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2009.04.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
トウキョウソナタ
黒沢清監督


(つづき)-2-

会社をクビになったなんて言えないし、竜平としては然るべき、つまり(彼の価値観から)家族に対して権威を落とさないような再就職ができてから偉そうに話をしたかったのだろうけれど、この不景気のご時世、ハローワークは長蛇の列で、そんな都合の良い再就職なんてできはしない。なんとか得られたのはショッピングモールの清掃員の仕事。竜平は毎朝背広を着て出勤し、今まで通りを装った日々を送る。

大学生の、でも未成年という設定だから18か19の長男・貴(小柳友)。こういった青年が今時どれぐらいいるのか?、なんて言ったら怒られるかも知れないが、若者らしく理想主義的で、世界・社会の現実に疑問を感じている。アメリカ的自由とか民主主義を正しいと信じていて、アメリカで新しく始まった外国人兵士部隊なる制度に志願して、アメリカ軍としてイラクに戦いに行こうと考えている。自分が世界のためにできることを求めている。他の方策もあるらしいが、未成年だから原則的には親の承諾が必要だ。もちろん竜平は頭ごなしに駄目と言うだけ。息子の話をしっかり聞いて説得するというような本当の意味での親(家父長)の権威ではない。子供の意見をちゃんと聞かずに、ただ反対して従わせるのが権威だと思っている。でもそんな「空権威」であることは息子・貴にも既にお見透し。話が通じるとすればそれは母・恵だということを知っている。母を説得して貴はイランへと旅だっていく。

健二(井之脇海)は小学校の6年生。こんな家庭に育っているからか、大人の欺瞞は知り過ぎている。やはり空権威の担任教師の欺瞞を暴くようなことをするから、その担任にとっては煙たい存在だ。そんな健二はピアノ教師(井川遥)が自宅でピアノのレッスンをしているのを通りから聞き・眺めるのだった。健二はピアノを習いたいと思うが、これまた父・竜平は頭ごなしに「ピアノは駄目だ」だった。健二は給食費として親から預かったお金を月謝として払い、密かに金子先生にピアノを習い始める。

(つづく)







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Last updated  2009.04.26 02:49:36
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