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2021.08.09
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カテゴリ: 羅須地人協会時代
前回ご紹介した、詩「増水」の続きと思われる詩「白菜はもう」です。

宮沢賢治 作 「増水」水害に襲われる賢治の畑
https://plaza.rakuten.co.jp/kenjitonou/diary/202108080000/

大豆の葉は毛が多く、そこに空気を貯めるので、水に沈むと光を反射して、銀色にみえます。

増水した川に石を投げる農民、「封介」の行動が、「増水」より詳しく描かれています。
農民が「続けて五分もおこれない」とあるのは、世の中の大きな流れに対する農民の無力さ、賢治が支援した小作農の政治運動が弾圧に屈していったようすなどを連想させます。

増水して水害を起こす川は、ここでは、農民や農業技術者では対抗することのできない、戦争に向かう世の中の大きな流れを象徴しているかのようです。

(本文開始)

白菜はもう

  ……悪どい雲だ……
鍬もながした
  ……大豆の葉が
    水のなかで銀いろにひかってゐる……
おいおい封介
どなって石をなげつけたって
  ……この温い黄いろな水だ……
来るところまでは来るよ
  ……いくら封介が黒く肩を張ってどなったところで
    水の方は、
    雲から風からひとから地物から、

    きまってしまった巨きなもんだし
    封介の方は、
    やっといまびっくりして、
    むらきにどなりだしただけだ
    続けて五分もおこれない

    かたつむりの痕のやうにひかりながら
    うしろからも水がひたしてくるのだ……

(本文終了)



#宮沢賢治 #水害 #増水 #白菜





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最終更新日  2021.08.09 05:36:05
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