メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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May 25, 2006
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 料理やワインや飲んで楽しむだけならともかく、レストランを運営していくとなると、とかく「収支」が気に掛かるところです。


 さて、今日お話したいのは「ワインの原価と販売価格」についてのお話です。
と言ってもここからはいわゆる同業者の方向けですので、「お客様」にとっては、しごく退屈なお話しになるかも知れません。…と、言うか、まぁ、あんまり知られたくないお話ですが(^^;)

 さて、「原価」つまり「材料費」と言うもの、「レストラン」全体で考えるとすれば、 健全な運営をしていくにあたっては 総売上の30%から35%というところが妥当と言われています。

 しかし、料理においては、原価の設定をする際に高単価の商品は原価が低く押さえられ、単価の安い商品は原価率も高くなってしまいます。あるお店が1000円のランチと、10000円のディナーを提供しているとします。
 このお店で、1000円のランチなら、材料費は500円以上掛かってしまうかも知れません。また、10000円のディナーなら、逆に原価は3000円程度と言うところでしょうか。ならば、全部値段設定を10000円以上にすれば良いじゃ無いか、ということになりがちですが、実のところ3000円の材料を10000円で売るためにはそれ相当の雰囲気と料理人の腕が必要になってきます。もちろん、お客様の絶対数があっての事ですが。

 一方、ドリンク、ビバレージに関して言うと、ワインなどはその傾向は顕著なのですが、1000円で仕入れた商品を3000円で販売することは出来ても、10000円で仕入れた商品を30000円で売ることは不可能です。



 それは、料理は「製造業」であるのに対して、ワインを提供するという事は「流通業」であるからです。

「製造業」と「流通業」が混在するところに「レストラン」という空間の面白さもあるのですが、その反面、厄介な事象が多いのも確かなのです。

 さて、ひと昔前なら、多くのホテル・レストランにおいて、ワインでもなんでも 一律何%という原価設定がなされていました。
 なんでも3倍掛けてしまうというのは現代においては非常に乱暴な方法と見て取れます。仕入値1000円のワインは3000円になるのですが、10000円で仕入れたワインは30000円になってしまいます。確かに全て原価率は33%なのですが、当然高い商品は売れなくなってしまいます。また、少なくとも都市部において、 昨今では小売店での金額が広く知れ渡ってしまってますから、「暴利」と捉えられても致し方ないとも言えます。

 原価の「率」ばかりに気を取られてしまうと、料理との金額のバランスがくずれてしまう。また、よく売れる価格帯が定まらない。金額で選ぶようになってしまう。などなどの弊害が生じてきます。

(明日へ続く…)









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Last updated  May 26, 2006 01:12:49 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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