ウンとかスンとか mamatamの日記

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2026.06.06
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テーマ: 伝統芸能(39)
カテゴリ: 文楽
5月16日と23日、どちらも土曜日でしたが、2週続けて北千住マルイのビルの最上階にある劇場「シアター1010」に文楽を見に行きました。
演目は生写朝顔話、読み方はタイトルに書いた通り、しょううつしあさがおばなしです。

ずいぶん大人にに見えますが、彼は21ー2歳、彼女は16歳くらいのカップルです。
この2人が、運命的に出会い、恋に落ち、永遠を誓うのですが、運命の悪戯で引き裂かれ、その後もニアミスを重ねながらあと一歩のところですれ違う、悲恋の物語です。
悲恋と言いながら最後はなかなか唐突なハッピーエンドで、文楽としてはかなりライトなテイスト、というか、現代人に受け入れやすい筋立てでしたので、幕が降りて席を立つ時、何の引っかかりもなく「楽しかった!」「面白かった!」と思えました。
その大きな要因は、とにかく理不尽な死がなかったことだと思います。
ヒロインの乳母とその父の死という死の場面はあるのですが、乳母の死はならずものを撃退した時に負った傷が原因、父親の死は恩ある人の娘であるヒロインを救うために自分の命を投げうったもので、どちらも少なくとも理不尽ではありません。
忠義のために子を死なすとか、義理を通すために自死するなどというのは文楽あるあるで、オハナシの筋として理解はできるものの、登場人物たちと同じ日本人でも時を経て変わってしまった現代のわたしたちの価値観、倫理観では理解できない、受け入れにくい「死」です。
終演後に劇場を出る時、「よかった!」「面白かった!」の後に「でも、どうしてあそこで死ぬかしらねえ?」がくっついてしまう、あの「なんだか納得いかない感」がないのはこの作品の大きな特徴と感じました。
第一部は宇治川での2人の出会いから始まりました。
「宇治川蛍狩の段」です。
彼、宮城阿曾次郎は蛍狩に来ていました。阿曾次郎が即興で詠んだ和歌を書きつけた短冊が風に飛ばされて船に舞い込みます。その船に乗っていた彼女、深雪が、障子を開けて短冊を読み、顔を上げて2人の目があった時、運命の恋は始まりました。
深雪に絡もうとした酔っ払いを追い払ったことで、阿曾次郎は船内で酒を振る舞われ、請われて深雪の扇に朝顔の短歌を認めます。深雪も和歌を詠んで恋心を打ち明けます。メデタシめでたしとなりかけたところに、奴・鹿内が阿曾次郎を探して駆け付けます。
鹿内は阿曾次郎の伯父から、自分の家督を継いで鎌倉に行き、遊びに耽る主君に諫言をしてほしいという書状を携えていました。直ぐにもとって返そうとする阿曾次郎を深雪は今宵だけでもと引き止めますが、先の扇を自分と思って再会の時を待つようにと言い残して阿曾次郎は立ち去ります。
「真葛が原茶店の段」(まくずがはらちゃみせのだん)
京、真葛が原の茶店で医者の立花桂庵が同業の萩の祐仙を待っています。
実は深雪の知らぬところで、阿曾次郎と深雪の縁談が進んでおり、桂庵は深雪の父に頼まれて阿曾次郎のことを調べています。その一方で深雪に婿入りを狙う萩の祐仙を阿曾次郎の替わりに婿入りさせようと企んでいます。

右が祐仙、左が桂庵です。
桂庵は、遅れてやってきた萩の祐仙から30両をせしめ、さらに金をむしり取ろうと茶屋の小女お由と組んで、鍋のコゲをこそげ落とした粉を家伝来の惚れ薬と偽って売りつけます。祐仙がお由に粉を振りかけると効果覿面、お由は祐仙を追いまわし、しなだれかかります。ところがこれは桂庵の仕込み。元は鍋炭ですから、効果などあるはずはありません。それでも祐仙は信じ込んで逃げ回ります。
この段は、この作品のもう一つの見せ場、「チャリ場」でした。文楽(多分歌舞伎でも?)で、滑稽な場面のことをチャリ場と言いますが、わかりやすく間抜けな祐仙と小狡いのに間抜けな桂庵の一挙手一投足が笑いを誘います。そして祐仙のカシラの直ぐ後ろには勘十郎さんの仏頂面、桂庵の後ろには実直そのものの蓑二郎さんのお顔。これがまたむやみとおかしい。もちろん、お二人の芸の力、太夫さんの語りの力が根底にあってのおかしみですが、笑い出したら止まらない一段でした。
第一部はまだ続きますが、長くなりましたので、ここで一旦休憩とさせていただきます。続きは次回に。






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最終更新日  2026.06.07 08:39:04
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