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こんど行う、仕事関係の少人数飲み会のお店選びを任された。「和食と日本酒がおいしい店」という条件がついた。
1軒、前から気になっている小さな居酒屋?があったのだけど、私はアルコールが一滴も飲めないので、一人で下見に行けない。だから今日、日本酒好きの仕事の先輩にお願いして、下見に付き合ってもらった。私含めて中年女性4人でお店に向かった。
お店の中を見るのも初めてで、予想外に狭かった。カウンター5席くらいと、4人がけ(でも小さめ)のテーブル席がひとつ、奥に、つめれば8人くらい座れる座敷があるだけのお店で、少しタバコくさくて、お世辞にも綺麗とは言えなくて、お客は誰もいなくて、お店のご主人がひとり、カウンターに座って新聞を読んでいた。
「こんばんは、4人よろしいですか?」と声をかけると、ご主人は驚いたような顔をして、「どうぞ」と新聞をたたみ、立ち上がった。座敷席を勧められたけど、同行の人が座敷は苦手、と言ったので、テーブル席に座った。
日本酒は充実しているらしく、日本酒好きの2人は喜んで1杯目から冷酒を注文した。私と、もうひとりの下戸は冷たいお茶を注文し、とりあえずお刺身盛り合わせを作ってもらい、乾杯。そのお刺身というのが、マグロ、イカ、ホタテの柱と紐、スジコを盛り合わせてあるんだけど、なんというか・・・お店で出されたものというよりも、限りなく「知り合いの漁師のおっちゃんが、手近なものを切ってお皿に乗せた」みたいな外観だった。テキトー感が漂っている。
しかしそれが感動ものにおいしかったのだ。「私の直感は間違っていなかった!」と心の中でガッツポーズをとった。その後、おすすめだというホッケ、行者にんにくの餃子を作ってもらう。これもおいしくて、下戸の私は、ごはんが欲しくて仕方なくなり、「ごはんあります?」と言ってみた。
「ないなあ。」とご主人は言った。でもそのあと、「ウチ用に冷凍したごはんでよかったら、あっためて食べる?」と付け加えた。「いただきます!」と即答した。熱々に温められたごはんが出てきて、スジコをのせて食べたらとてもおいしかった。
そのほか、注文したら品切れと言われたものがいくつかあり、ご主人は「4人くらいで来る時には予約していただけるといいんですけどね」と言っていた。仕事のことなどをああだこうだと喋りながら、食べ進めた。
豆腐が食べたいという人がいて、冷奴と湯豆腐はどちらがオススメかと聞いたら、「なんだったら鍋にする?」とご主人。「はい!」と元気に返事して、しばらく喋りながら待っていたら、有頭エビとホタテ、タラの切り身まで入った鍋が出てきた。それがまた、感動ものにおいしかったのだ。刺身同様、料亭のおいしさではなく、知り合いの漁師のおっちゃんが作ってくれたようなおいしさ。
お会計も非常に良心的で、うれしいお店だった。一応、小奇麗な店でなくてもいいかどうか確認の上、今度の飲み会をお願いしたいと思った。
店を出てから、「お店のおとうさんも驚いたかもね」と話しながら歩いた。「たぶん常連さんばかりのお店だろうに、週の中日に、予約もなしで来たオバさんが4人で、あれだけ飲み食いするなんて。」
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