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2009.05.16
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カテゴリ: 事件簿
 道路交通法に大きな影響を与え、飲酒運転の罰則強化につながった事故の裁判は、一審と二審で天地の差が出る判決となった。専門的なことは兎も角、一般人にも納得いく判決のような気もする。凄惨な事故であった。事故後の犯人の自己防衛的な行動は、凄惨な事故への怒りを更に増幅させ、許しがたいものだった。


 もし、犯人が、事故現場で犠牲者の救出に当っていれば、助ける事が出来たかも知れない幼い命があったと、三人の幼子を奪われた母親は言っていた。事故の凄惨さはさることながら、犯人の事故後の行動が問われている裁判でもある。一審での母親の怒りの声が、今でも蘇るが、高裁判決後の母親のコメントは、ある程度納得しているようだった。


 事件は、2006年福岡市で起きた。幼い兄妹3人が死亡した飲酒ひき逃げ事故だ。犯人は地方公務員であった。事故後犯人は、卑劣な飲酒隠しを画策していた。その場で救出に当れば、あるいは、幼い子供が助かった可能性もあった。そんな事故だった。控訴審裁判の福岡高裁は一審を破棄して、危険運転致死傷罪を適用し、懲役20年の判決だと言う。複数の幼い命を奪った罪は、どんな判決でも償えないが、両親の心の傷を癒す小さな材料にはなるかもしれない。


 一審では懲役7年6カ月だった。二審の懲役20年の判決は、単純計算で3倍の刑となったが、まだまだ、上の刑があるなら、両親は納得しないと思われるが、新しい出発をした家族は、幼い命の代償を求めるのではなく、幼い命を奪った犯人の、命への敬虔さを求めているようだ。運転していた父親に非があったなどの発言もあった、犯人を許すなど出来なくても、せめて犯人の心に、命への敬虔さが芽生えて欲しいと願っているかも知れない。


 「私が行って殺してやる」と言った母親の怒りが消えることはないが、加害者の視点でしか行われなかった裁判が、被害者の視点になったような気がする。その事故後、何度も道交法は改正され、年々飲酒運転の罰則は強化されている。しかし、飲酒運転はなくならない。下戸の人間には、飲酒運転の罰則強化も関係ないし、罰則強化は当然と思うが、飲食店経営の知人の嘆きは深刻だ。







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最終更新日  2009.05.16 10:04:14
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