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2021.08.15
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カテゴリ: 羅須地人協会時代
「雨中謝辞」からはじまる、1927(昭和2)年8月20日の作品群のひとつです。
豪雨による水稲の倒伏に苦しめられた10日後、賢治が投影された主人公は、農村を迷い歩き、知人の親戚がウサギ飼育の副業に取り組んでいるようすを見ました。
しかし、そうした新しい取り組みも、厳しい自然災害や、不在地主に取られる高い小作料を補うには、「間に合はない」現実がありました。


(本文開始)   

このひどい雨のなかで
しづかに兎を飼ってゐる
いゝ兎なので
顔の銀いろなのもあり
めじろのやうになくのもある

けれどもこれも間に合はない
間に合はないと云ったところで
ああいふふうに若くて
頬もあかるく
髪もちゞれて黒いとなれば
べっかうゴムの長靴もはき
オリーヴいろの縮みのシャツも買って着る
そしてにがにがわらってゐる
かぐらのめんのやうなところがある
なにをやっても間にあはない
その親愛な仲間のひとりだ

南のそらが灰いろにひかる

(本文終了)



#宮沢賢治 #このひどい雨の中で #ウサギ





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最終更新日  2021.08.15 04:59:59
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