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カテゴリ: 怖怖怖
俺の実体験なので、怪談のような怖さはないんだが、むしろイヤな気分の
のこる怖い話をひとつ…。

いろいろ家庭の事情があって、東京で独り暮らししてたときだから
もう今から10年以上前の話なんだが、当時付き合ってた彼女とあまり
うまくいってなかった。なんていうか独占欲の強い女で、プライドと嫉妬が
とにかくすごい。俺の実家の妹にまでヤキモチを焼くくらいの女で、さすがに
ガマンの限界を感じた俺は、もう別れようと思ってたんだが、向こうには
俺と別れる気なんかサラサラないらしかった。ところが、ある晩、俺が部屋で独りで
のんびりしてると、いきなり部屋に彼女から電話がかかってきて、「あんたなんか私の

女だと思って、俺もカチンときて、怒鳴り返してやろうと思ったんだが、何か様子が
おかしい。なんていうか、空元気というか、無理に強い態度をして、声の震えを押し
殺そうとしてる雰囲気がありありと感じられた。でも「何かあったのか?」と聞くと、

シラを切ろうとするんだよね。ただ「あんたは私の彼氏じゃないよね?」とだけ、何度も
ただ確認してくる。そこで俺はピンときた。俺と二股かけてた男がいて、どっちが
本命なのかと詰め寄られたんじゃないか、とね。だから俺は、彼女のそばで電話を
きいているヤツがいればそいつにも聞こえるようにと、「俺はお前の彼氏だよ!」と

でかい声で言ってやった。そしたら、電話口の向こうから「どうしてそんなことを
言うの!?」って声と大きな物音が聞こえて、それっきり電話が切れた。俺はすぐに
うしろめたくなって電話をかけなおしたが、電話は何度かけても繋がらず、
話し中のツーツー音しか聞こえなかった。

何か怪我でもさせられてるじゃ…。だとしたら俺のせいでもある。

どうにもじっとしてられなくなって、俺はすぐに自転車を飛ばして彼女のアパートに行った。
もう夜中で電車がなくて、彼女のアパートに着くのに自転車を一時間以上もこがなくては
いけなかったが、その事実はあとで俺を助けることになった。というのは、全てがもう
おそかったのだ。彼女のアパートには、もう警察やら野次馬やらが集まっていて、夜中なのに


となりの部屋の人が悲鳴を聞いて通報して、警察が部屋に踏み込んだら、もう…。

しかし、犯人らしき人物は見当たらず、俺自身がはじめは容疑者扱いされた。
たまたま俺が家を出るところを近所の人が何人も見ていたのと、電話の通話記録で、俺の
話が嘘じゃないのを信じてもらえて、やっと容疑者じゃなくなったくらいだ。

しかし結局、真犯人はみつからずじまいで、彼女の遺族はまだ俺を疑ってるらしい。
ただ、俺は、警察にも言ってない、犯人の心当たりが一人だけいる。
いくらなんでも誰も信じないだろうという心当たりが。もちろん俺も信じたくはない。

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Last updated  2021/09/06 10:00:30 PM
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