今回の修理は、「 SHARP QT-7DX
(Y)」だ。1980年前半の製品のようだ。この手のラジカセは、若者を販売ターゲットととし、カラフルでポップなデザイン、彼らの手が届く価格設定、音楽を身近に楽しめることを意識していたと思う。
ラジカセもここまで古いとアンティーク的な骨董の域に入っている。「当時を髣髴させるレトロな雰囲気」「時代を超えた秀逸なデザイン」と、整備品は数万円の価格にも拘らず愛好者が購入するようだ。
■ 主な故障状況と原因
古いラジカセなので故障箇所も多く、故障の種類も多岐に渡る。とりあえず分解。
分解は比較的し易い。 後継のバブルラジからに比較すると機能が少ない分、複雑な配線やメカ機構も無い。
テープデッキ部を取り外して点検。テープカウンタを含めて4本ものゴムベルトが使用されていた。伸びているものあり、解け落ちているものあり。 全てバンコードで自作、交換した。
電源が乾電池NG、ACアダプタOKだったのは、AC電源コネクタ付近の配線パターンが剥離・断線していたためだ。ジャンパー線で補修。また、各基板のハンダにも多数クラックが発生していたので、全てのハンダを修正。
機械式ボリュームと機械式スイッチには、著しい汚れが付着。全て分解清掃した。
一方、FMステレオ受信不可もパイロット信号同調ボリュームの調整で復旧。この段階で主な故障箇所の修理は完了。
整備終盤、テープデッキの調整中に、右chの出力が左chよりも小さいことが判明。アンプ回路に使用されているSANYO製のラジカセ用2chステレオIC「 LA4192 」が原因と思われたが、代替部品が無いため、交換修理は見送った。
一応の修理は完了。クリーニングして外装も見違えるほどきれいになった。
しばらく使っていた彼曰く「お父さん、左右chのバランス直ってるよ」。そう、確かに直っている。古いラジカセには良くある自然復旧。電気的な裏付けは分からないが、ご機嫌に動いてくれる間は、これでいいのだ。
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