7月28日7日目 晴れ
昨日はマッターホルンのヘルンリ小屋に連泊する予定であったが、早く下山したため再びツエルマットから電車を乗りついてその日のうちにシャモニーに帰ってきた。
今日はシャペル南稜のクライミングを楽しむことになっていた。しかし天気の状態でランデックスに変更になった。
プラまでバスに乗り朝一番のロープウエイに揺られ、雪とガラガラの斜面を登り、グリーンベルトをトラバースしてランデックスの取り付きまで登る。約30分。
ここからロープを結んでクライミング開始。先日のフローリアよりレベル的にはやさしくガイドはアプローチシューズのまま登り始める。全体で5ピッチ。

グリーンベルトが印象的なランデックス
たしかに手・足ともにホールドはたくさんあり、岩はしっかりしていてけっこうすいすい登れた。途中で1パーティを追い越す。
ぐんぐん攀じ登って最後の5ピッチ目になった。ここはものすごくダイナミックな地形だった。まずトラバースして更に下におり、そこからやせて急なリッジを最高地点まで登り返す。1ピッチの距離が長い。ロープをたくさんくり出してそのロープが岩の上を流れるのではなく空中にずっとのびていく。前方にガイドがクライミングする姿と地形を見ていて「私にあそこまでいけるだろうか」と少し不安になったが、いざ行ってみると案外楽にいけた。

ランデックス終了点 後方の景色がすばらしい
ここでクライミングシューズをアプローチシューズに履き替え、鉄の輪が設置されている下降ポイントまで下る。
切り立った断崖で下は全く見えない。「まさかここから懸垂下降?、こわいよお、懸垂下降はもうずーとやってないし」とひやひやしていたら、案の定懸垂下降だった。落ち着いて考えれば当然である。この断崖絶壁をクライムダウンするはずがない。
ガイドがあっという間に下降し、私の番になった。これまで自分ひとりだけの状況で懸垂下降したことがない。必ず後で私をチェックしてくれる人がいたのに、今日は自分だけ。もたもたしていたら「降りてー」という声が聞こえこわごわ下降開始。ガイドの指示どおり岩と岩の間にロープが入るようにして左に回りこみ、途中からはするするとスムーズに下降できた。はるか下にガイドの姿が小さく見える。

地面に着いて降りてきたほうを見ると、ものすごく男性的なかっこいい岩がそそり立っていた。これをロープ1本で降りるんだから少々怖くてもしかたがないと自分を慰める。

ここで休憩し、下山にかかる。岩ばかりで「どこを降りるの?」という所だったがよく見るとしっかりルートがあって案外楽に下れた。岩が終わるとまたガラガラの道で最後は雪。でも30分くらいでロープウエイに戻れたので楽だった。
懸垂下降にスリルがあったが、楽しい半日のクライミングだった。
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