは2点あるように思います。一つは題名にも「パリの」とあるように、パリという街の特殊な魅力。二番目は、不倫というのでもないけれど、今思っている相手がいる場合の、他の異性に対する感情のようなものでしょうか。こんな話は芝居でも出来るという批判をどこかで読みましたが、それでは視覚的にパリの街という背景は描けませんね。ロメールの映画にはパリ郊外に作られた人工的、近代的ニュータウンを舞台とした作品が少なからずありますが、普遍的なものであるかどうかは別として、少なくもロメールにとっては特別の意味のあるパリの街における人の生活感のようなものが根底にあります。この作品はパリを舞台とした男女の3話の物語のオムニバスですが、第1話では友人となった2人の女性の一人が南仏モンペリエ生まれでもう一人がパリ生まれで、2人はパリという街のことをちょっと語りますし、第2話では主人公の女性はとにかく地方や郊外を嫌い、パリに住むことの絶対的欲求を語りますし、第3話では主人公の画家がパリの街の色のことなどを語っています。

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パリという街は、幸い戦争でもヒットラーに破壊されることはなく、少なくも200年ぐらいの歴史(実はもっと長い歴史)が街のいたるところに染み付き、また現在に生きている。それは人々の歴史であり、生活感です。それと現在そこに自分が一体となって存在しているという不思議な感覚がする街です。たとえ短期の滞在でも、観光客的視点ではなく生活者の視点でパリを感じると、人生の感情的ものや、生活感が街と一体になっていて、街は単なる自分がいる外界ではないんですね。これがロメールが描くように郊外のニュータウンにはない。そのために本当の自分の感情生活も郊外ニュータウンでは送れないというような疎外感のようなものとして描かれもする。例えばパリの映画館で、映画の舞台はパリでなくてもいいから、良く出来た人間ドラマの映画を見たとします。そして映画館から出てくるとそこはパリの街なんですが、街も人々も映画のドラマの延長線上というか、違和感のない世界がある。生きた人間の感情が息づいている。これが他の多くの都市だと別世界なんですね。映画館から出てきた自分のそこでの生活は映画とは無縁となってしまう。これこそがパリの街としての魅力ですね。

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第1話『7時のランデブー』は主人公が女子法学生エステルの物語で、彼女はオラースという恋人がいるんですが、色々言われて彼の誠実さに疑いを持ち始める。友人エルミオーヌや知り合ったばかりのアリシーとの会話が中心でしょうか。でもたまたま路上でナンパしてきた男に対する感情のようなものが一つの見どころでもあります。

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第2話『パリのベンチ』では主人公の女性(名前はない)はブノワという恋人があって、以前は深く愛していたらしいんですが、今は醒めているらしい。でもその辺もちょっと疑問もあって、まだ完全に別れてはいない。そして恐らく今ほど醒める以前から今の恋人(名前なし)とパリの色々な公園など歩いてデートをする。でもこれって、ブノワでは満たされない部分を補うためのような感情なんですね。だからもしブノワと完全に別れてしまったら、この新しい男性との関係にも必要性はなくなってしまうんでしょう。

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第3話『母と子 1907』は妙なタイトルですが、美術館で見るピカソの絵の題名です。画家の若い男が中心に描かれているようですが、ロメールが描きたかったのはむしろ新婚だという若い女性の方ですね。画家が路上で声をかける女性は、新婚で、自分の夫に対する気持ちには確固とした揺るがない自信があるなどと言ってはいるし、別に結果として何かが起こるわけではないけれど、ナンパしてきた画家に対して何らかの感情を一時の間持っているとボクは解釈します。その辺が面白いですね。




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Last updated  2007.01.23 00:04:07
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