賢治と農

PR

×

プロフィール

馬場万磐

馬場万磐

カレンダー

バックナンバー

2026.08
2026.07
2026.06
2026.05
2026.04

コメント新着

健康を目的@ Re:ゴッホと宮沢賢治 その8 独身 AIイラスト(02/11) 健康を目的については、 0896240183 をど…
胸元コイルシステム@ Re:宮沢賢治「十月の末」 その14 兵隊さん? AIイラスト(01/21) 胸元コイルシステムは、0896241455 をど…
毎日をやさしく包む@ Re:宮沢賢治「十月の末」 その6 松と楢の林 AIイラスト(01/13) 毎日をやさしく包むは、0896236553 です…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2021.06.30
XML
カテゴリ: 羅須地人協会時代
前回は、「三原 第二部」の冒頭の、土壌の成り立ちと、肥料成分に関する部分をご紹介しました。
https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202106290000/


今回は、「三原 第二部」の続きで、土壌水分の動きと干ばつ対策について、伊豆大島に招かれた賢治が実習と講義をする部分をご紹介します。

賢治が友人に、まるで立て板に水の勢いで、生き生きと話すようすが目に浮かぶようです。この畑には友人の妹もいたのかどうか、気になるところです。

賢治は「或る農学生の日誌」で三年続きの干ばつを扱いました。
https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202106220000/

ここでも干ばつ対策に力を入れています。干ばつの被害が、賢治のその後の考えと行動を変えたことがここでもわかります。
敷草やソイルマルチの理論と効果について説明しています。

友人は雑草をわざと残して敷草の代わりにできないか質問します。いわゆる草生栽培です。賢治は雑草を悪質な銀行に例える面白い比喩で答えます。


     三原 第二部

         一九二八、六、一四、
(略)

たゞ旱害がときどき来るかもしれません
けれどもそれもいはゆる乾燥地農法では
ほとんど仲間に入らないかもしれません
まあ敷草と浅土層をつくること
この二つが一ばん手ごろとおもひます
つまりはげしい日でりのなかで
十ミリ雨が降ったとき、
(何ミリ降ったかそれはたとへば小屋の屋根の平坪と

 その係数をだして置き
 タンクの水の増量を見てもわかります)
またすぐ日が照りだしたりすると
この十ミリは全く土の深い方には届かずに
わづかに表部の根を刺戟して

俄かに拡大したまゝで
水がそのまゝ蒸発すれば
植物体はあとで却って弱ることさへあるのです
そのときもしもかういふふうな浅土層をつくるなら
その水湿は蒸発せずに
徐々に深部に浸み通り
夜分にかけてよく植物を養ひませう
いったいかういふ砂質で
割合深い土壌では
ひるの間はすっかり土も乾いたやうに見えてゐて
朝にはすっかり湿ってゐるのが普通です
それは土壌が一方毛管作用によって
底の方から水をとってはゐるのですが
ひるはそいつが蒸発分を補ふことができないで
夜には余りあるのです
若しも昼にもソイルマルチや敷藁や
あるひは日蔭を与へることで
二つの相償させますならば
一晩ぐらゐの雨さへあれば
そのあと二十日やそこらは大低困りません
雑草ですか いゝえそいつはちがひます
草は日蔭はつくっても
一方自分がごく精巧な一つの蒸散器官でせう
つまり自分が土壌の深くに吸引性の支店をもった
たこ配当の銀行などと同じことです
あなたの大事の預金をふいにしたといふ
さういふ風の銀行ですな

(以下、略)

次回は家庭菜園にも役立ちそうな、種まきに関する講義と実習です。



#宮沢賢治 #三原 #第二部 #伊藤七雄 #伊豆大島 #干ばつ #ヒデリ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.06.30 04:01:34
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: