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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2026.08.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ドゥルーズは1925年フランス・パリの第17区で生まれ、生涯ほとんどをパリで過ごしたといいます。
 ”ドゥルーズ入門 来るべき知への招待”(2025年12月 平凡社刊 澤野 雅樹著)をよみました。
 難解で知られるジル・ドゥルーズの哲学は、どのようにして常識を打ち砕き世界の見え方を変えたのか、について解説しています。
 1944年にソルボンヌ大学に入学し、カンギレムやイポリット、ガンディヤックらに哲学を学びました。
 1948年に教授資格試験に合格し、1957年までリセ・ルイ=ル=グランなどの高校教師を務めました。
 同年にソルボンヌで哲学史講座の助手となり、哲学者としてのキャリアをスタートしました。
 ベルクソン、ニーチェ、スピノザ、ヒューム、カントなどについて研究しました。
 近世哲学史の読み直しを行って、独特の視点から論じた研究書を次々に書きあげました。
 その過程で、ドゥルーズ自身の哲学を練り上げていきました。
 1964年~1969年にリヨン大学教授となり、1968年に博士号を獲得しました。
 1970年に、ヴァンセンヌ実験大学センター(現、パリ第8大学)の教授となりました。
 ここで、ミシェル・フーコー、フェリックス・ガタリと出会いました。
 1987年に引退した後は肺病を患い人工肺で暮らしましたが、1995年に自宅の窓から投身自殺しました。
 澤野雅樹さんは1960年埼玉県生まれ、明治学院大学大学院博士課程を単位取得退学しました。
 社会学研究科社会学・社会福祉学を専攻し、社会学修士となりました。
 専門は社会思想史、犯罪社会学です。
 1999に明治学院大学社会学部社会学科助教授となり、2005年に教授となりました。
 ジル・ドゥルーズ(Gilles Deleuze)は、20世紀のフランス現代哲学を代表する一人です。
 ジャック・デリダなどとともに、ポスト構造主義の時代を代表する哲学者とされます。
 構造主義は、目に見える個々の出来事よりも、背後にある関係のパターン(構造)に注目します。
 個人の性格や意思より、社会や文化のルールが重視されます。
 人間の本質が先にあるのではなく、社会や文化の構造が人の考え方を形づくるのです。
 ですから、まずは構造を明らかにしないと、人や社会は正しく理解できないといいます。
 ポスト構造主義は、構造主義を批判・発展させた考え方です。
 構造は固定的ではなく、権力や歴史の中で変化すると考えるのです。
 しかし、ドゥルーズ自身は、ポスト構造主義という呼称は自分には関係のないものだと、述べています。
 そもそも、ドゥルーズは構造主義の台頭以前から著述活動を行っていたのです。
 構造主義の成果を引き継ぎつつも、きわめて独自の観点から自身の哲学を展開しました。
 「内在」「生成」「リゾーム」「フィローム」「アジャスマン」「脱領土化」などです。
 内在とは、この世界の外に上から決めつけるような基準はないという考え方です。
 外側の大本営を置かず、いまここで動いている力どうしの関係だけから考えます。
 上からの評価ではなく、この関係は自分を生かしてくれるかどうかで判断します。
 したがって、生の側から考え、生の中にしか基準を置かない哲学です。
 生成とは、決まったゴールなしに出会いや関係の中で、横にずれていく変身のプロセスです。
 完成よりも、変わり続ける力が大事なのです。
 異なるものと関わるうちに、自分が思ってもみなかった方向へ変わってしまいます。
 生成少女のように、枠からはみ出す中間的で揺れ動くあり方への感受性です。
 リゾームとは、ショウガやタケノコのような地下茎から来た比喩です。
 樹木型の構造ではなく、どこからでも枝分かれし、どこからでもつながるネットワークです。
 中心も上下関係もなく、部分から部分へ横につながっていきます。
 インターネットや、趣味のサークル、人の移動する都市空間などがモデルです。
 ひとつの中心的な原理に回収されない、多数の関係の束です。
 周縁の小さなつながりが、中心の秩序をかき乱す力を持ちます。
 フィロームとは、ドゥルーズがリゾームと対になる形で使っている概念です。
 リゾームは横につながる関係の網目、フィロームはそこに通る、流れ、線、運動の筋道です。
 世界の中で、何かがどこからどこへ向かって変化しているのか、そのラインに注目します。
 アジャスマンとは、あるものがほかのものと組み合わさって一時的なまとまりを作る仕方を指します。
 人・物・制度・感情・ルールなどが、ある場面で結びついて働いている状態です。
 その組み合わせが変われば、振る舞いも意味も変わります。
 リゾームが全体の網目なら、アジャスマンはそのなかの特定の構えや場のまとまりです。
 世界は出来上がった個体の集まりではなく、アジャスマンとして一時的に組み上がっています。
 そこにフィロームとしての流れが通い、その全体がリゾームとして広がっています。
 三つとも世界を固定化せず、関係・流れ・組み合わせとして捉え直すための道具です。
 脱領土化とは、社会を縛っている枠や場所から、力や関係がはみ出して動き出すことです。
 枠から欲望や関係や生き方がずれていき、はみ出していく運動のことです。
 完全に外に逃げるというより、領土の内側から別の可能性へと線が伸びていきます。
 著者は、ドゥルーズの難しい言葉を、どう使うかに置き直そうとしています。
 自分で考え、生き方を組み替えるための道具として、ドゥルーズを活用できるようにするのです。
 活用とは、学説を覚えるのではなく、概念を自分の思考のツールとして使うことです。
 超越的な善悪や正しさではなく、生きている具体的な関係のなかから考えるのです。
 抑圧された欲望や周縁的な生を、内側から肯定する視点を与えます。
 こうした内在の哲学を、現代の生きづらさを捉え直すための基準として使おうとしています。
 大人/子ども、男/女、中心/周縁といった二分法の、合間にある揺れを肯定します。
 生成少女などのモチーフを通して、その中間性への感受性を鍛えます。
 生成概念を使って揺れ動く存在の価値を捉え直そうとしています。
 リゾームや脱領土化の概念を、現代資本主義や都市の周縁的実践を読むツールとして使います。
 役に立つかどうか一辺倒の価値観に対して、別の価値の回路を見出します。
 本書は、ドゥルーズの思考の核心に踏み込み、具象を相手にした作業に専心しようとしています。
 ドゥルーズの作った概念群は、具象を相手にしてこそ真価を発揮し、本来の輝きを見せます。
 彼の道具をどこで用い、どう使えばいいのか?とりあえず試してみるのです。
 本書は三章構成であり、第一章は導入編となっています。
 いくつかの対関係を検討することで、ドゥルーズの基本スタンスがわかるようになるといいます。
 第二章と第三章は、それぞれドゥルーズの思想から、当然のように展開されるべき内容です。
 対象は、著者がやってみたいものを主題に取り上げています。
 第二章は、女性への生成(女になること)の意味とその可能性を二つの方向から吟味します。
 第三章は自然学のベクトルですが、物理学ではありません。
 物理は第二章で扱い、第三章では生物学に生じている地殻変動を中心に取り上げています。
 最後に、資本主義の裏地を縫うもう一つの資本主義を追跡し、脱領土化の意味を問うています。
 第一章から第二章一までは、生成の核心に到達することを目指します。
 第二章二から本書末尾に至る土台を支えているのは、アフェクションです。
 アフェクションとは、他のものとの接触によっていまここで私の身体に生じているあり方です。
 変化の結果としての身体の状態が、その瞬間こうなっているという姿のことをいいます。
 そして、本書全体をつらぬく姿勢は、内在性の哲学です。
 本書は、これから本気で読もうとしている人たちに向けた、ガイドたらんとしているといいます。
 新たな力を付与し、世界の見え方が変化するその様子を、少しでも感じられのではないでしょうか。
まえがき/第一章 内在の哲学(二元論と二項対立/善悪の彼岸へーニーチェから/超越と内在ースピノザ/存在と生成)/第二章 生成の秘密ー少女に手を引かれて(生成はなぜ女のものなのか/歴史ー四人の「女になる」こと)/第三章 リゾーム、フィローム、アジャンスマン(リゾーム、リゾームーパラダイムの潮目/機械状フィローム/脱領土化)/あとがき
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Last updated  2026.08.01 08:49:27
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