早稲田大学ビジネススクール教授  平野雅章の 「情報投資をペイさせる」

早稲田大学ビジネススクール教授 平野雅章の 「情報投資をペイさせる」

2005.09.22
XML
カテゴリ: 情報投資
経済産業省「IT経営応援隊」事業の一環として2005年4月に公表された『IT経営百選』のデータを分析してみると、IT 支出と経営成果との関係について驚くべき事実が明らかになりました。

*『IT経営百選』は、http://www.itouentai.jp/hyakusen/index.html で見られます。



2.方法

2.1.既存研究

 ミクロ経済(企業・事業)レヴェルでは、過去10年間に、IT 支出・投資の企業業績に対するインパクトは、組織特性によって大きく影響されるというデイタの蓄積が為されてきている。米国上場企業の大サンプルに基づいて、Brynjolfsson and Hitt (2000), Bresnahan, Brynjolfsson and Hitt (2002), Brynjolfsson, Hitt and Yang (2003) 等は、以下の事実を明らかにした。
(1)IT 投資に関連して、IT の直接使用に関する教育・訓練だけでなく、業務プロセス・組織構造・サプライチェインの再設計など、多くの組織投資が必要となる。不可視な組織投資の規模は、情報投資総額の90%(ハードウェアに対する投資は総額の10%)にもなることがある。組織投資の結果である不可視(組織)資産は、現行の会計原則の下では適切に計測されていない。
(2)分権化の程度や熟練労働の使用などの組織特性は、IT 投資と相関している。
(3)IT 投資は、不可視資産と組み合わさると、大きな経営成果を生みだす。不可視資産が小さいときには、IT 投資は経営成果に負の影響を及ぼすこともある。



2.2.モデル

 本稿では、

経営成果 = F(IT 支出, 組織特性)

という基本モデルを採用する。ここでは、分析の興味は企業レヴェル、すなわち企業がその IT 支出または IT 資産全体から経営成果を得る能力を探ることにあり、個別の IT/IS プロジェクトの費用効果分析にはない。IT 支出と組織特性との間には相互作用があり、この相互作用が経営成果に影響を与えると仮定する。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.09.22 20:57:30


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

Larry Duke@ Faculty member, Drexel University, Philadelphia Hirano-sensei, With respect to …
Masaaki HIRANO @ 特設研究部会のメンバー 久米さん、こんにちは! 実は、記事の…
久米 信行@縁尋奇妙 @ すごいテーマとメンバーですね 平野先生 こんにちは。 最近、一つも…

カテゴリ

etc

(4)

組織IQ

(3)

情報投資

(21)

内部統制

(4)

社会事業

(0)

文献紹介

(10)

協会・学会

(12)

バックナンバー

2026.08
2026.07
2026.06
2026.05
2026.04

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: