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2021.03.08
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宮沢賢治の花巻農学校教師時代の北海道修学旅行復命書を読み解いています。
復命書はこちらです。
https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202102150000/

一行31名は、1924(大正13)年5月18日夜に花巻を出発。鉄道と青函連絡船を使い、途中函館、小樽を見学しながら、車中泊2日の強行軍で5月20日午後、札幌に到着。北大植物園、中島公園を見学、札幌駅前の山形屋旅館に宿泊し、21日午前はビール工場見学です。

瓶詰めの機械の流れ作業を見学した賢治先生は、工業にできることは、農業にもできるのだ、思えば、できるのだ、と訴えました。さらに、農家の窮状を救うべく論を進めます。

(引用開始)
夫、長方形密植機の如き太陽光線集中貯蔵の設備の如き成らんか今日の農民営々十一時間を労作し僅に食に充つるもの工業労働に比し数倍も楽しかるべき自然労働の中に於て之を享楽するの暇さへ無きもの将来の福祉極まり無からん。
(引用終了)

明治時代にまっすぐ正方形に田植えをする、正条正方形植えが普及しましたが、大正時代にはさらに太陽光の利用効率の高い正条長方形植えが、広がりました。


農民が1日あたり11時間も働いても、わずかに家族が食べる分を少し上回る程度の収穫しかない、といいます。

また、本当は、建物の中の工業労働よりも、自然の中の農業労働のほうが数倍も楽しいのに、楽しさを味わう時間もないと、農家・農村の現状を嘆きます。

しかし、「長方形密植機」「太陽光線集中貯蔵設備」のような機械化ができれば、農業・農村・農民も将来、無限の福祉を手に入れることが可能なのだ、といいます。農業機械化に対する希望に溢れています。


(引用開始)
旧慣の善良を確守し勤労を習得せしむると共に之今日の農業の旧態に甘んぜしめざるを要す。麦芽製造室と本醗酵室は参観を遠慮せり。
(引用終了)

古い慣習の良いところはしっかり守り、良く働く態度を身につけることはよいことだが、それだけでなく、古いやりかたの悪いところに、生徒たちが安住してしまわないように教育する必要があると、賢治先生は言いたいようです。

時間の関係か、衛生上の問題か、麦芽製造室と本発酵室の見学は、遠慮したようです。

ビール工場見学を終え、次は麻の製造工場に向かいます。
ここで賢治先生は、ちょっとしたミスを犯してしまいます。



イラストは1898(明治31)年に宮崎県の農家、河野平五郎の発明した田植機特許第1号です。







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最終更新日  2021.04.18 04:48:45
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