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2013年03月21日
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我々の乗った車は、カーディフを出て山道を暫く走ると昔炭鉱で栄えたトニーパンディに入った。

「Here we are !(さあ、着いた。)Let's get to work!(仕事に取りかかろう!)」と言って、車から出て行った。
キースが車から出ると、彼を待っていたかの様に建物から年配の女性が出てきて親しく挨拶をし、何やら昔話の様な話が始まった。
どうやら彼女はこの公民館の責任者で、キースは過去にバンドでこの会場に何回もお世話になっているらしく、お互い顔見知りになっているようだった。

我々は、早速車から機材を下し始め公民館のスタッフの助けを借りて建物の中に運び始めた。
建物の中の事は正直言ってうろ覚えなのだが、中に入ると1000人位は入るスペースがあり、その奥に高さ1,5メートル位のステージがあった。

ここのスタッフは実によく働いてくれ、ステージの上にドラムライザー(ステージでは通常ドラマーが見えにくいのを解消するためと、ドラムの音を良く響かせるために一段高い台を組み立ててその上にドラムセットを組み立てる)を組み立てたりモニタースピーカーの設置を手伝ってくれた。

ステージが組み終わった後、ちょっとしたサウンドチェックをしていると、今回ライトを担当してくれる生粋のウェールズ人クライヴという男性がライトのデスクを運んできた。

彼は、我々が会場に入る前にステージの上に自作のライトを取り付けていて、持っていた8チャンネルのライトのミキサーとそこについているジョイスティックみたいなものでステージの上に言いようのない神秘な空間を作り出してくれた。

私は、リハーサルが終わった後にクライヴの所に行き「一人でこんな幻想的なステージライティングが出来るなんて初めて見たよ。」と話すと彼は「今回は予算が無くてこれだけだけれど、予算が多ければもっとビックリするステージにしてあげるよ。」と話してくれた。

カーディフでのギター製作者もそうだったが、私はウェールズに来て以来この様に才能あふれる人達に出会えること自体、この国の音楽業界の層の深さに改めて驚かされる思いがした。

コンサートの時間が近くなってくると、人気のなかった会場にかなりの人数が入りその熱気でムンムンとしてきた。

時間が来ると我々4人はステージに出る前のスクラムみたいなものを組み、「いくぞ、オー!」みたいなことをやってステージに出た。

我々の音楽は、ヘビーメタルの聖地であるこのトニーパンデイでも快く受け止められているようで観客はとても喜んでくれた。

約2時間弱の演奏を終わり、ステージで機材の片づけをしていると隣で片づけていたドラマーのデイヴが「とっち、とっち!見ろよスゲエ美人がいる。」デイヴが示した方向には確かにそのままモデルの雑誌の表紙にしてもおかしく無い程の美人が2人丁度会場から出ていくところらしい。

いま思えば、キャサリーン・ゼタ=ジョーンズの生まれ故郷なのだから不思議ではないのだが、首都カーディフから更に田舎に入った今は閉鎖されたこの小さな炭鉱町に、ロンドンでもなかなかお目に掛かる事のない垢抜けた美人が簡単に目に留まるとはさすがであった。

まだ会場にはかなりの人数がコンサートの余韻を楽しんでいるところ、キースが会場の後ろの方から「とっち!ちょっと、こっちに来てくれ!」と叫んだ。
私は、ステージから降りてかなりの人混みをかき分けなければキースの方に行けそうにないので、覚悟を決めて人混みの方に歩いていくと私の歩く方向に向かって人混みが2つに分かれモーゼの十戒に出てくる海が割れるシーンの様に私の為に通路を作ってくれた。

私は、突然の光景に戸惑いながらもすんなりと人混みを通れた事を喜び、その奥にあるパブ(お酒を飲める場所)らしき部屋に入っていくと、その部屋は貸切になっているようで中央のテーブルに40歳前後のカップルを前にキースが楽しそうに話をしていた。


私は、「そうでしたか、それはありがとうございます。最初にQUASARを知ったのはいつごろなんですか?」等と楽しく話をしていた。
暫くして女性の方が私に、「ちょっと、とっちさんにお願いがあるのですが」と聞いてきた。
彼女は、私がどのような手をしているのか見せて欲しいという事だった。
私は、お安いご用ですよと言って両手を差し出すと、彼女は私の手を取って繁々と見ながら「この手があの演奏をした手なのよね。」と呟くのを聞きながら私はこそばゆさを感じていた。

演奏の後片付けも終わり、表に出るとこの会場の責任者の女性が見送りに出てきて「今日は、本当にありがとう。みんな楽しんで帰って行ったわ。」と言いながら我々一人一人と握手を交わした。


途中高速道路のカフェで給油と休憩と遅い食事を取り、我々がようやくキースの家にたどりついた頃には既に朝の7時を過ぎていた。
私は、機材車を下りキースからお茶でも飲んでいくか?と誘われたが、まだ彼のガールフレンドも寝ているだろうからと辞退をしてそのまま近くに駐めてあった自分の車に乗り込み家路に向かった。
朝のラッシュアワーは大変な混みようだったが、私はそれとは反対の方向に走っていたので道はガラガラに空いていた。
既にフル活動を始めているロンドン市内を横目で見ながら、家に到着し地区の大通りであるBROADWAYを行きかう車やお店を開ける準備等の朝の騒音を聞きながら家に入った。

いつもの様にミルクティを作り、それを飲みながら頭の緊張をほぐしている内に眠気が催してきて眠りについた。





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最終更新日  2013年03月22日 05時02分41秒
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