フリーページ

2002年07月06日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「整形美人」という連続テレビドラマが終った夜、ひとしきり今期のドラマ談義に花が咲きました。最近のテレビドラマは深い問題意識を投げかけてくれるものが多いように感じます。

このドラマは、幼いころから「ブスがうつるからあっちにいけ」といじめられてきた女の子が、一念発起、お金を貯めて外国に行き、全身整形をして帰ってくるところから始まりました。彼女の整形前の顔やスタイルがどういうものだったかは、区別がつかないほどよく似ていたという双子の姉妹を登場させることで対比を表します。

彼女は一人の男性と出会い、恋をします。彼は華道の家元という設定です。つまり、「美」を追求する人間ということです。彼は「美しい彼女」を愛するようになりました。

やがて彼女は愛する人に嘘をついていることが辛くなって、自分が整形をしていることを告白します。そこで彼がどういう反応をするだろうということが、観客の関心事でした。案の上彼は完全に引いてしまいます。彼女は苦しみ哀しみ、ついには又整形前の姿にもどる決意をします。そうなったら、彼が受け入れてくれるとでも思っているわけ?・・・と、観客はいらいらします。

彼の苦しみはどこにあったのでしょう。瓜二つだという双子の妹の顔が、美しい彼女の顔にオーバーラップするたびに、彼は苦しみます。愛せないと頭を振ります。

彼が苦しんだのは二つあったように思います。一つは自分は外見の美しさで人を愛したのだろうかという思いです。もう一つは外見の美しさがその人の価値を決めるのだろうかという思いです。

これはとても難しいことだと観客も共に悩みます。美しさは外見じゃないはずだと思う気持ちは誰もが持ちます。しかし、しかし・・・です。美しいものと醜いものが並んでいたとき、目を引かれるのは美しさではないだろうか。人事として考えるのではなく、あの彼が自分だとしたら、さあ、お前はどうする!という自問自答です。

これはドラマのお話しです。それこそ案の上、彼は自分が彼女の天真爛漫な明るい心、前向きなひたむきな生き方に引かれ、救われたことを思い出して、再び整形をし直しに旅立った彼女をありのままに愛する自信をもって彼女の前に立ちます。

華道の家元である彼が、悩み苦しみぬいた果てに出した結論を象徴的にあらわした場面があります。彼は大きな作品を作ります。その披露の場に参会した人たちは、その作品の美しさと気高さに賞賛の声をあげます。その会衆に向かって彼はこう言います。



華やいでいた会場は水をあびたように静まりかえり、やがて造花を作品にした家元を罵倒し始めます。しかし実はその花たちは造花ではなく生花だったのです。家元が造花を活けるはずがないと疑わない目がある。そして、その同じ目が一瞬の後に、そこにある同じものに命を見ることが出来なくなる。

人間が「美」を感じ取るのは目なのでしょうか。それとも、心なのでしょうか。

・・・これはあくまでもドラマのお話しです。私が彼だったら、私が彼女だったら・・・。そこには人の数と同じだけのさまざまなドラマがうまれることでしょう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年04月11日 19時54分04秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

mariowa

mariowa

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

コースケ@ お、俺のおtmtmがぁ――!! もう、もう……なんも出まへぇーん!(TT…
英二2626 @ hello Hello!!!
太陽の息子 @ Re:最後の仮面舞踏会(09/03) ブログまだ始めたばかりなんですが。プロ…
★無料で遊べる!ライブチャットCOCO★@ http://livechat-coco.com/ ★☆★今回、2/20(月)PM10:00のオープンま…
Carmen @ Re:最後の仮面舞踏会(09/03) ランダムでお邪魔させていただきました。 …

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: