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2004.12.02
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カテゴリ: 詩心のある風景
中学生の時に「大人は判ってくれない」という映画を深夜のTVで見ました。

水晶のような透明感と、なんとも痛々しい感性に溢れた映画でした。
主人公の少年がだいたい,当時の自分と同じ年代という設定が共感あるいは共鳴を誘ったのかも知れません。
凄い映画でした。

その頃バスケットの部活に所属していて、肉体的にもかなりハードは生活をしていたにも関わらず、土曜日の深夜に放送される映画の放送はしっかりと見ていました。遠い異国の物語に憧れていたのかもしれません。

「大人は判ってくれない」という映画。

監督はフランスの有名な巨匠、フランソワ・トリフォー。この映画はトリフォー監督のデビュー作品です。


中学生くらいの年代なら誰しもがそうであるように
Teenage frustration.


フラストレーションのはけ口は、走ることでした。

理由もなく、性急に目的もなく走り出す。
田んぼ道であろうと、車の多い4車線道路であろうと構わない。
視界を過る景色が鮮やかに駆け巡る、それらの一瞬一瞬を8m/mカメラにでも収めるように心に焼き付けながら、ただ走る。
時に美しい光景に包まれて、海の波のように、アドレナリンが押しては引いてゆく。
鮮やかな色彩と空気に溢れた対象を見つめる胸の内は、ソーダ水のようにキラキラはじけ誰にも止めることは出来ない。ただ意味もなく毎日走っていました。


ある日、全学年参加の長距離マラソン大会が行われました。
仮病を使おうと試みましたが、水泳の授業でかつて目の当たりにした、体育の先生の豪腕をふと思い出し・・・それは断念しました。
走れないことは、ない、のだ。毎日のように一人勝手に走っているのだし。

ただ
みんなと一緒に、そして周囲の視線あるいは用意された「何か」の中で走ることに抵抗がありました。いわゆる緊張症という奴です。

暫くして、ピストルもどきの爆音が青空の下で炸裂しました。
仕方がない。皆と一斉に僕も駆け出しました。
周囲の生徒達の激しい息遣い、視線に心臓が破裂しそうになりながら、とにかく走ったのです。

何十分かの時間が経過した頃
横に感じていた激しい息遣いが徐々に少なくなっていきました。

眩しい太陽の光線の反射に目眩を覚えつつ、小川の流れる橋を勢い良く通りすぎ、気がつけば・・・僕の視界には友人達の姿もなく、前方を眺めても後ろを振り向いても誰の姿も見えない。ふと前を見れば、随分前にスタートした地点・・・学校の校庭が遠くに見えはじめていました。そして近所のオッサンの歓喜のような声が耳に唐突に響きました。
「頑張れ!ほら、一位が目の前だぞ!」

ん???

自分が先頭を走っていたのです。
良く分からないが、何かが急激にクールダウンし、走るスピードが脱力してゆくのが自分でもよく判りました。
気がつけば、、、いつもは冷たく感じられた先生達の、何故かしら暖かくこちらを見守る視線と応援との激しい違和感漂う風景の中で・・・僕は走るリズムの空回りを感じました。ちょうどゴールの見える校庭に入りこんだところで、です。
もう僕は走ってはいなかった。実際には歩を緩めながらも、走ってはいたのですが。だが、心はもう、走ってなどいなかった。
ゴール手前の100m付近で、横顔に見覚えのある後輩に抜かれました。


その後に突然、陸上部の先生から声をかけられて様々な長距離の県大会に出場させられましたが・・・あまり良い思い出は残ってはいません。それなりに程々の成績は残したのですが。


中学校の卒業式の後に、「ふん!」といった表情でこちらを見ていた教頭先生の顔が、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。


Teenage frustrationな少年期の思い出なんて、きっとそんなもんです。楽しい思い出も多い反面、苦い思いでも少なくはない。
そしてそれを
別に大人が判ってくれる必要など、 サラサラないのです。


大人は判ってくれない
いつの時代でも、それが正しい社会のあり方なのでしょう。




大人は判ってくれない






ではでは また明日☆





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最終更新日  2004.12.03 12:17:43


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